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「クンダリニー・タントラ」を読む【49】第3章 12節:チャクラ覚醒の行法一覧と進め方

「クンダリニー・タントラ」を読む【49】第3章 12節:チャクラ覚醒の行法一覧と進め方

各チャクラを覚醒させて統合していく、1ヶ月ずつごとに行う行法の一覧

「クンダリニー・タントラ/スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガ(クンダリニーヨーガ)の概要を紹介していく連載記事です。

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

参考:クンダリニーヨーガ(クンダリーニヨガ)の研究まとめ

今回は、第3章の12節、各チャクラ覚醒の行法の一覧と進め方をまとめた部分です。

以下、引用部分の太字強調は私が個人的に重要と思ったところを示したものです。

この記事の目次

各チャクラ覚醒の行法の進め方まとめ

The practices of kundalini yoga must be adopted systematically. We suggest that you practise and perfect the sadhana for each chakra for one month or more, before moving on to the next chakra sadhana. In this way, the sadhana will continue for eight months, as outlined below:

クンダリニーヨーガは、規則的に進めるべきであると、繰り返し指示されてきました。

各チャクラに関する行法は、次のチャクラに移る前に、それぞれ1ヶ月かそれ以上は行うようにせよとされています。

その場合、以下のように8ヶ月間の修行を行うことになります。

以下、原文では行法の一覧が示されているだけですので、行法名と、どんな行法だったかなと思い出せる程度の簡単な説明と、やり方のページへのリンクを一覧で書いておきます。

1ヶ月目:アージュニャーチャクラ

  • アヌローマヴィローマ・プラーナーヤーマ
  • トラータカ
  • シャーンバヴィームドラーとOmチャンティング

詳細:第3章 4節:アージュニャーチャクラの覚醒方法

アヌローマヴィローマ・プラーナーヤーマ

片鼻呼吸法を、実際に鼻をふさがずに「イメージで」行うものです。

(1)「左から吸って(眉間を通り)右から吐き、右から吸って(眉間を通り)左から吐く」を4回繰り返した後

(2)「両鼻から吸って(眉間へ至り)両鼻から吐く」を1回

これを100からカウントダウンしながら行います。例:100・99・98・97で(1)を行い、96で(2)を行い、95〜92で(1)、91で(2)…

詳細:アヌローマヴィローマ・プラーナーヤーマのやり方

トラータカ

すきま風の入らない暗い部屋で、ロウソクを目線の高さに置き、その一番明るい部分を、まばたきをしないようにできるだけ長く凝視します。

目が疲れたら閉じて、暗闇に残る残像を見つめます。

数分間ずつ、これを繰り返します。

詳細:トラータカのやり方

シャーンバヴィームドラーとOmチャンティング

目を開けて、眉間を凝視するように目を上へ向けます。Omを唱え、眉間にその音が響いているのを感じるようにします。

第2段階では、目を閉じた状態で行います(眉間の凝視は、閉じた状態でも続ける)。眉間からOmの音が鳴っているようなイメージで唱え続けます。

第3段階では、「唱えている」という感覚を完全に無くし、「自然に眉間からOmの音が鳴っている」というイメージで、その音が体中に響き渡るのを感じながら行います。

詳細:シャーンバヴィームドラーのやり方

2ヶ月目:ムーラーダーラチャクラ

  • チャクラの位置を把握する
  • ムーラバンダ
  • ナシカグラ・ドリシュティ

詳細:第3章 5節:ムーラーダーラチャクラの覚醒方法

チャクラの位置を把握する

骨盤底付近にあるムーラーダーラチャクラは、男女で生殖器の形状が異なることもあり、正確な位置は異なります。

ムーラーダーラチャクラは、男性は会陰の少し内部にあり、女性は子宮口にあるといいます。

以下に引用図を貼っておきます。ムーラバンダ(2)はこの位置を正確に収縮する行法であり、泌尿器系周辺を収縮するヴァジローリー・サハジョーリ(1)と、肛門を収縮するアシュウィニムドラー(3)と混同しないようにします。

