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「クンダリニー・タントラ」を読む【27】第1章 14節:性とヨーガとタントラ

「クンダリニー・タントラ」を読む【27】第1章 14節:性とヨーガとタントラ

一般には避けられがちな話題だけれども、人間の本質を扱う上で重要なこと

「KUNDALINI TANTRA(クンダリニー・タントラ)/Swami Satyananda Saraswati(スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ)著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガの概要を紹介していきます。

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

用語:クンダリニー(クンダリーニ)
用語:チャクラ
用語:ナディ(ナーディー)

これらは今は誰もが見えるもの・感じ取れるものではないので、扱うのが難しい分野ではありますが、心身の改善のためにも、ヨガのポーズや瞑想を洗練させるためにも、そしてさらなる進化のためにも、これらの「見えないもの」も注意深く研究して、気づきを磨いていくと良いかと思います。

参考:クンダリニーヨーガ(クンダリーニヨガ)の研究まとめ

今回は、第1章の14節、性とヨーガの関係、性生活をどのようにするべきかといったことと、性に関するヨーガの技法やタントラにおける性の考え方などに関する部分です。

以下、引用部分の太字強調は私が個人的に重要と思ったところを示したものです。

この記事の目次

性とヨーガの関係

ようやく第1章の最終節に来ましたが、ここで性とヨーガの関係性について語られています。

The science of tantra has two main branches, which are known as vama marga and dakshina marga. Varna marga is the left path which combines sexual life with yoga practices in order to explode the dormant energy centers. Dakshina marga is the right path of yoga practices without sexual enactment.

密教においては「vama marga 左道」と「dakshina marga 右道」があり、「左道」は男女の性行為を伴う行法で、「右道」は性行為を行わずに進める道ということで区別され、長い歴史の中で激しい議論が行われてきたようです。

チベット密教などを調べていくと、僧侶たちの間でもかなりの熱量で議論されてきた様子が感じ取れます。

参考:チベット密教/ツルティム・ケサン(著) 正木晃(著)|書籍紹介

なぜ性に関して議論されるかというと、やはりそれが大きな力を持っており、クンダリニー覚醒にも関係があるからでしょう。

実際にアーサナ・プラーナーヤーマ・ムドラー・バンダといったハタヨーガの技法は、性的な能力を高める効果もあります。そこで高まった力を、どのように使うかということが重要かと思います。

様々な立場から議論されていますが、ここでのサティヤナンダ氏の結論としては、この節の末尾で以下のように述べられていますので先に引用しておきます。

Therefore, in my opinion, only those who are adepts in yoga qualify for vama marga. This path is not to be used indiscriminately as a pretext for self-indulgence. It is meant for mature and serious minded householder sadhakas, who are evolved, who have been practising sadhana to awaken the energy potential and to attain samadhi. They must utilize this path as a vehicle of awakening, otherwise it becomes a path of downfall.

ヨーガに熟達した人(adept アデプト)にのみ「左道」を進む資格がある、と述べられています。そしてその道は、決して自己満足のために進んではならないとしています。

もし性的ヨーガの力を都合よくとらえて、教祖が自己満足のために行法をつくりあげてしまうと、あやしい宗教の出来上がりです。

成熟した真剣な心を持つ、サマーディを得るために修行を積み重ねた在家の修行者のみが、通ることのできる道であり、そうでないならば堕落の道になってしまうであろうと示しています。

実際のところ、呼吸法やムドラー・バンダなどを通じて、メンタルや生殖器まわりに関わるコントロールが格段に上達するため、性的能力や妊娠・出産などに良い影響を与える効果も十分にあるかと思います。

Therefore, the yogis have tried to give a correct direction to the sexual urge. Yoga does not interfere with sexual life. Normal sexual life is neither spiritual nor aspiritual. But if you practise yoga and master certain techniques, then sexual life becomes spiritual. Of course, if you lead a celibate life, that is spiritual too.

