私がヨガを真面目にやろうと思ったきっかけの一つとして、性や自律神経に関する問題があったというのは以前にも何度か書いてきた。
生々しい話にはなるのであまり大っぴらに語るテーマでもないが、私の中では今の活動につながっている大切なことで、同じような悩みを持っている人の参考になるかもしれないし、もしかすると新しい出会いにもつながるかもしれないので、今回は少し参考書籍も含めてまとめておく。
自律神経系の症状のため、人生の方向転換
独立してWebデザイナーなどの仕事をするようになってからは、大きな病気をしないように気をつけていたものの、やはり忙しく働きすぎて、エネルギーや姿勢の偏りが慢性化していたのだと思う。
どうにか根本的に変えていかねばと思い、仕事のやり方も含めて少しずつ変えていく必要があるため、そのとき結婚を考えてお付き合いしていた女性とお別れすることにした。お互い30歳を過ぎたころで、相手も早めに結婚をして子どもを作りたいという気持ちが強く、私としてはここから大きく人生の路線変更をしていくことに付き合わせて待たせるのも申し訳ないという気持ちが一番だった。
幸い彼女はそのあと結婚をして子供もできたようで、共通の友人たちと一緒に親子ヨガをやりたいというので出張レッスンをしてあげた。あまり仲良く関わり続けるのもよろしくない気もしたので、その後はなんとなく距離をとって、もう連絡は交わしていない。
ハタヨーガなどを軸に、性と自律神経に関する研究を深める
さて、抱えていた問題は、おそらく今は解決していると思われる。ただ、それ以来お付き合いをする機会がなかったので、残念ながら確かめられていない。ちなみにその問題は、勃起不全とかそういったものではなく、もう少し特殊なもののようであった(勃起不全も様々な要因がある複雑なものではあるが)。
それから仕事のスタイルを少しずつ変えながら、セルフケアの研究を続けてきた。自律神経を整える、呼吸法や背骨に関する技法などから始まり、性に関することも色々と研究してきた。
骨盤底筋の使い方など、オーガズムに深く関係する技法も、ハタヨーガ・クンダリーニヨガや仙道・気功の技法の中にヒントが多く見つけられた。セックスに関する講義ができるほど研究は深まっているが、いまのところそれを大々的にお披露目する機会は無く、プライベートクラスで知識としてお伝えする程度である。
性に関する現代の課題・参考文献
ただ、不妊が問題になっている現代においては、自律神経の整え方や骨盤底筋の使い方はとても重要な要素になると思われる。骨盤底への意識が弱まってしまっていて、性行為が気持ち良くないと感じている人も多いのではないかと思う。これは人類の存亡に関わる問題である。
こういった研究においては以下の書籍がよく参照されるが、妊娠するかどうかにもオーガズムが関わっているようである。
Amazon:オルガスムの科学――性的快楽と身体・脳の神秘と謎/バリー・R・コミサリュック 他 (著)
オーガズムの科学的な研究分析がとても真面目に行われている本である。
セックステクニックの本ではないので、その目的で読んでもすぐに役に立つ部分は少ないかもしれないが、どのようなことが起こっているのかを知るのは、イメージを具体的にする上で役立つかもしれない。「気」はイメージに従って流れる。オーガズムもまたエネルギーの流れである。
セックステクニックや精力アップといったことに関しては、気功・仙道の分野の本に重要なヒントが多い。
Amazon:タオ 性科学 男性編/謝 明徳 (著)
Amazon:タオ 性科学 女性編/謝 明徳 (著)
また、そのあたりをメインに扱った本ではないが、以下の本などもオーガズムのエネルギーを活用するためのイメージとして参考になった。エジプトの神が持っているアンクなどの形も、エネルギーラインを描くためのヒントになっている。
Amazon:フラワー・オブ・ライフ 第2巻― 古代神聖幾何学の秘密/ドランヴァロ・メルキゼデク (著)
性エネルギーの正しい使い方
様々な行法で高まった性のエネルギーを、聖なるエネルギーとして活動につなげるということが、クンダリニーヨーガなどの考え方の基本になっている。性犯罪に走る人々などは、そのエネルギーの変換の仕方を知らなくてはならない。
せっかく高まったエネルギーを、必要のない射精やセックスによって浪費してはならない。そのエネルギーを、もっと世界のために使えるはずなのだ。
下位のチャクラを覚醒する行法の中には、骨盤底筋を細かく使い分ける練習が含まれている。そのあたりで高まったエネルギーを、無駄に浪費するセックスに走ってはならない。上位のチャクラの行法やナディの浄化なども、オーガズムのエネルギーを体内で循環させて聖なるエネルギーに昇華させるために重要である。
また女性には特に、生理の安定や生理痛の緩和、妊娠出産においても骨盤周りの意識を高めることはとても重要である。
参考:「クンダリニー・タントラ」を読む【49】第3章 12節:チャクラ覚醒の行法一覧と進め方
今後の研究と共有と、パートナーと
性に関することは、特に若い人々にも伝えていきたいところだが、大々的に売り出してしまうとあやしい雰囲気にもなるため、日本ではなかなか難しいところでもある。しかし必要としている人には、役立つことであれば伝えていきたい。
そして私も大切な人と共有したいことではあるが、近年はなかなか見つからない。密教の師匠と同じように、準備ができたら自然と現れるのだろうか。