このページでは、内分泌系とホルモンの基礎についてまとめながら、チャクラやヨーガ行法との関係性について考察していく。(随時更新)
引用部分は、特に表記のない限りWikipediaからの引用(「内分泌器」2024年4月24日 (水) 17:35 UTC)とする。
内分泌系の基本
内分泌器(内分泌腺)とは
内分泌器(内分泌腺)とは、多細胞生物において、ホルモンを体内へ分泌する器官である。
内分泌腺は神経(神経系)とならび、各組織や器官の相互協調をコントロールする内分泌系を担う組織である。
分泌を行う上皮細胞を持つが、導管はなく、ホルモンを生成する細胞の近くを流れる血液(体液、毛細血管)中に放出する。
そのため遠くにある器官にも作用を与えることができ、神経系に比べて作用は遅いが持続性がある。
内分泌系は医学で解明していない部分が多く、内分泌腺に関わる症状は難病として扱われることが多い。
ヨーガや神智学では、その働きがチャクラに関わっているとしている。
ホルモンとは
生物の体の内外に起こった変化に対応し、体内において特定の器官で合成・分泌され、血液など体液を通して体内を循環し、別の決まった細胞でその効果を発揮する生理活性物質である。
特定の症状に対するホルモンが分かったところで、それだけで根本的な治病につながるわけではない。ホルモン自体を薬物などで補うことで一時的に症状が改善することもあるが、それは一時的な処置である。処置に頼る場合は、それを続けていく必要があり、それによって本来のホルモンを生成する機能が損なわれてしまう可能性もある。
ただし、それもまたひとつの選択肢であり、根本的な治療を目指すのか、処置に頼っていくのかは、本人が気づきを働かせて選択する必要があると思われる。
通常は内分泌腺に含めないもの
多種の生理活性物質を血液に放出する肝臓、レニンなどを分泌する腎臓、ロイコキニンを分泌する脾臓、消化管ホルモンを放つ消化器粘膜は通常、内分泌腺には加えない。
また副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンなど10種類のホルモンを放つ視床下部は、分泌物が血管を経ないことから、これも内分泌腺には含めない場合もある。
チャクラとの関係性について論じる時、胸腺や、男性の前立腺、女性のスキーン腺なども同列に扱われることがあるが、これらはホルモンを放出しないため内分泌腺ではない。
人間の内分泌腺
視床下部を含める場合もあるが、ヒトの基本的な内分泌腺は以下の通りである。
- 下垂体(脳下垂体)
- 松果体
- 甲状腺
- 副甲状腺
- 副腎
- 膵臓
- 性腺(卵巣・精巣)
視床下部
間脳(視床の前下方で、第三脳室下側壁)に位置し、自律機能の調節を行う総合中枢である。中脳以下の自律機能を司る中枢がそれぞれ呼吸運動や血管運動などの個々の自律機能を調節するのに対して、視床下部は交感神経・副交感神経機能及び内分泌機能を全体として総合的に調節している。
視床下部外側野を破壊すると動物は餌を摂らなくなり、刺激するとさらに摂る現象が確認されている。視床下部外側野は摂食行動を促進するので摂食中枢(英: feeding center、独: Appetitzentrum)と呼ばれる。
一方、視床下部腹内側野を破壊すると動物は餌をさらに摂り、刺激すると摂らなくなる。視床下部腹内側野は摂食行動を抑制するので満腹中枢(英: satiety center)と呼ばれる。
下垂体(脳下垂体)
下垂体(脳下垂体)は脳の底にある腺で、頭蓋骨底部のくぼみ(トルコ鞍)に細い柄(漏斗)を介してぶら下がるように繋がり収まっている、小指程の大きさである。腺性下垂体と神経性下垂体の2つの部分に分けられ、これらは発生起源が異なる。
腺性下垂体は前葉・中間部・隆起部の3つに分けることができ、その発生は胎生時に口腔の上壁が上方に伸びて形成された上皮性細胞が集まった部分(ラトケ嚢)である。網状の毛細血管を挟んで前葉に索状または塊状に集まった腺細胞は、色素への染色性や電子顕微鏡での微細構造観察結果から6種類に分けられる。これらは、前葉が分泌する6種類のホルモンと対応する。中間部(中葉)は神経性下垂体と接する部分である。小さく、濾泡が集まっている。分泌するメラミン細胞刺激ホルモンは人体においてどのような生理作用を起こすのかはっきりしていない。
神経性下垂体(後葉)は、構造的には下垂体を支える漏斗から形成されたもので、発生的には第3脳室の底部が突き出して形成された神経由来の組織である。内分泌器のひとつに数えられる後葉は、腺細胞を持っていない。実態は、視床下部の神経核がつくる(神経分泌という)ホルモンが神経線維を伝って後葉部へ貯まり、これが放出されている。
松果体
大脳第3脳室中央部には、後上壁部から後ろ向きに突き出した部分があり、これが松果体である。松果体は手綱とともに視床上部を形成する。あずき粒ほどの大きさで、軟膜で覆われている。松果体は松果体細胞と神経膠細胞(グリア細胞)に分けられ、前者部分がメラトニンを合成・分泌し概日リズムの調節などを行う。松果体は7歳頃に最も発達し、その後は退行性の変化を見せる。成人では、内部にカルシウム沈殿(脳砂)が見られる。
甲状腺
甲状腺は気管を挟んだ二葉の形態を持ち、全容は「U」または「H」字の形をしている。後上面には甲状軟骨がある。内的にはコロイドで満たされた直径0.2mm前後の濾胞が無数に集まったもので、このコロイドが甲状腺ホルモンとして分泌される。また、胞の間にある傍濾胞細胞もカルシトニンの内分泌を行う。発生は、甲状舌管を通して口腔に外分泌物を供給する腺であったが、これが消失して内分泌腺となった。