詳細:ムーラーダーラチャクラの位置を把握する行法のやり方

ムーラバンダ

上で示された通り、別の行法と混同しないように明確に分離して、泌尿器系(小便を途中で止めるような筋肉)と、肛門は動かないようリラックスした状態で、男性は会陰・女性は子宮口を収縮するようにします。

第2段階では、その収縮と弛緩をリズミカルに、1秒に1回ほどのテンポで行います。

第3段階では、第2段階と同じリズムで、実際に筋肉は収縮せずイメージだけで行います。

詳細:ムーラバンダのやり方

ナシカグラ・ドリシュティ

鼻先を凝視するように、寄り目にします。うまく寄り目ができれば、両目から見ている鼻先の像が重なり合って、逆V字の形が見えます。

鼻先に集中しながら、鼻先・鼻孔からの息の出入り・鼻道を息が通る音に気づきを向け、雑念が入らないように集中を続けます。

数々の覚醒方法があるムーラーダーラチャクラですが、この「鼻先に集中する」というやり方が最も簡単であると説明されています。

詳細:ナシカグラ・ドリシュティのやり方

3ヶ月目:スワディシュターナチャクラ

  • チャクラの位置を把握する
  • クシェートラムの位置を把握する
  • アシュウィニムドラー
  • ヴァジローリームドラー(男性向け)またはサハジョーリームドラー(女性向け)

詳細:第3章 6節:スワディシュターナチャクラの覚醒方法

チャクラの位置を把握する

尾骨をさわります。その先端から1インチ(約2.5cm)上がったところに仙骨があり、そこを指で1分間、強く押します。

指を仙骨から離して、押していた余韻を感じながら、0.5インチ(約1.3cm)ほど身体の中へ入ったところをイメージします。

そこに集中しながら、頭の中で「スワディシュターナ、スワディシュターナ、スワディシュターナ」と唱えます。

詳細:スワディシュターナチャクラの位置を把握する行法のやり方

クシェートラムの位置を把握する

恥骨を1分間、指で強く押します。指を離した後、その位置に集中しながら、頭の中で「スワディシュターナ、スワディシュターナ、スワディシュターナ」と唱えます。

詳細:スワディシュターナチャクラのクシェートラムの位置を把握する行法のやり方

アシュウィニムドラー

肛門括約筋を、0.5秒間収縮し、0.5秒間ゆるめ、それを繰り返します。

詳細:アシュウィニムドラーのやり方

ヴァジローリームドラー(男性向け)

排尿を途中で止めるような収縮を、10秒間キープし、10秒間緩める、これを繰り返します。

詳細:ヴァジローリームドラーのやり方

サハジョーリームドラー(女性向け)

膣の筋肉を、10秒間収縮、10秒間ゆるめる、これを連続して繰り返します。

詳細:サハジョーリームドラーのやり方

4ヶ月目:マニプーラチャクラ

  • チャクラとクシェートラムの位置を把握する
  • マニプーラチャクラの浄化
  • アグニサル・クリヤー
  • ウディヤナバンダ
  • ナウリ
  • プラーナとアパーナの結合

詳細:第3章 7節:マニプーラチャクラの覚醒方法

チャクラとクシェートラムの位置を把握する

指を臍に置いて、反対の手の指を臍の真後ろの背骨に置きます。

背骨を1分間しっかり押し、その後に指を離します。その位置には、押していた感覚が残ります。

その位置から少し身体の内側へ入ったところに意識を集中しながら、頭の中で「マニプーラ、マニプーラ」と唱えます。

そして臍がマニプーラチャクラのクシェートラムです。臍で血液が流れる脈動を感じながら、頭の中で「マニプーラ、マニプーラ」と唱えます。

詳細:マニプーラチャクラとそのクシェートラムの位置を把握する行法のやり方

マニプーラチャクラの浄化

数分間、ゆっくり深い呼吸をしながら、臍から呼吸をするようなイメージで、臍のあたりが広がったりしぼんだりするのを感じます。

臍が外側へひろがっていくにつれて、息は臍から入ってきて、そのまま背骨の方のマニプーラチャクラへ向かっていくのをイメージします。臍が内側へ収縮していくにつれて、息は背骨の中のマニプーラチャクラから前方へ向かい臍を通って身体の外へ出ていくようにイメージします。