逆に、男女の交わりを断つ必要があるのかというのも気になるところですが、ここで示される行法の方向性は、そういうものではないようです。通常の性生活はスピリチュアルとは全く関係のないものですが、ヨーガの技法を正確に習得することで、性生活はスピリチュアルな意味を持つものに変わっていくといいます。

男女の交わりを断つのではなく、それぞれの役割を理解し、快楽目的ではなく真剣に交わることでスピリチュアル的な覚醒へとつながっていくということです。

密教における男女のエネルギーに関する考え方

Man and woman represent positive and negative energy. On a mental level they represent time and space. Ordinarily, these two forces stand at opposite poles. During sexual interaction, however, they move out of their position of polarity, towards the center. When they come together at the nucleus or central point, an explosion occurs and matter becomes manifest. This is the basic theme of tantric initiation.

なぜ男女の交わりに重大な意味があるのかということを、エネルギーの観点から説明しています。

男女は逆の極のエネルギーを持つ存在であり、それらが交わる時、男女はそれまで留まっていた極を離れてエネルギーは中央に集まり、爆発的な力が現れるというように述べられています。

This subject has been thoroughly discussed in all the old scriptures of tantra. Actually, more important than the energy waves that are created during the mutual union, is the process of directing that energy to the higher centers. Everybody knows how this energy is to be created, but nobody knows how to direct it to the higher centers. In fact, very few people have a full and positive understanding of this natural event which almost
everybody in this world experiences. If the conjugal experience, which is generally very transitory, could be extended for a period of time, then the experience of enlightenment would take place.

もちろん男女の交わりは大きな力を生み出すことはよく知られていますし、そのためにそれに執着する人々も多いわけですが、そこで生まれたエネルギーを高次のセンター(サハスラーラ)へ送る方法については、ほとんど知られていないことであるといいます。

そういったことを知っておくと、夫婦間の経験も一時的で儚いものではなく、より長い期間続く祝福に満ちた経験になっていくといいます。

仙道の房中術や気功などに関連する性の話を調べていくと、発生したオーガズムのエネルギーを、背骨を通して頭へ到達させることの重要性がよく言及されています。

ナディを調整しスシュムナーを覚醒させておくことは、性行為をより高次の意義のある行いへと発展させるようです。

The elements that are brought together in this process of union are known as Shiva and Shakti. Shiva represents purusha or consciousness and Shakti represents prakriti or energy. Shakti, in different forms, is present in all creation. Both material and spiritual energy are known as Shakti. When the energy moves outwardly, it is material energy and when it is directed upwards it is spiritual energy. Therefore, when the union between man and woman is practised in the correct way, it has a very positive influence on the development of spiritual awareness.

先にも述べられてきたように、クンダリニー覚醒は骨盤底で目覚めた女性神(シャクティ)のクンダリニーが、スシュムナーを通って上昇し、頭頂にいる夫の男性神シヴァと合一するという神話的描写で語られます。

この描写は、性行為のときに発生するエネルギーの扱い方を表しているととらえることもできるようです。エネルギーを濫用せず正しく扱うことによって、スピリチュアル的な覚醒をもたらすといいます。

性に関する男女それぞれに対する注意点がここから説明されていますが、男女ともに、精力を濫用せずしっかり保持しておくようにという指示があります。

これは仙道などでもよく議論されるところですが、具体的にどうするべきかは、諸説分かれるようです。

Bindu means a point or a drop. In tantra, bindu is considered to be the nucleus, or the abode of matter, the point from which all creation becomes manifest. Actually, the source of bindu is in the higher centers of the brain. But due to the development of emotions and passions, bindu falls down to the lower region where it is transformed into sperm and ova. At the higher level, bindu is a point. At the lower level, it is drop of liquid, which drips from the male and female orgasm.

