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肉体と気の体について研究を深める5 〜「手」と全身の関係性〜

体のある部分に施術をすると、離れた箇所が治る、という技をたくさん調べてきたが、離れた場所に影響がでるという体のシステムには、おそらく気が関わっているネットワークもあれば、筋膜や神経といった物質が関わっているネットワークもあるのだろう。

こういった技を身につけておくと、セルフケアにも使えるし、人を治療するときにも使える。ヨガと組み合わせるには、着替えたり道具を使ったりせずにどんな場所でもできる技が使えると便利だなと思い、「手」に関する技をまとめてみることにした。

手に関する施術でまず思いつくのは、足ツボで有名なリフレクソロジー。手と足はほとんど同じ箇所に同じ臓器に関する反射区がある。

リフレクソロジーに関する本では、いままで下記のような本を読んできた。

「足裏・手のひらセルフケア」手島 渚 (著)

「リフレクソロジー (ナチュラルヘルスシリーズ)」クリス マクラフリン (著), ニコラ ホール (著)

リフレクソロジーはとてもわかりやすい。悪い箇所があれば、その反射区も固まっていたり、押したときに痛かったりする。その反射区を適切なやり方でほぐしていけば、悪い箇所が治っていく。診断と治療を兼ねた技法だ。

診断という点で考えると、東洋医学やアーユルヴェーダの脈診が使える。ドーシャチェックなどはわかりやすいが、東洋医学の経絡に関する診断は結構素人には難しい。

経絡に関する異常がわかると、関連する経絡と経穴に対して施術するわけだが、現代で一般的な12経の経絡図をみると、手を通っていない経絡もある。足から始まっている「足の◯◯経」というものが半分を占めている。これらに対しては、足に施術するしかないのか?という違和感があったのだが、以前紹介した増永静人氏・遠藤喨及氏が全身24経というものを教えてくれていて、やはり手にも通っているようだった。彼らの説によれば、教育などのために簡略化されて行った末に現在の12経絡が制定されたらしい。

「決定版 タオ指圧入門」遠藤 喨及 (著)

「経絡と指圧」増永 静人 (著)

というわけで、手を使えばある程度全身の治療ができる、という手応えを得られた。

反射区や経絡といったネットワークは全身にいくつも存在しているらしい。そのへんをまとめている人はいないものかと思って調べてみたところ、下記の本に目が止まった。

「手のひらセルフケア (エイムック 1893 Yogini別冊)」

Yoginiの別冊として出された本のようだが、とても有効な技がたくさん載っていた。

沖ヨガの流れをくむ龍村修氏が行っている「指ヨガ」の技も載っていたり、アーユルヴェーダの観点からドーシャバランスに関連した手のエリアというのも載っていた。

この本で気になったのは「メビウスの指」という技である。特定の形の「印」を結ぶことで、エネルギーの流れを整えて、心や体に良い影響が生まれるという。ほんまかいなと思うかもしれないが、実際やってみると結構気持ち良いものである。ヨーガにもいろいろなムドラーがあり、禅にも法界定印があり、手を特定の形にするだけでいろいろな効果があるというのは昔から実感されてきたことなのだろう。また、レイキの手かざしや気功の技のように手からエネルギーを出すこともできるのだろう。

ムドラーについては、後にまた詳しく調べることになる。

このように調べてきた技をまとめて、いつかハンドマッサージ的なものもサービスに加えようかなと思ったこともある。

 

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