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脱力のコツ|肩こり・首こり・腰痛などの改善

脱力のコツ|肩こり・首こり・腰痛などの改善

力の抜き方を忘れた人々へ

とても体が緊張している人が多いように思えます。

「脱力してください」「リラックスしてください」と言葉で言っても、そもそも力が入っていることに気づいていないことも多いので、なかなか難しい。

体が固まっているということは心も緊張しているため、無意識に固まってしまっている人は心もエネルギーを浪費して疲れてしまいます。特に首の後ろや肩まわりなどの緊張は、脳の働きと「相互に」大きく関係しています。

力が入っていることに気づいても、「脱力の仕方がわからない(忘れてしまった)」という人も多いようです。

今回は、脱力のコツをいくつか書いておきます。一時的に緩めるコツから、根本的に固まらないようにしていくコツも合わせてまとめていきます。

全部やる必要はないので、自分にあったものを持っておいて、力が入っていることに気づいたらすぐに行えるようにしておくと良いでしょう。

この記事の目次

さわる&動かす(まず、緊張に気づく)

「肩こりはしてないです」と言っている人の肩を、さわってみるとガチガチだったりすることも結構よくあります。

「不調を感じていない」という場合でも、ただ「気づいていない」だけで、その状態が続いているとやはり後から大きな病気や怪我、四十肩五十肩やぎっくり腰などにつながったりします。

まず自分で気づくこと(マインドフルネス)が大切です。

そのためには、シンプルですが自分でさわってみたり、動かしてみたりしてみましょう。

たとえばヨガのポーズは、普段行わない動きを行って自己診断が行えるので、無意識に固まっていた部分に気づくためにも有効と思われます。

ただ、柔軟性が高くても肩こりがひどい、という人もいます。

なかなか問題は複雑であることが多いです。

心身の緊張の改善のためには、部分的な観点ではなく、全体的によく観察して、原因に気づく必要があるかと思います。

力を入れて、一気に抜く

無意識に力が入っていた部分を脱力するのは、意外と難しいかもしれません。

「力を入れているつもりはないんですけど…」「力を抜いているんですけど…」と本人は言うことが多いです。無意識=気づきのない状態、ということですね。

そういうときはまず、さらに力を入れてみることです。

力を思いっきり入れて、バサっと抜く。

これで、無意識に入っていた力も抜けることが多いです。

肩の場合は、強くすくめて、バサっと抜く。これはわかりやすいですね。

首の場合は、タオルやベルトを後頭部に当てて、両端を手で持って前に引っ張り、首は後ろへ倒そうとする力を加えて抵抗して、バサっと脱力(しっかり脱力すると首の骨は前へくるっと丸くなり、アゴは鎖骨の間につく)。

腰の場合は、背中周り全体に力を入れて背骨を後ろへ反って、バサっと脱力(脱力すると背骨は前へ丸くなるか、まっすぐ上へ伸びる)。

その他、股関節などにも同じように行えます。

力を入れて、ゆっくり抜く

これは一気に抜くよりも少し上級編になるかもしれませんが、さらに気づきを磨いて力の入れ具合をコントロールし、根本的に緊張しにくい状態をつくるために有効です。

力を思いっきり入れたあと、「徐々に」抜いていきます。

これは肩だけなどではなくて全身で行えればさらに有効です。

たとえば全身をぎゅっと力ませて100%の力を入れたあと、90%・80%・70%…と抜いていくようなイメージです。

そして全体が50%になれれば、どんな方向にもすぐ動き出せるニュートラルな待機状態になります。0%まで脱力するのは難しくても、少し練習することで50%にしていくことはできるかと思います。

何%の力が入っているか?ということを、自分で気づけるようにしていくというのも大きな意味があります。

こういった練習を繰り返すことで、無意識にしてしまっていたことを、自分でコントロールできるようになっていきます。

参考:姿勢の崩れ・心身のアンバランスの改善に関するヒント

揺らす

固まっている部分があったら、揺らして緩めます。

これも簡単なことのように思えますが、うまく揺らすことができない人も多いです。揺らしているつもりでも、たとえば自分で動画に撮ってみたりすると、なんだか全体が一緒に揺れてしまっていて、体のパーツごとにバラバラに揺らせていないことに気づくこともあるでしょう。

どこか揺らしたいところがあるなら、それ以外の土台になる部分は安定している必要があります。

その土台になる部分と、揺らしたい部分が、まず分けられていないというのが原因として大きいかもしれません。

「肩」「股関節」といった部分は、意外とどんな構造になっているのか把握していない人も多いことでしょう。その場合は、骨や筋肉といった解剖学を簡単に学んでみるのもヒントになるかもしれません。

