研究の軌跡 目次へ 初めての方・目的別MENU

微細身について本格的に調べ始める3 〜整体、リフレクソロジー、ロルフィング、身体意識〜

セルフケアとして「気」を扱う方法は、いろいろと情報も得られたし、実感できるようにもなってきたが、教える場面においては、人の気の状態を観たり整えたりすることができると役立ちそうだ。鍼灸師の人々は、脈診などを用いて状態を観て、鍼灸を用いて整えている。

鍼灸以外でも、そういったワザをさぐってみよう。まず「整体」というものを調べてみる。

整体というのは国家資格があるわけでもなく、定義はとても曖昧らしい。「整体師」になるには、資格は必要ない。

整体に関する本としては、数年前に買った下記の本を持っていた。

「整体法はこう診るこう手当てする」井本 邦昭 (著)

この本にはいろいろな症状に対する診断法や施術法が書かれているが、そこには「導気」という言葉が頻繁に出てくる。

整体というと骨をぐいぐいと整える印象があったが、この流派(井本整体)では導気も頻繁に用いるようだ。

導気とは、手や指をあててそこへ意識を集中すること。物理的な圧だけではなく、気も用いるのである。気が乱れれば病気となり、気を整えれば自然に病気は治っていく。

前述の通り「整体」の定義はとても様々で、流派もたくさんあるらしい。

他の有名な流派についても調べてみよう。調べると、下記の本が目についた。

「整体入門 (ちくま文庫)」野口 晴哉 (著)

こちらは「野口整体」の本である。小さい本だが、とっても気になる情報が満載されていた。

中でも重要な技法として挙げられていたのが「活元運動」である。

活元運動は、体にたまった邪気を出すための動きであり、それは特定のアクションをしたあとにじーっとしていることで自然と起こってくるもので、体を自然に動きたいように動かしていると、自然と邪気が出て歪みも整っていく。

ほぼ同じものが、気功の本にも「自発動功」という名前で載っていた。こちらも邪気を出す「瀉」の技法である。

はたから見るととても奇妙な動きをすることになるが、とても有効なワザなので私もたびたび行っている。その動き方は、人それぞれそのときの状況によって様々に変わる。

これらの技法をみていくと、「気を整えることによって勝手に体も整っていく」という仕組みがあるように思えた。おそらく逆も然り、体を整えれば気も整うのだろう。

野口整体では「導気」と言わずに「愉気」という言い方をしている。

経絡・経穴などへの治療と同じように、ある場所に施術すると別の場所にも効果が現れる。特定の椎骨に愉気をすれば内臓に効果が現れたりする。

離れた場所に効果が現れるというのを聞くと、足ツボなども思い出す。私も最初は知らなかったが、ここで言うツボは経穴とは異なり、リフレクソロジーといわれる理論に基づいた「反射区」というものらしい。

どうやら足だけでなく、手や頭などにも反射区があるようだ。反射区のマップはネットでもたくさんみつかるが、ひとまずさらっと本でみてみることにした。

「足裏・手のひらセルフケア」手島 渚 (著)

ざっと手足の反射区の配置と、押し方のコツなどがわかった。さらに深く調べるため、下記の本も読んでみた。

「リフレクソロジー (ナチュラルヘルスシリーズ)」クリス マクラフリン (著), ニコラ ホール (著)

こちらはさらに詳しく載っており、さらに「ゾーン」と呼ばれる考え方もあることがわかった。

体全体を縦や横に分割し、それぞれのゾーンにある体の部位はつながっていると考える。たとえば側頭部が痛いという場合は、手や足の小指に施術をすると治ったりする。これも試したところ、たしかに効果があった。

このように体のなかには様々なネットワークがあるらしい。それらは微細身でつながっているのだろうか。

実際に目に見えて触れるネットワークとしては、以前から筋膜に注目していた。オステオパシーなども一通り調べたが、筋膜に目をつけた最初のきっかけであったロルフィングについてもう少し調べてみようと思い、下記の本を読んでみた。

「ボディワーク入門―ロルフィングに親しむ103のテクニック」小川 隆之 (著), 斎藤 瑞穂 (著)

表紙はやさしい感じだが、とても実践的な情報がたくさん書かれた本だった。

この本では、筋膜は「体を支える器官」でもあり、「記憶の器官」でもあるという話が紹介されている。体の癖や姿勢などによって筋膜は変化する。そして筋膜を変化させることで、心も変化していくという。これは興味深い。

また、少し話はそれるが、重力と姿勢に関しても興味深い話が載っていた。人間が赤ん坊から成長していくのは、重力の中で自然に直立歩行できるような体の構造を作っていくために、一定の時間を費す必要があるためだという。これは長年の進化の過程をたどっているようにも見える。このあたりの話は、高岡英夫氏の「究極の身体」の身体論を思い出す。

そういえば高岡氏の本は一冊しか読んでいなかったので、もう少し読んでみよう。

「図解トレーニング 身体意識を鍛える」高岡 英夫 (著)

まさに気になっていたテーマの本を見つけた。身体意識。意識によって、体はどのように変わるのか。

究極の身体」とかぶる内容もあったが、身体意識についてより詳しくわかった。

たとえば私はウッティタハスタパダングシュターサナなどの片脚バランスポーズがとても苦手だったのだが、腿裏に意識のラインを置くことや、仙骨から前方にでるビームをイメージすることなどを応用すると、とてもバランスが取りやすくなった。自分にとっても実用的であり、人に教えるときにも役に立つ情報が得られた。

ウッティタハスタパダングシュターサナ

意識を整えれば、体も整い、思い通りに動かせるようになっていく。

全てはつながっている。もっと統合的に、意識と体を協調させて使っていきたいところだ。

 

(次)インドに行く

(前)微細身について本格的に調べ始める2 〜オーラ、チャクラ〜

研究の軌跡 目次へもどる

サイト内検索

コラムを探すページへ