ポリヴェーガル理論について、ひとまず提唱者であるポージェス氏の「ポリヴェーガル理論入門」を読んでみた。
Amazon:ポリヴェーガル理論入門
実践的な部分をより深めてみようと思い、いくつか本を探ってみたが、スタンレー・ローゼンバーグ氏の以下の本が参考になりそうだった。
Amazon:からだのためのポリヴェーガル理論
書籍紹介:からだのためのポリヴェーガル理論/スタンレー・ローゼンバーグ (著)|書籍紹介
この本の著者は、クラニオセイクラルセラピーやオステオパシーの施術を行うボディーワーカーのようで、セルフケアと他者への施術の両面で参考になる部分が多かった。
クラニオセイクラルセラピーやオステオパシーについては、以前注目して調べていたことがある。
参考:クラニオセイクラルセラピー・オステオパシーについて調べ、骨と筋膜を意識する
スタンレー・ローゼンバーグ氏のセルフケアエクササイズの中には、私も以前から注目していた「目の動き」と体の動きを組み合わせたものもあった。
レッスンの最初にいつも行っている全身運動の中に、試しに組み入れてみようかと思う。
そして、ポリヴェーガル理論のセルフケアの中で中心的な考え方となっている「ソマティック(身体的)」という方向性について探るため、その言葉を流行させたきっかけとなったトーマス・ハンナ氏の「ソマティクス」を読んでみた。
Amazon:ソマティクス
ポリヴェーガル理論やソマティクス(あるいは提唱者の名前をつけて「ハンナ・ソマティクス」と呼ぶこともある)といった手法は心理的な症状の治療や子供教育などという分野にもよく用いられているようで、最近のトレンドのひとつのようである。
考え方としては、メンタルを直接扱うのではなく身体的なアプローチを用いて心身全体を整えるというハタヨーガの方向性に近いものを感じる。ソマはギリシア語で「身体」を意味するようだ。
ソマティクスでは、3種類のストレスによる反射を定義している。
- 赤信号反射(Red Signal Reflex)
- 青信号反射(Green Signal Reflex)
- トラウマ反射(Trauma Reflex)
恐怖などのネガティブな慢性的ストレスに対する防衛的な反射として、腹筋が固くなり体が丸くなるような反射が、赤信号反射。このような姿勢になっている人は、現代では非常に多いように思える。
「なにかをやらねばならない」といったポジティブな慢性的ストレスに対する反射として、つま先重心になって反り腰になる。こういう姿勢の人もよく見られる。
トラウマ反射は、怪我などのショックによって体の片側だけを強く固めてしまい、その姿勢が定着してしまう。
これらの改善方法については、いくつかのエクササイズが紹介されている。仰向けやうつ伏せや座って行うものが多く、どの筋肉が固まっていて動かしにくいか、どのくらい今収縮しているのか、といったことをマインドフルに感じ取りながら行うというコンセプトが感じられる。
文章だけで動的エクササイズの本質を読み解くのは少し難しいが、活かせる部分があれば取り入れていこうかと思う。