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肉体と気の体について研究を深める3 〜レイキ〜

「気」や「治療」というキーワードで調べていると、「レイキ」がたびたび出てくる。

レイキについてはなんとなくしか知らなかったが、どうもあやしい情報が多いのであまり触れないでいた。

以前ヨガのインストラクター講座を一緒に受けていた人が、レイキをやっているので治療をしてあげると言ってくれたのだが、そのときは丁重にお断りした。

興味はあったのだが、その時点ではレイキについて本当によく分かっていなかったので、せっかく整えてきた気を乱されるのも嫌だなといった感覚だった。ただあやしいからという理由ではなくて、気の重要性に気づいているからこそ、ちょっと今はやめておきたいということでお断りした。

さて、レイキというのはどうやら西洋にも結構広まっているらしい。というか、西洋のほうがメジャーになっているようだが、その歴史や流派なども結構複雑なようだ。少し調べてみることにしよう、ということでお硬い感じの本とやさしい感じの本を選んでみた。

「癒しの現代霊気法―伝統技法と西洋式レイキの神髄」土居 裕 (著)

「レイキで心と体を浄化する本」矢尾 こと葉 (著)

なんとなくの歴史と、いろいろ流派があることなどはわかった。その実践方法は、ヨーガにとても近いものがある。チャクラや呼吸法など、全く同じものもある。治療法の多くは「観想」を用いているのも、ヨーガの瞑想や気功の服気法や軟酥の法などと共通するものがある。ヒーリングにおいて手かざしを多用するところがレイキの特徴な感じもするが、バーバラ・アン・ブレナン氏のやっていることにも近い。

なので、やっていることは特殊なことではなく、他の行法や治療法にもみられるものがミックスされているような印象だった。

しかし違和感があったのは、いずれにしても「アチューンメント」というものを受けないことには始まらないというシステムである。またそこにはレベル分けがあり、レベルに応じてシンボルやマントラなどを伝授されるといわれるが、これらは秘密にされている。

それらを用いることを前提に、いろいろな技法の解説につながっていくので、結局独学で実践することができるのはわずかな部分しかないように思えた。

アチューンメントとは具体的になんなのかは公開されていない。どうやら修行もなしに、気が通せるようになるという。

なんとなくクンダリニーの覚醒に近いようなことを他力で行うのだろうか、と想像したが、だとするとハタヨーガ・クンダリニーヨーガの観点から考えれば慎重にならなくてはならない。準備の整っていない者がクンダリニーを目覚めさせると、とんでもないことになるというのはよく警告されている。

この時点で、あやしいからと放り出してしまうこともできるが、これまでの研究をふまえて冷静にレイキを観てみようと思った。

レイキのように「伝授」を受けなければならないというシステムは、密教的な要素の強いハタヨーガにも共通する。その教えは強力であり、誤った用い方をしないように、正しい師匠に教わるべし、という意味もあるのだろう。では、最初の人はどうやって始めたのか?というところに注目してみる。レイキの場合は、臼井甕男氏が苦行の末に能力に目覚めたという歴史がよく語られている。

最初の人は、少なくとも「他人」ではないキッカケによって始めたはずなのだ。もしかしたら天から得た力なのかもしれない、とか言うとまたあやしくなるが、そもそもそういった力の種は他人から授かるのではなく、自分の中に宿っているのだと思われる。それを目覚めさせるには、いろいろなキッカケがあり得るということなのだろう。

ハタヨーガなどではその「目覚めさせる力」をクンダリニーと呼ぶ。クンダリニーは正しい師匠の元での修行の末に目覚めることもあれば、なにかのキッカケによって不意に目覚めてしまうこともあるようだ。アチューンメントというのは、そのキッカケを与えるものなのかもしれない。

いずれにしても、超能力に執着してはならないというヨーガスートラの教えは重要だと思う。そしてクンダリニーは、飼いならすことができるようになってから呼び覚ますべきである。そのためにヨーガはヤマ・ニヤマといった道徳が基盤として存在するし、肉体を強化するためのアーサナもある。

善きレイキの師匠は、アチューンメントの前に道徳もしっかり教えているのかもしれない。ただ、道徳は知識ではなく、自発的に実践されてこそ意味のあるものであり、それには長い年月を要する場合もある。お手軽に超能力が使えるようになっても、いずれ身を滅ぼすことになりかねない。

レイキを広めている人々の中でもいろいろと考え方の違いがあるようで、それによって流派が分かれたようだ。ヨーガにもいろいろな道がある、それぞれに合ったものを選べば良い。ただ、組織や派閥をつくってしまうと、人はなにか不自然になっていく。私はどこにも属さず、誰にも属させず、自然な道を行こう。

 

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