ここでは、ビンドゥを保持せよ、という表現が用いられています。ビンドゥは物質世界を創る素になるようなもので、その源は脳の高次センターにあり、感情の高まりなどによってビンドゥは低次領域へ落ちてきて、精子や卵子へと変わると説明されています。

そしてハタヨーガには、ビンドゥを保持するために役立つ様々な技法があります。

In hatha yoga there are certain practices which must be perfected for this purpose. You should begin with asanas such as paschimottanasana, shalabhasana, vajrasana, supta vajrasana and siddhasana. These are beneficial as they place an automatic contraction on the lower centers.

パスチモッターナーサナシャラバーサナヴァジュラーサナ、スプタヴァジュラーサナ、シッダーサナなどのアーサナから始めるべしという指示があります。これらは、低次のセンターの自動的な収縮を助けるといいます。

ここで「収縮」という言葉が使われていますが、チャクラの刺激のためにバンダが用いられる際、意識の集中のみで行われる場合と、筋収縮が用いられる場合があります。ここでは、心のコントロールをせずともアーサナを行うだけで筋収縮が自動的に行われるというニュアンスが感じられます。

Sirshasana is also important because it ventilates the brain so that all of one’s experiences will be healthy experiences. When these postures have been mastered, shambhavi mudra is perfected in order to hold the concentration steadily at bhrumadhya.

シルシャーサナもまた重要であり、脳を整理して風通しをよくし、全ての経験を健康的なものに変えていくといいます。

これらのアーサナに熟達した後、目を上へ向けて眉間を凝視するシャンバヴィームドラを行い、アジュニャーチャクラの覚醒につながるブルーマディヤ(眉間)への集中を練習するべしというように説明されています。

このあたりの詳細なやり方は、第3章で説明されます。

男性のための重要な行法

According to tantra, ejaculation should not take place. One should learn how to stop it. For this purpose, the male partner should perfect the practices of vajroli mudra as well as moola bandha and uddiyana bandha. When these three kriyas are perfected, one is able to stop ejaculation completely at any point of the experience.

ビンドゥを保持するという目的から、射精は避けるべきであると示されています。ここは仙道や気功などでも本当に諸説分かれるところです。

完全に避けるべきなのか、減らすべきなのか、逆に推奨されるべきなのか、いろいろな意見があります。密教行者たちの間でも激しく議論されてきたことなのでしょう。

in spiritual life, bindu must be preserved at all costs.

サティヤナンダ氏は、スピリチュアルな目的のためには、できるだけビンドゥを保持せよという見解のようです。

ハタヨーガの数々のバンダやムドラーは、射精を止める練習のためにも役立ちます。

Then vajroli mudra has to be practised together with moola bandha and uddiyana bandha in kumbhaka. Practice of kumbhaka is necessary while the ejaculation is being held. Retention of the breath and the bindu go hand in hand. Loss of kumbhaka is loss of bindu, and loss of bindu is loss of kumbhaka.

性器を引き込み下腹部に力を入れて泌尿器全体を収縮させるヴァジローリームドラーは、その中心的な男性向けの行法として後に紹介されています。またムーラバンダ、ウディヤナバンダも重要であり、とくにクンバカ(止息)は射精を止めるために必須であるといいます。

このあたりは無理に行うと別の症状をもたらす危険があるともいわれているので、慎重に行う必要のある部分です。

女性のための重要な行法

女性が性のエネルギーを高め、維持するために、重要な行法として膀胱括約筋を収縮させるサハジョーリームドラーが挙げられています。これは男性におけるヴァジローリームドラーに対応しています。

また、とくに女性に対しては、オーガズムを高めて維持するための解説が詳しくされています。これらの情報は、性生活の改善などにも非常に役に立つことになるかもしれません。

In the female body, the point of concentration is at mooladhara chakra, which is situated at the cervix, just behind the opening of the uterus. This is the point where space and time unite and explode in the form of an experience. That experience is known as orgasm in ordinary language, but in the language of tantra it is called an awakening. In order to maintain the continuity of that experience, it is necessary for a buildup of energy to take place at that particular bindu or point. Usually this does not happen, because the explosion of energy dissipates throughout the body through the sexual medium. In order to avoid this, the woman must be able to hold her mind in absolute concentration on that particular point. For this, the practice is known as sahajoli.