「マニプーラ、マニプーラ」と頭の中で唱えながら続けます。

詳細:マニプーラチャクラの浄化のやり方

アグニサル・クリヤー

シンプルなやり方のアグニサル・クリヤーは、バドラーサナ・吉祥坐の形で坐り、肘を伸ばして、少し前に背骨を傾けます。

口を開けて舌を出し、犬が呼吸するときのような感じで、口から速い呼吸を繰り返します。速い呼吸ですが、吐くときはお腹を収縮させ、吸うときはお腹を元に戻すことも伴って呼吸するようにします。25回ほど、この呼吸を行います。

高度なやり方は、先程と同じような形で坐り、首をしっかり曲げてあごを胸につけてジャーランダラバンダを行います。息を吐ききってから止めて、息を止めたまま可能な限り長く、腹筋を素早く縮めたり拡げたりを繰り返します。

ジャーランダラバンダを解いて、深く息を吸います。

詳細:アグニサル・クリヤーのやり方

ウディヤナバンダ

首をしっかり曲げてあごを胸につけてジャーランダラバンダを行った状態で、腹筋を可能な限り引き込み・引き上げます。筋肉を吸い込むような動作です。

息を止めていられる間、できるだけ長く続けます。背骨の中のマニプーラチャクラに集中し、頭の中で「マニプーラ、マニプーラ」と唱えます。

詳細:ウディヤナバンダのやり方

ナウリ

まず足を1メートルほど離して立ち、手を膝において、膝を少し曲げます。この体勢で、まずウディヤナバンダを行い腹部全体を凹ませます。

腹部全体が凹んでいる状態から、まず腹直筋を真ん中に押し出して浮き上がらせます。次に左側・右側だけを浮き上がらせることができるようにし、左→中央→右、右→中央→左というようにぐるぐる回して、お腹をかき混ぜるようにします。

詳細:ナウリのやり方

プラーナとアパーナの結合

腹式呼吸を行いながら、上から臍へ流れ込むプラーナと、下から臍へ流れ込むアパーナの2つのエネルギーをイメージします。吸いきったときに同時に2つの流れがマニプーラチャクラに流れ込むようにイメージし、できるだけ長く息を止めてしばらく保ち、マニプーラチャクラに集中します。

次の段階では、息を止めている間にムーラバンダが自然に起こるのを感じるようにします。

詳細:プラーナとアパーナの結合のやり方

5ヶ月目:アナーハタチャクラ

  • チャクラとクシェートラムの位置を把握する
  • アナーハタチャクラの浄化
  • ブラーマリー・プラーナーヤーマ
  • アジャパ・ジャパ
  • ハートの空間に入る瞑想

詳細:第3章 8節:アナーハタチャクラの覚醒方法

チャクラとクシェートラムの位置を把握する

指を胸の真ん中に置きます。そこがアナーハタチャクラのクシェートラムです。

もう片方の手の指を、そのまっすぐ裏側の背骨に置きます。その背骨の中に、アナーハタチャクラがあります。

両方の指を置いたまま坐り、その指で1分間しっかり押してそれらの場所を確かめます。

指を離した後、押していた感覚が残っている場所に意識を集中しながら、頭の中で「アナーハタ、アナーハタ」と数分間唱えます。

詳細:アナーハタチャクラとそのクシェートラムの位置を把握する行法のやり方

アナーハタチャクラの浄化

胸の真ん中から呼吸をしているようにイメージします。胸が広がるとき、息が胸の真ん中から入り、そのまままっすぐ背骨の中にあるアナーハタチャクラへ到達するようにイメージします。胸が収縮するとき、背骨の中のアナーハタチャクラから胸の真ん中を通って息が外へ出ていくようにイメージします。

