200時間の資格講座の中には、解剖学・生理学の内容も20時間割り当てられている。
ただ、解剖学の時間はランチ後の時間だったりアーサナの合間だったりするので、とーっても眠い…。
体中の関節の動きと関連する筋肉や骨の話を淡々と聞いていたが、ここではほとんど身につかなかった。
怪我を避けるために、関節ごとの危険な動きなどは理解したが、筋肉名などはほとんど覚えられなかった。
使っていたテキストはこちらの本。
「新動きの解剖学」Blandine Calais Germ (著)
講座後にこの本を開いたのは数回くらいしかないかもしれないが、これをキッカケにして「機能解剖学」という学問があることを後で知る。
ちなみに機能解剖学の勉強には、この時点よりもかなり後に購入した以下の本を一番よく活用している。
「筋肉と関節の機能解剖パーフェクト事典」左明 (著), 山口典孝 (著)
この本を元に、このサイト内でも以下に機能解剖学事典をまとめてある。
そもそもヨーガや東洋医学などでは「解剖学」の考え方はほとんど存在しない。臓器や器官単位で考えるよりも、目に見えない気・血・津液、プラーナ・ナディといったものを重要な概念として用いることが多い。解剖学はどちらかといえば西洋の考え方である。そのため、東洋的なヨーガの実践において解剖学が必要なのかどうかという議論は尽きない。それでも、アメリカ発の資格であるRYT講座においては、解剖学が必須内容として入っている。
「解剖学」の中でも、この本が示していたように「動き(機能)」を元にして考えるのが、「機能解剖学」と言われる。
ヨガを教えるようになってから「こういう動きには、この筋肉や骨が関わっている」といった知識はとても重要であると思うようになり、いろいろ調べるようになった(講座中に気づけって話だけれど、やはり余裕もなかった)。
そして自分の実践においても、アシュタンガヨガの一連の片脚前屈アーサナの意味がよくわからなかったこともあり、どんな動きが正しくて、どこの筋肉・骨をつかっているのかを調べようとした際に、下記の本がとても参考になった。この本も、機能解剖学の有用性に気づくキッカケとなった。「アシュタンガヨガ」自体は、講座の同期の人から聞いて知った。本格的に始めるのは、講座から帰ってしばらくしてからである。
「アシュタンガ・ヨーガ実践と探究 (GAIA BOOKS)」グレゴール・メーレ (著), chama (監修, 読み手), 加野 敬子 (翻訳)
機能解剖学の知識があると、たとえば「チャトランガダンダーサナが何故できないのだろう」といった、人それぞれ異なる課題に対して、有力なヒントを得ることができる。
たとえばお腹が落ちてしまっているのなら、腹横筋などが足りないので、それらを鍛えるエクササイズを個別に行うようにしよう、といったアドバイスができたりする。
RYT200を取得した多くの人が、「解剖学に不安がある」と言っている。20時間程度ではなかなか身につかないし、アーサナなど他にやることが多いので、余裕もない。
私も教え始めたころは、「怪我をさせない」程度の最低限の知識しかなかった。
しかし自分で実践していったり、いろいろな課題を持つ人々に教える機会を重ねたりしていくうちに、少しずついろいろわかってきた。
人それぞれ課題は様々だけれど、うまくできない理由としてよくあるやつ、がだんだんわかってくる。それを中心に調べて、少しずつ知識を重ねていけば良いと思う。私もまだまだ重ねている途中だ。
解剖学に不安なインストラクターの方々の参考になれば幸いである。
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