Actually, sahajoli is concentration on the bindu, but this is very difficult. Therefore, the practice of sahajoli, which is the contraction of the vaginal as well as the uterine muscles, should be practised over a long period of time.

まず集中するべきポイントであるムーラーダーラチャクラは、女性の場合は子宮頸口にあるといいます。ここでは一般的にはオーガズムが起こり、タントラではそれを覚醒と呼ぶ、と説明されています。

しかし先程述べられたように、通常のオーガズムはすぐにおさまってしまいますが、その経験・覚醒した状態を長く保持するために、ハタヨーガの技法が用いられます。

オーガズムで生まれたエネルギーは、本来は後頭部にあるビンドゥ・ヴィサルガへ上昇させることができれば理想的なのですが、それは最初のうちは難しく、エネルギーは散っていってしまいます。それを避けるために、まずはサハジョーリームドラーを実践し、特定の場所にエネルギーを集中できるようにせよといいます。

サハジョーリームドラーは、本来はビンドゥ・ヴィサルガへの集中を行うものですが、そのための練習としてまずは膀胱括約筋(小便を途中で止めるための筋肉)を意識的に収縮することを繰り返します。

これは「ケーゲル体操」として妊婦さん向けなどにも、骨盤底筋のコントロールの練習法として用いられているようです(ただ、うちにマタニティヨガをしに来られた方に聞いてみても、教わったことはないという人ばかりです。あまり普及はしていないのかもしれません)。

If girls are taught uddiyana bandha at an early age, they will perfect sahajoli quite naturally with time. Uddiyana bandha is always practised with external retention. It is important to be able to perform this in any position. Usually it is practised in siddhayoni asana, but one should be able to do it in vajrasana or the crow posture as well. When you practise uddiyana bandha, the other two bandhas – jalandhara and moola bandha occur spontaneously.

女性は子供のころからウディヤナバンダを練習しておくと、サハジョーリーは自然にできるようになるといいます。

ウディヤナバンダは、息を吐ききった後、お腹全体を凹ませてキープする行法です(アシュタンガヨガなどで行われる穏やかなウディヤナバンダとは異なります。詳細は以下の記事にて)。

参考:「バンダ」とは〜プルプルしないでヨガポーズをキープ・呼吸法でエネルギーの流れを制御〜

主なバンダは3つあり、喉を収縮するジャーランダラバンダと、骨盤底を収縮するムーラバンダがありますが、ウディヤナバンダを練習することでその他2つのバンダも自然に起こるようになるといいます。

Years of this practice will create a keen sense of concentration on the correct point in the body. This concentration is more mental in nature, but at the same time, since it is not possible to do it mentally, one has to start from some physical point. If a woman is able to concentrate and maintain the continuity of the experience, she can awaken her energy to a high level.

チャクラの覚醒などにおいて、特定の場所に意識の集中をすることが必要になってきますが、最初のうちは難しいため、まずは肉体の特定の筋肉を収縮することで練習していくのが良いであろう、と示されています。

意識のコントロールよりも簡単かもしれないとはいえ、骨盤底筋のコントロールは、なかなか難しいと感じる人も多いかと思います。しかしそれを練習することは、様々なメリットがあります。

According to tantra, there are two different areas of orgasm. One is in the nervous zone, which is the common experience for most women, and the other is in mooladhara chakra. When sahajoli is practised during maithuna (the act of sexual union), mooladhara chakra wakes up and the spiritual or tantric orgasm takes place.