副甲状腺
副甲状腺(上皮小体)は甲状腺の後ろにあり、暗褐色をした米粒ほどの組織が上下に2個ずつ計4個が集まっている。毛細血管の周囲に腺細胞が固まったもので、ホルモンを分泌する主細胞とこれが退行したものという説もある酸好性細胞がある。
副腎
副腎は、腎臓の上方に帽子のように被さっている事から腎上体とも呼ばれる。外側を覆う腹膜上質由来の副腎皮質と、その中にある交感神経由来の副腎髄質があり、どちらも内分泌を行う。
副腎皮質は表面から内側にかけて球状帯・束状帯・網状帯の3層があり、それぞれがアルドステロン・コルチコステロン・アンドロゲン(男性ホルモン)を分泌する。
副腎髄質は2種類の細胞があり、分泌するホルモンの種類からアドレナリン細胞とノルアドレナリン細胞に分けられる。どちらも交感神経と同じく二クロム酸カリウム染色液で黄褐色になることから、クロム親性細胞とも言う。
膵臓
膵臓には外分泌と内分泌を行う箇所がそれぞれあり、前者(外分泌細胞)は膵液を、後者であるランゲルハンス島(膵島)はホルモンを分泌する。膵島は膵臓容量の約2%程度を占め、直径0.2mm程度の内分泌細胞が集まり外分泌細胞の中に散在する。内分泌細胞はさらに3種類に分けられ、約20%がグルカゴンを分泌するα細胞、約80%がインスリンを分泌するβ細胞、そしてわずかにソマトスタチンを分泌するδ細胞および膵ポリペプチド(英語版)を分泌するPP細胞などがある。
性腺(卵巣・精巣)
卵巣・胎盤(黄体)・精巣をまとめて性腺と呼ぶ。
分泌器官とホルモンの一覧
器官 ホルモン 視床下部(内分泌系には含めない場合もある)
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
- 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
- 成長ホルモン放出ホルモン
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモン
下垂体
(脳下垂体)下垂体前葉
- 副腎皮質刺激ホルモン
- 甲状腺刺激ホルモン
- 性腺刺激ホルモン
- 黄体形成ホルモン
- 卵胞刺激ホルモン
- 成長ホルモン
- プロラクチン
下垂体中葉
- メラニン細胞刺激ホルモン
下垂体後葉
- バソプレッシン
- オキシトシン
松果体
- メラトニン
甲状腺
- 甲状腺ホルモン
- チロキシン(サイロキシン)
- トリヨードチロニン(トリヨードサイロニン)
- カルシトニン
副甲状腺(上皮小体)
- パラトルモン(上皮小体ホルモン)
副腎(腎上体) 副腎皮質
- コルチコステロン(糖質コルチコイド)
- アルドステロン
- アンドロゲン
副腎髄質
- アドレナリン(エピネフリン)
- ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)
膵臓(ランゲルハンス島)
- インスリン
- グルカゴン
- ソマトスタチン
- 膵ポリペプチド
卵巣
- エストロゲン
- プロゲステロン
胎盤
- 絨毛性ゴナドトロピン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
精巣(睾丸)
- アンドロゲン
- テストステロン
チャクラと内分泌腺の関係
チャクラと内分泌腺や神経叢の関係性は諸説ある。一般的に言われているものは以下のとおり。
- サハスラーラ:松果体
- アージュニャー:脳下垂体
- ヴィシュッディ:甲状腺・副甲状腺
- アナーハタ:胸腺
- マニプーラ(太陽神経叢):膵臓・副腎
- スワディシュターナ(仙骨神経叢):卵巣・睾丸(スワディシュターナは腸や泌尿器に関係しているという説もある)
- ムーラーダーラ(尾骨神経叢):?(ムーラーダーラが生殖器系・性腺と関係しているという説もある)
三浦関造氏は「輝く神智」の中で以下のようにまとめている。現在一般的に使われているチャクラと臓器の名称とは少し異なっている。また、正確な定義としては内分泌腺ではないものも含まれている。
- サハスララ:松果体
- アジナー:脳下垂体
- アルタ・メジャーセンター:頸動脈腺
- カンサ:甲状腺
- アナハタ:胸腺
- マニュピラ(太陽叢):脾・膵・腎・肝臓
- サクラル:卵巣・睾丸
- クンダリニ(脊柱基底):秘伝的
「頸動脈腺」は一般的には「頸動脈小体」などと呼ばれるものかと思われる。これは血中のO2・CO2濃度や、pHや温度の変化などを感知し呼吸をコントロールする働きを持っている。
基本的な考え方としては、チャクラがあるとされている部分には神経叢が存在していることが多いようである。神経叢は、付近の臓器へ神経ネットワークを広げている交差点のようなもので、神経叢がうまく機能していなければ付近の臓器の機能も低下する。
内分泌腺・ホルモン異常に起因する難病への対策
神経叢は腕を動かすように簡単に意志で働かせられるものではないかもしれないが、チャクラ行法やチャクラヒーリングは、それら神経叢に意識を向けることで少しずつその働きを高めていくという原理と思われる。
本来は潜在意識がそのコントロールを行っていると思われるが、ストレスなど様々な要因でそのコントロールが不調になると、内分泌腺・ホルモンの異常につながると思われる。その治療には、薬物や手術も用いられるが、チャクラの考え方を元にすれば、まずその神経叢に意識を向けてあげるのが有効であるということであろう。