「KUNDALINI TANTRA(クンダリニー・タントラ)/Swami Satyananda Saraswati(スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ)著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガ(クンダリニーヨーガ)の概要を紹介していきます。
「クンダリニー・タントラ」の購入はこちら
ペーパーバック版・Kindle版
今回は序章の後半部分、「クンダリニーの眠る場所」や「クンダリニーヨーガの実践の基本的な進め方」に関する部分です。
(引用部分の太字強調は私が個人的に重要と思ったところを示したものです。)
クンダリーニヨガの研究については、以下のページにまとめてあります。
クンダリニーの眠る、肉体上の場所
脊柱基底に眠るクンダリニー
The seat of kundalini is a small gland at the base of the spinal cord.
クンダリニーの眠る場所については、概ね骨盤底付近とされますがいくつかの説があるようです。ここでサティヤナンダ氏は「脊柱基底の小さな腺」がクンダリニーの座であると示しています。
肉体の各部分にある内分泌腺(ホルモンを分泌するなどして体をコントロールする機構)は、チャクラが肉体上に現れたものであるとされることが多いです。
甲状腺や膵臓や副腎など、内分泌腺に関わる病気の多くは、外科手術や投薬などの物質的なアプローチだけでは治療できないことが多く、難病として扱われています。チャクラ覚醒に関する行法は、これらの内分泌腺にもアプローチできる可能性があると思われます。
参考:チャクラの研究まとめ

物質偏重の現代社会
In India the but today things are a little different because materialism is a very powerful force, and for the moment, it has even stupefied the Indian minds.
古来からインドでは、クンダリニー覚醒のための文化的な基盤が整っていたため、覚醒を遂げた多くの聖者が誕生してきました。
しかし、現代では物質偏重主義の影響が強く、古来から伝わってきたインドの心も麻痺し、状況は変わってしまっているといわれます。
日本もそうですが、戦争や侵略の歴史によって、古来から伝わる文化は容易に変わってしまう部分もあるということでしょう。
世界を変えるためには
世界全体の覚醒
物質偏重の世界が、インドの人々の心を変えてしまい、クンダリニー覚醒への道を妨げているということを受けて、サティヤナンダ氏は世界全体がどのように覚醒していくべきかという話をここで加えます。
世界全体が覚醒し変わるためには、全ての社会構造が再構築され、世界中の人々が「なんのために我々は存在するのか」ということを告げられなくてはならないといいます。
男女という存在について
社会構造の中でも特に、サティヤナンダ氏は「男女の関係性」についてここで挙げています。
ヨーガの教えは、8支則にブラフマチャリヤ(梵行)が含まれているなど禁欲的な方向性の道もありますが、ハタヨーガは特に性に関する行法も多く、本書ではどのように解釈しながら修行を進めていくのか、そのあたりにも注目していく必要がありそうです。
参考:ヨガの目的・基礎知識〜自分なりに、8支則をライフスタイルへ取り入れる〜
用語:ブラフマチャリヤ
人々はある程度満足し、麻痺している
Luxury and comfort weaken the will and keep man under constant hypnosis.
今日では、人々は程度の差こそあれ、概ね満足した生活を送っています。しかし、快適さや贅沢は、常に人を麻痺状態にする危険性を持っているため、それをいつか手放すために準備をしていく必要があるといいます。
このような警句が強調され繰り返されていることから、物質偏重の思考のままではこの道を進んでいくのは難しいため、心を麻痺から解放するためにも、物質への依存から脱するべしということが強く示されています。
ゆっくり、気づきを働かせながら、規則正しく進めるべし
クンダリニー覚醒の危険性は、様々な書籍でも示されています。不必要なリスクや障害を避けて道を進んでいくために、短絡的に経験と理解を進めようとせず、徐々に心と体の準備を進めていくべしといいます。
まずは肉体、そして微細なものへ、体系的に進める
Start systematically with the body, the prana, the nadis and chakras, according to the scheme outlined in this book. Then see how you evolve.
「心」は肉体の複雑な機構を反映したものであり、いきなり心を直接変えていくアプローチするのは避けるべきで、まずは肉体、そしてプラーナ(気)やナディ・チャクラにアプローチする形で修行を進めていくべしということが示されています。
このあたりは、ハタヨーガプラディーピカーの構成のように、まずはアーサナ・プラーナーヤーマ・ムドラーなどを実践していくことで、いずれはヨーガスートラのラージャヨーガ(心のヨーガ)へと至るというハタヨーガの考え方が反映されているように思えます。
現代では、心理療法としてソマティック(身体的)なアプローチがようやく行われるようになりましたが、ハタヨーガ・クンダリニーヨーガでは、古来からそういった考え方で様々な身体的行法がつくられてきました。
いかなる部分も、軽視しない
…you cannot ignore either the body or the mind.
心と体、人を構成するいかなる部分も軽視してはいけません。偏った思考を持つ人々は、薬物などの短絡的な道を選んでしまうことも多いようです。そのように実践を伴わない「部分的な」方法に頼っても、自分を構成する心や体など全体の進化にはつながりません。
それぞれの部分には役割があり、それらを無視して道を進んでいくことはできないといいます。
それぞれの個性に合った道を選んで進むべし
クンダリニー・タントラは、様々なパーソナリティを持つ人々に合った、いくつかの異なる道を示しています。
体の持つ本当の役割や能力を拡大的に理解していきながら、その道を進んでいくことになります。その行法は、第3章を中心に体系的・実用的に示されていきます。
以上、序章をざっと読んできました。
個人的には、物質偏重の思考から脱し、「微細なもの」を含めた全ての部分へ気づきを向けながら、注意深く道を進んでいくべしという著者の強い意図を感じました。
人によっては、雲をつかむような話でよくわからないという印象を受けるかもしれません。あるいは、私とは違った著者の意図を感じることもあるかもしれません。
私の抜粋と解釈がひとつのヒントになれば幸いですが、興味が湧いた方はぜひ自分で読み進めてみてください。
次記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【5】第1章 1節:クンダリニーを飼いならすべし
前記事:「クンダリニー・タントラ/サティヤナンダ(著)」を読む【3】序章:新たなレベルでの経験が始まる
参考文献
「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)
「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)