タントラでは、オーガズムが起こる場所は2つあると定義しており、ひとつは神経の領域であり一般的な女性に起こるもので、もうひとつはムーラーダーラチャクラであるといいます。ムーラーダーラチャクラの位置は、子宮頸口にあります。

マイトゥナ(性的結合)の際に、サハジョーリームドラー(小便を止める筋肉を収縮させる)を行うことで、ムーラーダーラチャクラの覚醒につながると説明されています。

maithuna マイトゥナというサンスクリットの語がこの節ではよく使われていますが、単に性行為という意味だけでなく、union(結合)という意味合いの強い言葉のようです。後に説明されますが、見た目は同じようにみえても、意識の状態などは全く異なるものであるといいます。

When the female yogi is able to practise sahajoli for say 5 to 15 minutes, she can retain the tantric orgasm for the same period of time. By retaining this experience, the flow of energy is reversed. Circulation of blood and sympathetic/parasympathetic forces move upward. At this point, she transcends normal consciousness and sees the light. That is how she enters the deep state of dhyana. Unless the woman is able to practise sahajoli, she will not be able to retain the impulses necessary for the tantric orgasm, and consequently she will have the nervous orgasm, which is short-lived and followed by dissatisfaction and exhaustion. This is often the cause of a woman’s hysteria and depression.

サハジョーリームドラーを5〜15分でも続けて行えるのであれば、それと同じ時間だけオーガズムは持続するといいます。そのタントラ的なオーガズムが持続することで、エネルギーの流れは逆転し、血流や自律神経の力は上昇する方向へ向かっていくといいます。

そのとき意識は、先に述べられたような超越的な状態になり、深い瞑想を行っているときの状態に入り、光が視えたりするようです。

サハジョーリームドラーを行わない場合、神経的な通常のオーガズムしか起こらず、それは短い時間で収束し、不満足感や疲れなどが残るだけであるといいます。多くの女性がヒステリックになったり抑うつ的になるのは、このあたりに原因があると説明されています。

So, sahajoli is an extremely important practice for women. In uddiyana, nauli, naukasana, vajrasana and siddha yoni asana, sahajoli comes naturally.

以上のようにサハジョーリーはとても重要な行法であり、ウディヤナ、ナウリ、ナウカーサナヴァジュラーサナ、シッダヨーニアーサナなどを実践していくと、自然にできるようなると示されています。

タントラにおける男女の役割

現代社会でも、男女の社会的関係性は、文化圏それぞれにおいて異なっています。

性に関することはもちろん男女で異なっており、性との関わりが大きいハタヨーガ・クンダリニーヨーガにおいては、男女で行法が異なる部分もあるでしょう。

ここでは、歴史上のタントラにおける男女の役割の違いや関係性について説明されています。

Just as in the scheme of creation, Shakti is the creator and Shiva the witness of the whole game, in tantra the woman has the status of guru and the man of disciple. The tantric tradition is actually passed on from the woman to the man. In the tantric practice, it is the woman who initiates.

創世紀において、シャクティが創造者であり、シヴァは全ての目撃者であったといいます。タントラにおいては、女性が師匠で男性が弟子であり、タントラの伝統は女性から男性へ伝えられ、男性の霊的参入を認めるイニシエーションを女性が行っていたといわれます。

It is only by her power that the act of maithuna takes place. All preliminaries are done by her. She puts the mark on the man’s forehead and tells him where to meditate. In ordinary interaction, the man takes the aggressive role and the woman participates. But in tantra, they switch roles. The woman becomes the operator and the man her medium. She has to be able to arouse him. Then, at the right moment, she must create the bindu so he can practise vajroli. If the man loses his bindu, it means that the woman has failed to carry out her functions properly.

マイトゥナを行う際は、女性の力をもって始められ、全ての準備は女性によって行われると説明されています。現代社会では一般的に、男性がリードする場面が多いですが、タントラにおいては逆で、女性が主導権を持って進められるようです。

In tantra it is said that Shiva is incapable without Shakti. Shakti is the priestess. Therefore, when vama marga is practised, the man must have an absolutely tantric attitude towards the woman. He cannot behave with her as men generally do with other women. Ordinarily, when a man looks at a woman he becomes passionate, but during maithuna he should not. He should see her as the divine mother, Devi, and approach her with an attitude of devotion and surrender, not with lust.

