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からだのためのポリヴェーガル理論/スタンレー・ローゼンバーグ (著)|書籍紹介

からだのためのポリヴェーガル理論/スタンレー・ローゼンバーグ (著)|書籍紹介

ポリヴェーガル理論の基礎から、実践的なセルフケア技法まで紹介されている本

セルフケアやヨーガの勉強などのために、私が読んできた書籍を紹介していきます。

今回は、「からだのためのポリヴェーガル理論: 迷走神経から不安・うつ・トラウマ・自閉症を癒すセルフ・エクササイズ/スタンレー・ローゼンバーグ (著)」です。

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この記事の目次

簡単に言うと、どんな本?

ポリヴェーガル理論を元にした、具体的な心身の整え方を学べる本です。ポリヴェーガル理論の基本的な説明から、セルフケアのエクササイズや他者への施術法などまで、ボディセラピストの観点から、経験を踏まえて詳しく説明されています。

自律神経に関する比較的新しい理論であるポリヴェーガル理論は、一般的なストレスに関わる症状や、首コリ・肩コリや姿勢不良などから、自閉症やADHDなどの症状にも関連しているとされ、この本にも様々な症状に関する理論と対策法がまとめられています。

序文を寄稿しているステファン・ポージェス氏はポリヴェーガル理論の創始者と言われていますが、ポージェス氏自身の本に比べると、この本の著者はロルフィングクラニオセイクラルセラピーなどのボディワークを長年行ってきた人物であり、より実践的な内容の本になっています。

どんな人にオススメ?

ポリヴェーガル理論を活かした具体的なセルフケア法や他者への施術法などを知りたい方、ヨガなどを行っていたり教えたりしていてなかなか改善しないことがある方などには、ヒントが得られるかもしれません。

うつ病やADHDや自閉症などの精神疾患を、ソマティック(身体的)なアプローチで改善していくことに興味のある方にも、効果的なエクササイズを学ぶことができるかと思います。

この本で紹介されているエクササイズはとてもシンプルで、瞑想を深めていく上でも役立ちますし、オフィスなどでも日常的に行えるものもあります。理論は小難しくてあまり興味がないという方にも、第Ⅱ部だけ読んでシンプルなエクササイズを実践するだけでも何か良い変化があるかと思います。

私個人の読んだ時期・感想

前の書籍紹介で書いた「自律神経の科学「身体が整う」とはどういうことか」から引き続き、自律神経について調べていく中でポリヴェーガル理論を知り、まずは創始者のポージェス氏の本「ポリヴェーガル理論入門」を読んだ後に、より具体的な技法に活かす道を知りたいと思って、この本を読みました。

参考:研究の軌跡_20240709 ポリヴェーガル理論

著者は経験のあるボディセラピストで、実践的な内容の本

序文にも書かれているように、著者のローゼンバーグ氏は長年ロルフィングやクラニオセイクラルセラピーの施術を行ってきた人物で、私もそのあたりを研究してきてセルフケアに活かしてきたので、具体的な技法とポリヴェーガル理論を組み合わせる良いヒントになりそうな期待を持ちました。

私がロルフィングやクラニオセイクラルセラピーなどに興味を持った経緯は、研究の軌跡の中にも少し書いています。

参考:研究の軌跡(雑記集)

自律神経とポリヴェーガル理論の知識もざっくり説明されている

前半の理論の部分は、私は先にポージェス氏の本などを読んでいたので簡単に読み進めましたが、個人的にはこの本だけでもポリヴェーガル理論の概要はつかめるかと思いました。

もしこの本の前半だけでは難しく感じる場合や自律神経についての基礎知識が必要と感じた場合は、「ポリヴェーガル理論入門」や「自律神経の科学「身体が整う」とはどういうことか」などをあわせて読むと良いかと思います。

セルフケアにも他者への施術にも、具体的な診断から改善までの技法が分かる

第4章で紹介されているテスト法もシンプルで、まず簡単な診断のために使うことができ、それに応じて第Ⅱ部で紹介されている具体的なエクササイズを行っていくという流れで、具体的に診断から改善まで行っていく知識が得られるようになっています。

自閉症の人の頭の形や、それに関するシンプルな施術法などは、レビューなどを見ると賛否両論が起こっているようですが、たしかに有効な場合もあるようで興味深いところです。著者の経験によれば、そういった難病についても改善してきた例がたくさんあるようでした。

エクササイズの内容を見ると、「眼球の動きと首の頚椎1番周辺の動きを正常に戻すこと」が心理的な症状の改善にも大きく関係する、というのが主なコンセプトのようで、私も以前から重視していた部分なのでとても共感できました。

私はこの本の第Ⅱ部の内容を参考にして、オフィスヨガなどにも応用して取り入れています。ヨガを実践している方、教えている方にも、良いヒントになる部分があるかもしれません。

ポリヴェーガル理論自体はまだ比較的新しく、検証が必要な部分もあるようですが、長年経験してきたことの中でモヤモヤしていたところにうまくハマったという著者の経験に、私も共感するところが多かったです。

「からだのためのポリヴェーガル理論: 迷走神経から不安・うつ・トラウマ・自閉症を癒すセルフ・エクササイズ」の目次

  • 序 文:ステファン・ポージェス博士/ベンジャミン・シールド博士
  • まえがき
  • はじめに――自律神経系
  • 第Ⅰ部:新旧の解剖学とポリヴェーガル理論
    第1章:自律神経系を知ろう
    第2章:ポリヴェーガル理論
    第3章:ニューロセプションと誤ったニューロセプション
    第4章:迷走神経腹側枝をテストする
    第5章:ポリヴェーガル理論――ヘルスケアの新しいパラダイム
    第6章:ソマティック心理学的問題
    第7章:自閉症スペクトラム障害
  • 第Ⅱ部:社会交流を回復するエクササイズ
  • 付録(カラー口絵)
  • 謝辞
  • 訳者あとがき
  • 索引
  • 原註

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by 高橋陽介

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