これを頭の中で「アナーハタ、アナーハタ」と唱えながら、数分間続けます。

詳細:アナーハタチャクラの浄化のやり方

ブラーマリー・プラーナーヤーマ

快適な坐法で坐り、耳の穴を人差し指でふさいだ状態で、ハミングの音を出し、頭の中で響かせるようにします。

詳細:ブラーマリー・プラーナーヤーマのやり方

アジャパ・ジャパ

息を吸うときの音「SO」、息を吐くときの音「HAM」に意識を向けます(声を出して唱えるわけではなく、頭の中で響いているイメージ)。

自然の呼吸とともに「SO-HAM(ソーハム)」というマントラを繰り返している、ということに気づきを向けます。

詳細:アジャパ・ジャパのやり方

ハートの空間に入る瞑想

喉のあたりへ意識を集中し、喉を通る息にしばらく気づきを向けます。

それから、喉から入って下の方へ向かう息にも気づきを向けます。出ていく息には意識を向けず、ただ喉から入ってくる息の方にだけ意識を向けます。

入ってくる息によって、心臓の空間が満たされるイメージをします。出ていく息は気にせず、ただ満たされていくイメージをします。

第2段階ではその空間が自然な呼吸のリズムで広がりと収縮を繰り返すのを直接的に感じます。(呼吸によって満たすという意図的な感じではなく、自然に起こるように)

それを続けていると、心臓の空間に青い蓮華と静かな湖面のイメージが自然に湧き出てきます。第3段階では、そのイメージに気づきを向けます。

詳細:ハートの空間に入る瞑想のやり方

6ヶ月目:ヴィシュッディチャクラ

  • ジャーランダラバンダ
  • ケーチャリームドラー
  • ウッジャイ・プラーナーヤーマ
  • チャクラとクシェートラムの位置の把握と浄化
  • ヴィパリータカラニーアーサナ

詳細:第3章 9節:ヴィシュッディチャクラの覚醒方法

ジャーランダラバンダ

快適な坐法で坐り、深く息を吸って止め、首を前に曲げてアゴをしっかり胸骨につけます。

両手を膝に置き、腕を伸ばしてしっかり固定します。肩をすくめて、前へ出します。

その状態で、できるだけ息を長く止めてキープします。

詳細:ジャーランダラバンダのやり方

ケーチャリームドラー

口を閉じた状態で、舌を上へ向けて巻き上げ、軟口蓋の後ろへ後ろへとなるべく引き込みます。

呼吸はだんだん少なくゆっくりにしていき、1分間に7〜8回程度にしていきます。

詳細:ケーチャリームドラーのやり方

ウジャイ・プラーナーヤーマ

ケーチャリームドラーを行いながら、喉の声門を収縮して呼吸します。その状態で呼吸すると、赤ん坊の寝息のような音が自然に喉のエリアから響きます。

詳細:ウジャイ・プラーナーヤーマのやり方

チャクラとクシェートラムの位置の把握と浄化

指を声門の位置に置きます。そこがヴィシュッディチャクラのクシェートラムです。(喉仏、甲状軟骨の中心あたり)

