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「クンダリニー・タントラ」を読む【8】第1章 3節-1:クンダリニーの生理学

「クンダリニー・タントラ」を読む【8】第1章 3節-1:クンダリニーの生理学

クンダリニーはどのように存在し、その覚醒が人をどのように変えるのか

「KUNDALINI TANTRA(クンダリニー・タントラ)/Swami Satyananda Saraswati(スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ)著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガ(クンダリニーヨーガ)の概要を紹介していきます。

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今回は、第1章の3節の冒頭です。

クンダリーニヨガの研究については、以下のページにまとめてあります。

参考:クンダリニーヨーガ(クンダリーニヨガ)の研究

この記事の目次

クンダリニーが住む次元

肉体に蓄えられたエネルギーではない

Its abode is actually in the causal body, where the concepts of time, space and object are completely lost.

クンダリニーとは、熱や電気のような感覚を起こすきっかけにもなりますが、それ自体は物質的な肉体に蓄えられたエネルギーではなく、コーザル体に住している、とここでは説明されています。

ここで、メンタル体・アストラル体・コーザル体といった言葉が出てきますが、それらの説明は後のチャクラの章でもされています。アストラル体とメンタル体はヨーガでは「微細身」、コーザル体は「原因身」などと呼ばれることもあります。

ここでは、クンダリニーはコーザル体の中に住しているとされ、コーザル体の世界は時間・空間・物質といった概念から完全に脱している、とだけ説明されています。

微細な世界とのつながり

この概念を簡単に理解するのは難しいかもしれませんが、クンダリニーは特定の季節でないと目覚めないとか、特定の場所にいかないと目覚めないようなものではない(もちろん季節や場所によって心と体は影響を受けるので、関係がないというわけではありませんが)、というようにまずは理解しておくと良いかもしれません。

クンダリニーの性質や、コーザル体などの各体の性質については、神智学なども調べていくと、様々な捉え方があるようです。私のクンダリニー研究のページも参考にしてみてください。

クンダリニーと意識の関係

超越的な意識や気づきへの進化

How and where is the concept of kundalini related to the supreme consciousness? The serpent power is considered to arise from the unconscious state in mooladhara. … The supreme awareness or Shiva is considered to be seated in sahasrara, the superconscious or transcendental body at the crown of the head.

ここで「consciousness 意識」や「awareness 気づき」に関する話が出てきます。クンダリニー覚醒にあたって、意識や気づきは超越的な状態に進化していくといわれます。

それはどのように起こるのかというと、「無意識」の座である脊柱基底のムーラダーラチャクラに眠っていた蛇の力が目覚めて上っていくにつれて、人は無意識の状態からいくつもの次元の意識状態・気づきの度合いを経て、頭頂のサハスラーラに至るときには、シヴァ神の意識と合一し、宇宙全体への気づきを得た存在になっていくといわれます。

チャクラの覚醒に応じた段階的な進化

簡単に言えば、クンダリニーが上っていくにつれて、途中に存在するチャクラが段階的に覚醒し、それに応じて意識と気づきのレベルが上っていくということになるでしょう。

頭頂は、インドの古典ヴェーダやタントラによれば「ヒラニヤガルバ(意識の子宮:宇宙がつくられる場所)」などと呼ばれ、それは肉体上では脳下垂体に関連している言われます。脳下垂体は脳の中央付近に位置し、生命維持などのために重要なホルモンをコントロールしています。

ちなみにガルバ(子宮)という言葉が使われるヨガポーズもありますね。

ガルバピンダーサナ(子宮の胎児のポーズ)

ヒラニヤガルバという言葉は、ユクテスワ氏やヨガナンダ氏の本の中にも度々でてくる比較的よく用いられる概念です。シヴァナンダヨガの太陽礼拝のマントラの中にも出てきます。

参考:シヴァナンダヨガ太陽礼拝の効果とやり方動画・図解

チャクラ、第三の目

アージュニャーチャクラと松果体

Immediately below this center of supreme consciousness, there is another psychic center – “the third eye” or ajna chakra, which corresponds to the pineal gland. This is the seat of intuitive knowledge. This center lies on top of the spinal column, at the level of bhrumadhya, the eyebrow center. Ajna chakra is important because it is simultaneously connected with the seat of supreme consciousness in sahasrara and with mooladhara, the seat of the unconscious, at the base of the spine, via sushumna, the psychic passage within the spinal column. Therefore, it is the connecting link between the lowest unconscious seat of power and the highest center of illumination within the individual.

頭頂のサハスラーラの直下には、「第三の目」とも呼ばれるアージュニャーチャクラがあり、これは肉体上では松果体(松果腺)と関係しています。このチャクラは「直観」の座であるとされます。

アージュニャーチャクラは、至上意識の座であるサハスラーラと、無意識の座であるムーラーダーラチャクラに直接つながっている重要なチャクラです。

チャクラ覚醒の順番

第3章で述べられるクリヤーヨーガでは、まず最初にこのチャクラを目覚めさせる行から始めることになります。第1チャクラのムーラーダーラチャクラからではないのか?ということもそこで説明されますが、アージュニャーチャクラとムーラーダーラチャクラは、離れていますが直接的につながっています。

しかし頭の真ん中にある松果腺をイメージするのは多くの人にとって難しいため、かわりに肉体の表面にある「眉間」への集中がよく行われます。

肉体を足がかりとして、人間の進化へ向かう

クンダリニーヨーガは、肉体を用いて行う

Kundalini yoga is not abstract. It considers this very physical body as the basis. … The matter of this physical body is being transformed into subtle forces …

サティヤナンダ氏の唱えるクンダリニーヨーガは、抽象的なものではなく、物質的(ヨーガではよく「粗大」と表現される)な肉体をベースにして行われます。

クンダリニーやチャクラなどは微細なものではありますが、それらに直接働きかけるのではなく、肉体を足がかりとしてそれらにアクセスする方法を取ることになります。

肉体から微細なものへ、そして至上の意識へ

至上の意識は、この肉体の表しうる最上の表現として現れたものであるとされ、肉体を構成する物質は、思考や記憶などのより微細な力(心の働きなど)へと変化していくという流れで説明されています。

微細なものから粗大なもの、粗大なものから微細なもの、どちらの変容の流れも存在し、どちらから変化しても、結果としてどちらも変化するといわれていますが、ここで示されるヨーガの道は主に肉体を用いて、その進化の過程を始めていくということでしょう。

このあとは、チャクラの概要について説明が始まります。

次記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【9】第1章 3節-2:チャクラとは

前記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【7】第1章 2節後半:クンダリニーを表す蛇のイメージ、覚醒の条件

参考文献

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「密教ヨーガ―タントラヨーガの本質と秘法」本山 博 (著)

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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