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ヨガ資格(RYT200)を取りに行く1 〜宮古島到着〜

当時はあまり選択肢がなかったのかもしれないし、ただ見つけられなかっただけかもしれないが、わりと勢いでスクールを決めて、春の宮古島へ向かった。

十数日で200時間の講座を行うわけなので、結構忙しいスケジュールになる。

泊まるところは、スクールと提携しているゲストハウスであれば無料キャンペーンがあったらしいけれど、私は申し込むのが遅かったのもあってすでに数は埋まっていた。個室がよかったので特に問題なし、自分で宿を探した。

長期宿泊で安くなりそうな宿を検索したところ、スクールにとても近い場所に、不動産屋さんがやっているゲストハウスを見つけた。近いし、たぶん誰かスクールの人も一緒に泊まるのだろう。海も遠くないし、駐車場もあるし、サーファーが泊まっているかもしれない。と思っていたのに、結局私はこの10人くらい暮らせる家にずっと一人でひろびろと住むことになった。

どうやらあまり宣伝していないらしく、商売っ気のなさそうな、人の良さそうな不動産屋さんだった。

私が泊まる部屋に入ったら、前に泊まったであろう誰かが朝起きてふとんをめくった状態がそのまま保存されていた。まさかの放置案件。面白いじゃないか。

不動産屋さんのボスと息子さんたちと数人でなぜか一緒に軽く掃除をして、快適な住処が得られた。

講座の終わるころに「陽介さん、どこに泊まってるんですか?詳しく…」と先生から意味深に聞かれて、私以降の期ではスクール提携宿の一つになったようだ。そりゃ近くて住みやすくて便利ですもの、みんなハッピー。ただ私はスクール期間中におじゃまするときの宿に使えなくなってしまって残念。

さて、宿も整って、スクールのオリエンテーションに向かった。

スタジオに入るとすでに15人ほどいて、開始を待っているようだった。やはりほぼ全員女性、いろんな年代の人がいる。なんと男性も1人だけいる、かなり若い。

若干の緊張感の漂うスタジオで、いろいろ説明を受けたり、自己紹介などした気がする。詳しくはあまり覚えていないけれど、前でしゃべっていた先生がどうもトゲトゲしい喋り方だったので、みんなも不安だったこともあって場が冷たい感じになっていて、私は場を和ませようとして明るく振る舞っていた。そんなキャラでもないのに。後で知ったが、その先生も講座で教えるのは初めての方で緊張していたらしかった。面と向かってしゃべったら、とても良い人だった。

そんな場の様子を、さらに緊張感のある視線で後ろから眺める数人の先生たち。その先生方の関係性もよくわからなかったので、なんだかつかみどころのない雰囲気の中で講座が始まっていった。

しかし、今思えばなんともうまく作られたプログラムだった。本当にそう思うので、卒業後にも何度か見学に行かせていただいて、ディレクターの先生には毎度「本当にうまくできていますねぇ…」と伝えている。

なにがうまいかって、ヨガのアーサナはさておき、自分のいままでの人生を客観的に振り返ったり、仲間と共有したり、そういった過程の中でヨガ哲学を意識できるようになったりというグループワークが充実していたところである。「客観的に物事を観られるようになる」「過去に執着せず不要なものは手放す」といったことは、アーサナ実践よりも重要だと気づくことになった。このあたりは、リトリート制の講座ならではの経験ができたと思う。

グループワークではあまり見せていなかったけれど、実際はゲストハウスで女性同士のごちゃごちゃした人間関係もあったのかもしれない。私はちょっと距離をおいて、たまに女子のグチを聴いたり、若い男子には突っ走らないようにたまにアドバイスをしたり、いつもどおりな感じで過ごしていた。

とはいえ、前半はあまり周りを気にするほど余裕がなかったと思う。

当時は本当にアーサナができなかったし、最初の数日は筋肉痛もすごかった。自分ができないアーサナの、ティーチングのコツやキューイングも学ばないといけない。

早朝6時から夜20時まで講座があり、疲れもたまる。講座が終わったらささっとスーパーですぐに食べられるものを買って(ジューシーのおにぎりとか、グルクンの唐揚げとか、いちおう沖縄っぽいもの)、食べてシャワーを浴びて宿題をやって、仕事があれば片付けて、22時台には寝床に入っていた。

あとで女子に聞いたら、みんな結構しっかり食材を買ってきてごはんを作ったりしていたらしい。シャワーの順番待ちとかもあったりして、寝るのは24時をすぎるのが普通だったという。大変でしたね。

そんな慣れない生活の中、タダーサナから始まるアーサナ、アヒンサーから始まるヨガ哲学を習得していくことになる。

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