もう片方の手の指を、その真後ろの背骨に置き、その位置の背骨の中にあるのがヴィシュッディチャクラです。

背骨に置いている指をしっかり1分間押して、感覚を覚えます。指をおろしたあと、感覚が残っている位置に集中しながら、「ヴィシュッディ、ヴィシュッディ」と唱えます。

吸う息で、ヴィシュッディチャクラのクシェートラム(喉仏)から息が入ってきて、そのまま後方の背骨の中にあるヴィシュッディチャクラへ流れ込むようにイメージします。

吐く息で、ヴィシュッディチャクラから息が前方へ、クシェートラムを通って出ていくようにイメージします。

詳細:ヴィシュッディチャクラとクシェートラムの位置の把握と浄化のやり方

ヴィパリータカラニーアーサナ

仰向けに寝て、足をそろえます。腕は体側に置き、手のひらは床に置きます。

息を深く吸い、腕でサポートしながら脚を挙げて頭の向こうへ運び、脚はまっすぐ伸ばします。腕を曲げて、手をお尻の下(腰)あたりに置き、体を支えます。

脚を垂直に持ち上げて、深く呼吸しながら、意識を呼吸に置きます。目は閉じておきます。

詳細:ヴィパリータカラニーアーサナのやり方

7ヶ月目:ビンドゥ・ヴィサルガ

  • ムールッチャー・プラーナーヤーマ
  • ビンドゥへの気づきを伴ったヴァジローリームドラー
  • 内なる微細な音への知覚
  • ヨーニムドラー

詳細:第3章 10節:ビンドゥ・ヴィサルガの覚醒方法

ムールッチャー・プラーナーヤーマ

しっかり安定した坐法(シッダーサナが最適)で坐ります。

ケーチャリームドラーを行い、ウジャイプラーナーヤーマで鼻から呼吸しながら、首を後ろへ反らして、シャーンバヴィームドラーを行います。

吸う息はゆっくり深く、吸う息の最後に頭を後ろへ傾けますが、完全には傾けないようにします。

息を止めて可能な限り長く保ちながら、シャーンバヴィームドラーも続け、ビンドゥへ意識を向け続けます。

詳細:ムールッチャー・プラーナーヤーマのやり方

ビンドゥへの気づきを伴ったヴァジローリームドラー

シッダーサナ(男性)またはシッダヨーニアーサナ(女性)で坐ります。

小便を途中で止めるように、泌尿器系周辺の筋肉を10秒間収縮し、10秒間ゆるめ、これを繰り返します。

毎回しっかりと完全に収縮するようにし、意識は尾骨の中にあるスワディシュターナチャクラへ向け、頭の中で「スワディシュターナ、スワディシュターナ、スワディシュターナ」と唱えます。

そして意識をスシュムナーを通してビンドゥ・ヴィサルガへ向け、スワディシュターナチャクラにある性的エネルギーが、その源であるビンドゥ・ヴィサルガへ至って結合するようにイメージします。頭の中で「ビンドゥ、ビンドゥ、ビンドゥ」と唱えます。

意識をスワディシュターナチャクラに戻し、ヴァジローリームドラーを解きます。

詳細:ビンドゥへの気づきを伴ったヴァジローリームドラーのやり方

内なる微細な音への知覚

ブラーマリー・プラーナーヤーマと同様に、目を閉じて人差し指で耳をふさぎ、頭の中に響く微細な音を聴こうとしていきます。

3段階にわたって、より微細な音が背景に聴こえてくるようになります。新たな微細な音が聴こえてきたら、今までの音に執着せず、新たな音のほうに意識を置きます。

詳細:内なる微細な音への知覚のやり方

ヨーニムドラー

手を顔の前にもってきて、肘を横に張って曲げます。顔はまっすぐ正面を向いたまま、親指で耳をふさぎ、人差し指で目をふさぎ、中指で鼻をふさぎ、薬指と小指で口を上下からはさんでふさぎます。指は強くおさえることなく、しっかり7つの門(両目・両鼻・両耳・口)をふさぎます。息を吸う時と吐く時は、中指は離して鼻から呼吸します。

その状態を続けながら、上の行法と同じく、微細な音を聴くようにしていきます。

詳細:ヨーニムドラーのやり方

8ヶ月目:各チャクラの覚醒と統合

  • チャクラ瞑想
  • 音楽を使ったチャクラ瞑想
  • チャトルタ・プラーナーヤーマ
  • チャクラヨーガニドラー
  • ウンマニームドラー
  • ビージャマントラ・サンチャラナ
  • チャクラのシンボル(マンダラ)を描く

詳細:第3章 11節:各チャクラの覚醒と統合

チャクラ瞑想

各チャクラへ順番に意識を向けながら、そこから発せられる脈動を感じるようにし、脈動を21回数える、という瞑想です。

脈動が感じられないうちは、それぞれのチャクラ行法の中の重要なものを行って、気づきを磨いていきます。

  • アージュニャーチャクラ:アシュウィニムドラー
  • ムーラーダーラチャクラ:ナシカグラドリシュティ
  • スワディシュターナチャクラ:ヴァジローリームドラー(男性)、サハジョーリームドラー(女性)
  • マニプーラチャクラ:プラーナとアパーナの結合
  • アナーハタチャクラ:ハートの空間に入る瞑想
  • ヴィシュッディチャクラ:(特に指示なし・チャクラ浄化の行法?)