シヴァはシャクティなしではなにもできず、シャクティは聖職者のように扱われます。そのため左道タントラを行う際は、男性は女性に対して、一般的な男性が女性に対して欲情を抱くように接してはならず、聖母や女神のように、敬意と献身をもって接する必要があると説明されています。

What we are discussing here is not patriarchal society versus matriarchal society, but tantra, particularly left hand tantra.

男性優位社会とか女性優位社会とかいうことを議論しているわけではなく、左道タントラではそのようになっている、ということです。

快楽主義とは全く異なる、タントラの道

In tantra, the practice of maithuna is said to be the easiest way to awaken sushumna, because it involves an act which most people are already accustomed to. But, frankly speaking, very few are prepared for this path. Ordinary sexual interaction is not maithuna. The physical act may be the same, but the background is totally different.

タントラにおいては、マイトゥナが最も容易なスシュムナー覚醒の道であるとされています。それはほとんどの人が性行為を行うことができ、作法としては慣れているためですが、しかし見た目は同じようでも、マイトゥナは通常の性行為とは全く異なるものであるといいます。

最も容易とは言っていますが、それを実際に行う準備を整えるには、長い期間を要するということのようです。

In the relationship between husband and wife, for example, there is dependency and ownership, but in tantra each partner is independent, one unto himself. Another difficult thing in tantric sadhana is cultivating the attitude of passionlessness. The man has to virtually become brahmacharya in order to free the mind and emotions of sexual thoughts and passion which normally arise in the presence of a woman.

Both partners must be absolutely purified and controlled internally and externally before they practise maithuna. This is hard for the ordinary person to comprehend because for most people, sexual interaction is the result of passion and physical or emotional attraction, either for progeny or pleasure. It is only when you are purified that these instinctive urges are absent. This is why, according to tradition, the path of dakshina marga must be followed for many years before the path of vama marga can be entered. Then the interaction of maithuna does not take place for physical gratification. The purpose is very clear – awakening of sushumna, raising the kundalmi energy from mooladhara chakra, and exploding the unconscious areas of the brain.

多くの人にとって、性行為は肉体的・感情的な満足のためや妊娠のためなどに行われますが、マイトゥナは全く異なり、それはスシュムナーを覚醒させ、ムーラーダーラチャクラからクンダリニーエネルギーを上昇させ、脳の眠っていた部分を呼び覚ますために行われるといいます。

そのため、多くの人にとっては難しいことですが、マイトゥナが行われる前に、心と体は浄化され、完全にコントロールできる状態にしていなくてはならないということです。

つまり左道タントラへ入る前に、右道タントラによって長い期間をかけて心身を浄化しておく必要があるということです。

先に結論を引用しておきましたが、左道タントラは、ヨーガの達人になって心身のコントロールができるようになってから行われるべきである、ということです。

実際この本の行法も、性行為を伴わないものを中心に始められていきます。密教の本によっては、エロ本のようなものもたくさんありますが。

ようやく第1章の最終節まで読み終わりましたが、この節に書かれていたことは、男女それぞれの幸せな人生を考えたり、社会の構造を考えるたりする上でも、とても重要な内容を含んでいるように思えます。

一般には避けられがちな話題ではありますが、私も真剣に研究を続けています。

次記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【28】第2章 1節:チャクラ入門

前記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【26】第1章 13節-2:クリヤーヨーガの実践概要

参考文献

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「密教ヨーガ―タントラヨーガの本質と秘法」本山 博 (著)

「クンダリニー」ゴーピ・クリシュナ (著), 中島巌 (翻訳)

「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)

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高橋陽介

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