参考:機能解剖学事典・動きに関わる筋肉一覧

さする

これは比較的簡単で、効果があることが多いように思えます。

固まっている部分をやさしくさすります。

さすりながら、動かしたりしてみても良いでしょう。

さすることによって、軽く静電気を起こすということにも意味があります。コリの蓄積というのは、静電気の蓄積のようなもののように思えます。

手で触るにも、いろいろな触り方があります。固まっているからといって、あまり強く触ると逆に反発が起こって固くなってしまうこともありますので、まずはやさしくさすってみるようにしてみましょう。

参考:セルフケアにも活用できる、ヒーリングや整体の「手技」の種類

呼吸を入れる・気を流す

固まっている部分を実際に膨らませたりしぼませたりして呼吸を入れることで、内部からマッサージするような効果があります。

肩・腰・胸などのコリは、呼吸を深めることですぐに改善したりします。特にしっかり息を吐き切ることが重要です。

ただ、肺の近くの部分に呼吸を入れるというのはわかりやすいですが、たとえば「腕に呼吸を入れる」「脚に呼吸を入れる」などと言われると、わかりにくい場合もあるかと思います。

その場合、呼吸とともに気の流れをイメージをするのが効果的です。実際、気のエネルギーというのは意志の向きに従って流れます。

気の流れのイメージのパターンとしては、比較的簡単なやり方が2種類あります。

1つ目はまず息を吸うときに口からエネルギーの粒が流れ込んできて、それが体の中を通って固まっている部分に流れていき、エネルギーを満たしてから、息を吐くときに要らないエネルギーやストレスの粒が流れて口から出ていく、といったやり方です。

2つ目は、固まっている部分の皮膚から直接、エネルギーの粒が出入りするようなイメージのやり方です。こちらの方はおそらく経穴(ツボ)やチャクラを用いるということに近いかと思います。経穴・小チャクラは、体中にたくさん存在していて、それぞれが体の内外のエネルギーをやり取りしていると考えられます。たとえば肩こりに効くツボは肩井、エネルギーが湧き出る「井戸」のようなイメージですが、その流れが滞ればまさに一番肩こりを感じる場所になってしまいます。そこから、自然にエネルギーが出入りしているとイメージします。

参考:経絡・経穴・ナディ・マルマ・チャクラ論

イメージする(観想・瞑想)

自分の意志ではなかなか脱力するのが難しい、と思ってしまう人は、脱力させてくれる何か別のモノをイメージをするのも効果的です。

古来から伝わっている方法もあり、たとえば以前紹介した「軟酥の法」も有効です。

参考:軟酥の法 〜万病を治す?白隠禅師の瞑想法〜

これは、「すべての病を治してくれる妙薬が頭のてっぺんに乗っていて、それがだんだん溶けて体に染み込み、脳や臓器も満たしながらだんだん下へおりていく」というイメージをする観想法です。

軟酥というのは昔のヨーグルトのようなもののようですが、たとえば光のシャワーやエリクサー(霊薬)でも、神の手が頭に乗っているイメージでも、自分なりにバリエーションをつくってみても良いかと思います。

まとめ

「力を抜かねば…」と思ってしまうと、逆に「力を抜く」という新たな仕事が加わったことになり、逆効果になってしまうことも多いです。「無意識・バックグラウンドで動いている仕事に気づいて、やらないようにしていく」というのが正しい方向性かと思います。そのためには、自分に合った「これをやれば緩められる」という身体動作やイメージ法などを持っておくと良いでしょう。

一時的な改善だけであれば、「力を入れて、一気に抜く」「揺らす」「さする」などでも十分です。仕事中などにもやってみると良いかと思います。「呼吸を入れる・気を流す」もできるようになると、あまり目立つ動作をすることなくいつでも心身を緩めることができるようになります。

根本的に緊張しないように、うまく常に脱力していられるようにするには、「力を入れて、ゆっくり抜く」で気づきとコントロールを磨き、そしてうまく脱力できるような自分をイメージして、なるべく常にその自分のように呼吸し行動する、ということを練習していくと良いでしょう。

言葉で言うのは簡単ですが、凝り固まったイメージを変えるのは難しいかもしれません。しかし難しくしてしまっているのも自分の思い込みだったりするので、執着せずに今までの自分を手放そうと思えれば、変化はすぐに訪れるかもしれません。

参考:人が変わるための緒(いとぐち)

このあたりの話を含めて、「ディープリラックス」のクラスを始めてみます。あまりたくさん動かず、深いリラックスと回復を目的とした技をいろいろ行っていこうと思っています。

クラス内容

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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