その後、各チャクラへの意識は正確に持ち続けながら、ただスシュムナーの道筋の中を動く意識を感じ続けます。

下から上へ、ムーラーダーラチャクラ→スワディシュターナチャクラ→マニプーラチャクラ→アナーハタチャクラ→ヴィシュッディチャクラ→アージュニャーチャクラ、そして上から下へアージュニャーチャクラ→ヴィシュッディチャクラ→アナーハタチャクラ→マニプーラチャクラ→スワディシュターナチャクラ→ムーラーダーラチャクラと、チャクラを感じながらスシュムナーをたどっていき、これを4往復ほど繰り返します。

そして、Omを3回唱えて終わります。

詳細:チャクラ瞑想のやり方

音楽を使ったチャクラ瞑想

(この行法は、時間がなければ、あるいは好みでなければ、行わなくても良いと指示があります。)

ドレミファソラシドの音階を、それぞれチャクラに対応させて、その音の高さでチャクラ名やマントラを唱えるという瞑想です。

対応関係は、以下のようになっています。これらを順番に、音にのせて唱えていきます。

  1. ド:ムーラーダーラ
  2. レ:スワディシュターナ
  3. ミ:マニプーラ
  4. ファ:アナーハタ
  5. ソ:ヴィシュッディ
  6. ラ:アナーハタ
  7. シ:ビンドゥ
  8. ド:サハスラーラ

詳細:音楽を使ったチャクラ瞑想のやり方

チャトルタ・プラーナーヤーマ

呼吸にあわせて、頭の中でOmを唱えます。その唱え方は、吸う息でO〜が生じ、吐く息でm〜が生じるようにします。

そして、眉間に意識を移し、眉間から呼吸を行っているように、眉間に息を吸いこむときにO〜、眉間から息が出ていくときにm〜の音が響くように頭の中でイメージします。

呼吸の流れとOmのマントラ、そして眉間のセンターに、意識を向け続けます。

次に、ムーラーダーラチャクラへ意識を向けます。

吸う息とともにO〜の音を頭の中で唱えながら、息がムーラーダーラチャクラから背骨を上がっていき、ムーラーダーラ・スワディシュターナ・マニプーラ・アナーハタ・ヴィシュッディ・アージュニャー・サハスラーラを突き抜けていくイメージをします。

吐く息でm〜の音を頭の中で唱えながら、今度は逆の順番で各チャクラを突き抜けながら息が下がっていき、ムーラーダーラチャクラへ至るイメージをします。

数回繰り返した後、再び意識を眉間に移します。

呼吸に合わせて頭の中でOmを唱えるのを繰り返しつつ、呼吸には意識を向けないようにし、Omのマントラとチャクラにだけ意識を向けるようにします。

O〜とm〜の音を感じながら、できるだけ長くこれを続けます。

詳細:チャトルタ・プラーナーヤーマのやり方

チャクラヨーガニドラー

仰向けに寝て、リラックスしながら呼吸と各チャクラへ意識を向けていきます。

最後にサンカルパ(こうなりたいという意志)を短いポジティブなフレーズで、頭の中で唱えます。

詳細:チャクラヨーガニドラーのやり方

ウンマニームドラー

背骨はまっすぐ立てて、快適な坐法で坐ります。目を開いて視野を広くします。

まず意識をビンドゥに置きます。深く息を吸い、息を吐くときに、その息が背骨を伝って下っていくイメージをします。同時に気づきを背骨を伝って、全てのチャクラを通るように下へ向かって動かしていきます。

