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骨盤底筋

骨盤底筋の起始停止・拮抗筋・関連ヨガポーズ・トレーニング・ストレッチ

この記事の目次

骨盤底筋の特徴

おおまかに、深層から順番に骨盤隔膜の筋群、尿生殖隔膜の筋群、表層の括約筋・勃起筋など、の3つの筋群に分かれる。

骨盤隔膜は扇形の肛門挙筋群(恥骨尾骨筋、恥骨直腸筋、腸骨尾骨筋)尾骨筋から成り、扇の取っ手部分が尾骨で、そこから広がって骨盤底の各部へつながっている形である。尾骨筋には深層外旋六筋のひとつである梨状筋が隣接していて、梨状筋は骨盤底筋には含まれないが、この筋の緊張度合いは骨盤底の働きに影響する。

尿生殖隔膜は恥骨と両坐骨を結んだ三角形のエリアにあり、深会陰横筋浅会陰横筋から成る。

表層には、坐骨海綿体筋、球海綿体筋、外肛門括約筋、尿道括約筋などが存在する。ちなみに内肛門括約筋は腸の筋肉の一部であり主に自律神経が支配する平滑筋である。

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骨盤底筋の主な働き

  • 坐骨の内転・腸骨の外旋(アウトフレア)
  • 仙骨の起き上がり(カウンターニューテーション)・尾骨をたくしこむ
  • 骨盤の安定・姿勢の維持
  • 排泄・分娩のコントロール
  • 腹圧・呼吸のコントロール

主な拮抗筋

坐骨の外転・腸骨の内旋(インフレア)

  • 腹横筋

腹圧の上昇

  • 腹横筋
  • 内腹斜筋
  • 外腹斜筋
  • 腹直筋

骨盤底筋は腹圧の上昇に用いられると解釈される場合もある。後述の「呼吸と骨盤底筋に関する考察」を参照。

主な協働筋

仙骨の起き上がり(カウンターニューテーション)

  • 骨盤底筋
  • 大腰筋

骨盤底筋の起始・停止

起始

恥骨尾骨筋:恥骨
恥骨直腸筋:恥骨
腸骨尾骨筋:腸骨

尾骨筋:坐骨棘

深会陰横筋:坐骨枝
浅会陰横筋:坐骨結節

坐骨海綿体筋:坐骨枝
球海綿体筋:会陰体・尿道球・尿道海綿体の後部(男性)、会陰体・前提球の後部(女性)

外肛門括約筋:恥骨下枝

停止

恥骨尾骨筋:尾骨
恥骨直腸筋:直腸
腸骨尾骨筋:尾骨

尾骨筋:尾骨

深会陰横筋:会陰腱中心
浅会陰横筋:会陰体

坐骨海綿体筋:陰茎海綿体(男性)、陰核背面の白膜(女性)
球海綿体筋:陰茎海綿体(男性)、陰核海綿体(女性)

外肛門括約筋:尿道隔膜部(男性)、尿道上半部(女性)

骨盤底筋を鍛えるヨガポーズ・エクササイズ例

骨盤底筋をストレッチするヨガポーズ・エクササイズ例

  • 腹式呼吸を深く行う。吸いきったところ・吐ききったところで、少し息を止める。
  • ケーゲル体操

呼吸と骨盤底筋の関係に関する考察

呼吸の際、骨盤底筋はどのように作用するのか、解釈が真逆にされることがあるので、ここで考察したい。

腹圧の上昇に関わるのか、減少に関わるのか、というところがひとつのポイントである。

もし他の場所が全く静止した状態で、骨盤底筋のみが収縮するのであれば、腹圧は上昇するであろう。そのため、「骨盤底筋は腹圧の上昇に作用する」と解釈することもできる。

それであれば、呼気のときに骨盤底筋は収縮するということになろう。

しかし、

  • 骨盤底筋が動けば、他の部分(骨盤の上部・仙骨・背骨など)も動く
  • 「骨盤底筋」と呼ばれる筋肉はたくさんあり、何層にも分かれている

といったことを考慮すると、単純に解釈することはできない。

骨盤底筋と連動して動く部分

坐骨同士を近づける部分の骨盤底筋を考えると、坐骨が近づくこと(内転)で上前腸骨棘は離れ(アウトフレア)、腹横筋が伸び、腹圧は減少するということになる。そう考えると、吸気のときに骨盤底筋は収縮するということになる。

