蓮華座を深く組み、脚のスキマに腕を通して丸くなるポーズ。一体どこに腕が通るの??と思っているうちは、まずは蓮華座(パドマーサナ)を正しく組む練習をしましょう。
ガルバは「子宮」、ピンダは「胎児」の意味。
この記事の目次
ガルバピンダーサナの主な効果
- 股関節外旋の柔軟性UP
- 肝臓・脾臓・消化器系の活性化
- 大臀筋ストレッチ
- 骨盤調整
- 足首・膝関節の歪み調整
ガルバピンダーサナの禁忌・注意点
股関節・膝・足首などを痛めている方は、痛みの出ない範囲で行いましょう。
妊娠中の方は、お腹を圧迫しない範囲で行いましょう。
ガルバピンダーサナのやり方
ドリシュティ(視点):鼻先
1)長座(ダンダーサナ)で姿勢良く座ります。右脚を曲げて引き寄せ、しっかり膝を曲げます。
2)しっかり膝を曲げたまま外に倒して股関節を外回しし、かかとをおへそに近づけます。
3)足首はまっすぐ伸ばして、足を左鼠径部に置き、膝を床におろします。
4)左脚も同様に、膝をしっかり曲げてかかとをおへそに近づけてから、右鼠径部に足を置きます。
5)右手の手のひらを下に向けて、右脚のももとふくらはぎの間に右腕を通していきます。同様に左腕も通します。
6)両腕とも肘の上辺りまで通ったら、両手のひらが内側を向くように前腕を外に回し、肘を曲げて手のひらを頬に当てます(あるいは耳を手でつかむ形もあります。)。5呼吸キープします。
7)両手を頬から離して前頭部に当てるようにして、背中をさらに丸め、後ろに転がります。転がって戻ってくる間に少しずつ右に回転しながら向きを変えて、9回転がる間に正面まで戻ってきます(9回は、胎児が生まれるまでの9ヶ月を示していると言われます)。
8)戻ってきたら、両手を床に置いて肘を伸ばしてお尻をもちあげ、クックターサナに移行します。
ガルバピンダーサナを深める方向性
- 蓮華座を深く組み、腕をなるべく深く通す。
- 腹筋を使って背中を丸め、内転筋・腸腰筋を使って、脚とお腹の距離を近くしていく。
ガルバピンダーサナのコツ・練習法
蓮華座をしっかり組む
腕を通すスキマをつくるには、蓮華座を正しく組めている必要があります。
スキマができない場合は、股関節の回転・膝関節の回転が不十分である場合が多いです。
ただしこのあたりは文字の情報だけで練習しようとすると膝を痛めることもありますので、個別にレッスンを受けるほうが良いでしょう。
蓮華座を組んで深く前屈する
蓮華座を組んだ前屈の場合、脚を伸ばしたパスチモッターナーサナのような前屈とは少し状況が異なります。
前屈の主働筋である腸腰筋だけでなく内転筋も使い、大腿四頭筋はリラックスした状態で、股関節は外に回転していきます。
この動きを練習するには、ヨガムドラーやピンダーサナが良いでしょう。
坐骨の後ろの方が床に接地するようにする
腹筋を強く使い、骨盤を後傾して背中全体を丸める必要があるので、骨盤が十分に後傾した状態で、坐骨の後ろ側あたりが接地するようにします。
この土台の上でキープするには、ナヴァーサナやウバヤパダングシュターサナなどで練習すると良いでしょう。
腕を通すときの摩擦について
腕を通すときにムリヤリ行うと肌を痛めるので、摩擦をなるべくおさえる必要があります。
なるべく腕と脚は素肌で、適度に湿っていると良いと言われています。アシュタンガヨガをやる人がタンクトップ&ショートパンツでやっていることが多いのはこのためのようです。
汗で十分に濡れていれば問題ありませんが、水分が足りない場合は霧吹きなどで湿らせてから行う場合もあります。
ただしヴァータタイプで乾燥しやすい人や、肌を痛めている人は、薄手ですべりやすい生地の服を着て行っても良いと言われます。
背中を丸める
ほほの横に手を持ってきたりスムースに転がったりするためには、背中全体を丸め続ける必要があり、そのためには腹直筋(とくに下腹部あたり)の強さが重要です。
キャットアンドカウやピラティスのロールダウン・ロールアップ、フライングドッグ、ローリングライクアボールなどで腹直筋を鍛えておきましょう。
アジャスト例(インストラクター向け)
- 背中側に座り、まず蓮華座がしっかり組めるように、両足の甲を持って後ろへ引き、鼠径部に足が置けるようにする。深く組めれば、腕が通しやすくなる。
- 蓮華座が組めて腕が通せたら、両膝を支えて、脚を胸に引き寄せる動きをサポートする。
シークエンス例
- アルダバッダパドマパスチモッターナーサナなど、坐位の蓮華座を含んだポーズからつなぎます。
- アシュタンガヨガの場合は、スプタクルマーサナ→ガルバピンダーサナ→クックターサナとつながります。
アーサナ名の表記バリエーション
【日】ガルバピンダーサナ、ガルバピンダアーサナ、子宮の胎児のポーズ
【梵】Garbha Pindasana
【英】Embryo in Womb Pose