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クラニオセイクラルセラピー・オステオパシーについて調べ、骨と筋膜を意識する

凝っている場所ではないところへ施術することで、不思議と凝りがなくなっていく。

経絡や反射区といった、見えないつながりが体の中にはいろいろとあるらしい。

そういった体の中のネットワークのひとつに「筋膜」というものがある。

これは経絡などのような見えないものではなく、実際に存在して触ることのできる器官である。その役割は現代でも分かっていないことが多いようだが、どうやら筋肉の働きや姿勢などに関係しているらしい。そして筋膜のネットワークも、いくつものレイヤーが重なって存在している。

筋膜の存在を強く意識したのは、人に頭をマッサージしてもらったときだった。

頭をマッサージしただけなのに、肩や背中や腰の凝りが改善していたのである。たしかに目を使いすぎると頭や顔の筋肉も固くなっているのは感じていたが、しっかりそこをほぐすと全身に良い影響があるのだとわかった。

これはとても興味深かったので、ヘッドスパにも通ってみることにした。とても良い。その技術を観察してみると、筋肉や筋膜だけを扱っているわけでもないようだった。一見なにもなさそうな骨の部分をゴシゴシこすったりしている。これは何をやっているのだろう。

というわけで、頭蓋骨マッサージといったニッチなカテゴリーの本を読んでみた。

「頭蓋骨をユルめる! クラニオ・セルフトリートメント 自分でできる「頭蓋仙骨療法」」吉田篤司 (著)

「頭蓋骨マッサージで体の不調が消える本 (中経の文庫)」武富 ゆうすけ (著)

専門的には「クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)」 と呼ばれるメソッドがあるらしい。

仙骨も関係しているのか?と最初はピンとこなかったが、頭蓋骨と背骨・仙骨は重要なつながりを持っているらしい。

これらは独自のリズムで脊髄液を運んでいるらしく、つまり仙骨や背骨が固まれば頭にも悪い影響が出る。

仙骨というものに意識が向いたのはこれよりも結構後になるが、まずは頭蓋骨のことがいろいろと分かってきた。

どうやら骨をゴシゴシやっていたのは、頭蓋骨の縫合を調整していたらしい。頭蓋骨は1コの骨ではなく、たくさんの骨が合体して構成されている。その縫合部分が歪んでくると、頭痛などにつながる。頭の形も結構変わる。日によって髪型がキマらないのはこのせいもあるのかもしれない。

頭蓋骨を構成する骨についてはとても興味があったので模型を買おうと思ったが、ウィッシュリストに入れたところで思いとどまっている(だいぶ後に、結局買った)。

[Fellezza] 頭蓋骨模型 可動式頭蓋模型 歯模型 骨格 分解可能 実物大

頭蓋骨に限らず、骨の位置は結構変わる、というのは直感的に理解していた。

骨の位置を動かしているのは筋肉であり、筋膜の張力や重力などとの関係を保ちながらアラインメントが決まる。そしてそれらを左右しているのは「意識」であり、意識には癖がある。根本的に良いアラインメントをつくるには癖を変える必要があるが、「意識を向ける先」として、筋肉だけに向けていたのでは全く不十分だということに気づいた。

「姿勢」をつくる要素、そして歪ませる要素はなんなのか。そのあたりを調べるために、下記の本を読んでみた。

「正しく理想的な姿勢を取り戻す 姿勢の教科書」竹井 仁 (著)

この本はとても参考になるのでよくオススメしている。私も今でもたびたびレッスンで解説用に使っている。

姿勢を分析して、歪み方のパターンや、それに応じた改善エクササイズなどもまとまっている。そして、エクササイズをいろいろと見ていくと、ほとんどがヨガのアーサナに含まれている動きだった。つまりヨガをきちんとやれば、姿勢は直っていくはずなのだ。もちろんヨガばかりやるのではなくてピンポイントでエクササイズを導入するのも私は良いと思う。

筋膜については、さらに調べてみようと思ったが資料は少ない印象だった。ちょっと高価な本も読んでみたが、ここまで専門的になると難しい。網羅的に情報が得られるが、応用までもっていくことができない。

「人体の張力ネットワーク 膜・筋膜―最新知見と治療アプローチ」Robert Schleip (著), 竹井 仁 (翻訳)

理論よりも、実技についてもう少し知っておこう。

クラニオセイクラルセラピーは、どうやらオステオパシーというものが元になっているらしい。

オステオパシーという名前は、以前にロルフィングを調べていたときにも見かけた言葉だ。

できれば源流をたどってみたかったが、オステオパシー創始者と言われるアンドリュー・テイラー・スティル氏の本は日本語では出ていないらしい。

ひとまず評価の高かったロバート・C. フルフォード氏の本を読んでみることにした。

「いのちの輝き―フルフォード博士が語る自然治癒力」ロバート・C. フルフォード (著), ジーン ストーン (著)

(そういえば後日、RYT200の同期に会いに行った時、偶然この本を持っていた。)

この本とセットでよく紹介されている、序文を寄稿したアンドルー・ワイル氏の本も読んでみた。

「癒す心、治る力 (角川文庫)」アンドルー・ワイル (著)

西洋的な、物質的な治療法が載っているのかと思って買ったのだが、全く裏切られることになった。これらの本には、東洋的な考え方まで含んだ、統合的な健康について書かれていたのである。

西洋を経由してきた現代ヨガに違和感を持っていた私にとっては、西洋の立場からでもこれだけ東洋的なものを取り入れて健康を考えている人もいるのだなというのがとても刺激的だった。

そこには、霊性や魂といったところまでも言及されていた。物質的なもの、肉体だけでなく、心も大切だ。そんな話を、西洋人の本で読めるとは思わなかった。

 

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