また尾骨が引き寄せられることで仙骨は起き上がり(カウンターニューテーション)の動きをするので、背骨はそれに導かれて「丸くなる」方向の動きを始める。その際、胸椎も含めて背骨全体が丸くなれば、腹圧は上がって呼気を行うのに有利なようにも思えるが、実際に呼気を導くほどに背骨を丸めるには腹直筋などの協働が必要であると思われる。腹直筋などは収縮せず胸椎は直立している状態が保たれているのであれば、カウンターニューテーションによって「腰椎の部分が前湾していたのが解消される」と捉えると、逆に腹腔の容量が増えて、腹圧は減少するとも考えられる。このあたりも解釈が真逆になる可能性のある部分であり、うまく用いれば呼気吸気どちらにも有利に働かせられる可能性もあると考えられる。

呼吸筋として、横隔膜との連動

その他の呼吸筋として横隔膜についても考えてみると、横隔膜は収縮することで吸気を導く。横隔膜と骨盤底は、体を輪切りにしたような層を表現しているように見えるが、これらは別々に動かすこともできる。最も深い完全呼吸を行うためには、横隔膜が収縮し、腹横筋は伸長して腹腔が広がっていく必要があるが、たとえば横隔膜を収縮しつつ腹横筋下部を収縮しておくことで胸式呼吸が行われる。その際、骨盤底筋も収縮しておけば、より体幹は安定し(完全呼吸よりも空気の量はもちろん減るが)、太陽礼拝などのヴィンヤサヨガやピラティスのエクササイズをより安定して効果的に行うことができる。このように、それぞれの呼吸筋をコントロールして用いることで、様々なメリットが生み出せるということである。

様々な骨盤底筋とヨーガの技法

そして、坐骨同士を近づける骨盤底筋以外にも、尿を止める、肛門を締める、膣圧を上げたり前立腺を挙上したりする、といったいくつもの筋肉が層を成していて、訓練次第ではそれらを別々に用いることもできる。

ヨーガの技法のムーラバンダあるいはアシュヴィニムドラも解釈が分かれていて、これらの筋肉を別々に用いることを示唆している。サッチャナンダ氏の指示によれば、ムーラバンダは会陰の数cm上部(奥)の収縮をする技法で、尿道括約筋と肛門括約筋はゆるめていなければならないというやや高度なものであり、アシュヴィニムドラは肛門の収縮である。ただ、いずれの場合も基本的には吸う息と、いずれかの骨盤底筋の収縮を連動させることが多い。

また、意識を上に昇らせるときも吸気を用いることが多く、背骨を通して意識を上げていく際に、その根本である骨盤底筋は収縮してドーム状に盛り上がっているほうが、上に昇らせる起点とする際に都合が良いことが多い。

これらの理由から、ヨーガのバンダやムドラを練習している人にとっては、吸気のときに骨盤底筋の収縮を行うほうが多いようである。

排便・排尿・出産時の骨盤底の動きと、呼吸の関係

さらに排便・排尿・出産について考えると、いきむときには腹圧を上げ、息を吐いているか止めていることが多く、排便時には肛門括約筋はゆるみ、排尿時には尿道括約筋はゆるみ、出産時には坐骨同士と尾骨は離れて骨盤底は広がっている。

この点においても、骨盤底筋群の中のどれを収縮させ、どれを緩めるかというコントロールができると、排便・排尿・出産ももっとスムースに行える可能性がある。

解釈の仕方が異なるのは、以上のようないくつかの理由が考えられる。どの効果を狙って、どの筋肉が収縮して、どの筋肉が伸長しているのか、気づきを働かせながら実践をするのが良いであろう。

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