どこかを動かしたいなら、その隣接しているところは安定していたほうが良い。
一緒に動いてしまうと、ずっと動かずにいる部分があることになる。
股関節や肩関節に関して、とくにこのような「代償動作」が起こりやすい。
股関節を動かしたいなら、骨盤を安定させておく。
骨盤を動かしたいなら、股関節から足までを安定させておく。前屈などはまさにこれである。
たとえば椅子に座っているとき、姿勢をなおすためには骨盤の位置・向きを調整する必要があるが、そもそも骨盤に全ての体重を乗せてしまっていると、骨盤を動かすことは難しい。
骨盤を動かしたいなら、股関節から足までを安定させる。
つまり椅子に座っているときは、しっかり足をふみしめてみると良い(足がぶらんぶらんしている場合は、骨盤のコントロールが難しくなる)。
足をふみしめると、股関節(大腿骨頭)は後ろ方向へ動こうとする。それに対して、骨盤は前へ動く。椅子に座っていると、ほとんどの場合、骨盤は後ろへ倒れてしまっているが、これによって骨盤を前方向へ修正して、正しい姿勢を作るためのトリガーのひとつになる。
さらに、骨盤をコントロールする際は、坐骨の位置を正確に把握しておくと良い。
大殿筋やハムストリングスに重く体重をかけてしまっていることが多い。坐骨は、思ったよりも内側にあり、両坐骨の間はこぶし一つくらいの幅である。
たとえばバッダコーナーサナやスクエアポーズなどの股関節を動かすアーサナを行うときは、坐骨をしっかり固定した上で、すぐ近くにある股関節を最大限動かせるようにする。
坐骨と股関節とお尻などが、一体となってとらえられてしまっていることも多い。動かしたいなら、まず各部分を徹底的に分離し、そして徹底的に連動させることである。