アージュニャー→ヴィシュッディ→アナーハタ→マニプーラ→スワディシュターナ→ムーラーダーラ、という順番です。

そのように意識を下げていくと同時に、ゆっくり目を閉じていきます。ムーラーダーラチャクラに至ったときに、目が閉じることになります。

詳細:ウンマニームドラーのやり方

ビージャマントラ・サンチャラナ

アローハン(アロハン)とアワローハン(アワロハン)という2つの霊的な道筋を用いて、チャクラとクシェートラムをたどりながらビージャマントラを唱えていきます。

各チャクラのビージャマントラは以下の通りです。

  1. ムーラーダーラチャクラ:lam ラム
  2. スワディシュターナチャクラ:vam ヴァム(ワム)
  3. マニプーラチャクラ:ram ラム
  4. アナーハタチャクラ:yam ヤム
  5. ヴィシュッディチャクラ:ham ハム
  6. アージュニャーチャクラ:om オーム
  7. ビンドゥ:om オーム

アローハンは上へ向かっていく道筋で、ムーラーダーラチャクラ→スワディシュターナチャクラのクシェートラム(恥骨)→マニプーラチャクラのクシェートラム(臍)→アナーハタチャクラのクシェートラム(胸の真ん中)→ヴィシュッディチャクラのクシェートラム(喉のくぼみ)→ビンドゥ、という道のりをたどるものです。

アワローハンは、ビンドゥから下がっていく道筋で、ビンドゥ→アージュニャーチャクラ→スシュムナー(背骨の中)を下って全てのチャクラを通り、ムーラーダーラチャクラへ至るというものです。

詳細:ビージャマントラ・サンチャラナのやり方

チャクラのシンボル(マンダラ)を描く

(この行法は、時間がなければ、あるいは好みでなければ、行わなくても良いと指示があります。)

チャクラのシンボルを、正確にイメージしながら描きます。

チャクラを描くために適した大きさの紙は、9×9インチ(約23×23cm)の正方形です。

最初は黒いペンを使い、まずシンプルに細い線で形を描き始め、少しずつ隠されたシンボルの細部が心の中でクリアになっていくのを感じ取るようにしていきます。

次に色をつけていきます。この本や伝統的な書籍などで示されていた色を用いて、色付けしていきます。

チャクラを描くことができたら、次は3次元的に形作ってみることもできます。粘土や紙粘土、ワイヤーやグラスファイバー、銅や石なども使えるでしょう。

詳細:チャクラのシンボル(マンダラ)を描く行法のやり方

並行して進めるチャクラ行法

ここまで各月に行う行法をまとめてきましたが、これらを1ヶ月ずつ行いながら、前の月までに行っていた行法からもいくつかを選んで、並行して進めるべしという指示があります。

並行して進めると良いとされる行法は、時を経るにつれてチャクラ数が増えるのでそれぞれ少しずつ減っていきます。それぞれの期間(各チャクラの行法)のページで確認してみてください。

最後の8ヶ月目に並行して進めよと指示されているのは、以下の通りです。

  • アージュニャーチャクラ:シャーンバヴィームドラー
  • ムーラーダーラチャクラ:ムーラバンダ、ナシカグラムドラー
  • スワディシュターナチャクラ:ヴァジローリームドラー(男性)、サハジョーリームドラー(女性)
  • マニプーラチャクラ:ウディヤナバンダ
  • アナーハタチャクラ:アジャパ・ジャパ
  • ヴィシュッディチャクラ:ジャーランダラバンダ、ヴィパリータカラニーアーサナ
  • ビンドゥ・ヴィサルガ:ヨーニムドラー

次記事:「クンダリニー・タントラ」を読む【50】第3章 13節:クンダリニークリヤーの一覧と進め方

前記事:「クンダリニー・タントラ」を読む【48】第3章 11節:各チャクラの覚醒と統合

参考文献

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「密教ヨーガ―タントラヨーガの本質と秘法」本山 博 (著)

「クンダリニー」ゴーピ・クリシュナ (著), 中島巌 (翻訳)

「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)

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高橋陽介

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