インストラクター講座も後半に入り、ティーチングの練習が始まる。
仲間たちを相手に模擬レッスンをする。
資格取得前からインストラクターをしていた人たちも少しいて、さすがに慣れたものだった。しかしほとんどの人は初めて人前でレッスンをするので、みんなたどたどしい口調で行っていた。
RYT200の講座には、ヨガを始めたばかりの人も結構な割合でいる。自分のアーサナも不安な状態で、人に伝えるというのはとても難しい。
私もいろいろ考えながらレッスンを組み立てたけれど、流れとインストラクションを覚えるのもままならなかった。
インストラクションがさらさらと口から出てくるようにするには、自分自身で実践した上で、効果や危険性を実感しなければならないと思った。本で読んだり、人から教わっただけでは、説得力も出ない。自分の体験を伝えるのが一番だ。
ただそれは前述の通り、「先生と同じようにできているか」ではなく「浅くても正しい形」「深めていく方向性」が理解できているかどうかが一番重要だと思った。
だから、レッスンに参加している人全員が同じ形で行う必要など全くないのだ。それぞれの心身に合った形で行えばいい。
私はいままでプライベート・少人数レッスンを中心に行ってきたが、この時点ですでにその方向性は決まっていた。
レッスンを作るときには、運動量のレベルやテーマなどが設定される。
それぞれ自由なテーマで作ったときは、みんないろいろなレッスンをやっていて興味深かった。
保育士の人は、キッズヨガをやっていた。私はキッズの役で楽しくレッスンを受けた。
陰ヨガをやっている人もいて、このとき初めて陰ヨガというものを知った。なにやらボルスターやブロックを大量に使っていた。
若い男子はパワー系のヨガをやっていた。
この状況、ふと考えてみると、ものすごい贅沢なのではないかと思えた。今後、この仲間達はそれぞれプロとしてヨガを教えていくのだ。いろいろなプロのレッスンが少人数(1グループ3〜4人だった)で受けられて、そしてフィードバックをし合えるという、とても貴重な時間だった。
チャトランガで筋肉痛になっていた前半のころはあまり余裕がなかったが、後半は時間さえあれば仲間と一緒にアーサナのコツやアジャストなどについて話していた。
そして終盤に向かうころ、興味を持ってくれた友人たちからレッスンをお願いされた。
帰京の数日後に、初めてのレッスンの予約が入った。まだ料金も決めていなかったが、プロとしてお金をいただいてレッスンをするということは決めていた。
まずは、私が体感した「ヨガをしっかり習うこと」による効果の違いを伝えたいと思った。そのためにちょうどいい少人数レッスンの場は、すでに作ってある。
最後は前浜ビーチでSUPヨガもやってきた。