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ヨガを教え始める

幸運にも友人から声をかけていただいて、RYT200の資格取得後にすぐレッスンをする機会があった。

ヨガマットはひとまず手元にあったものを数枚かき集めて、ブロックとベルトも揃えた。ボルスターはまだ無かったけれど、使わなくてもなんとかなる。

このころは、壁に貼ってある鏡は真ん中の1枚だけだった。

「突っ張りワイドミラー 幅80cm NJ-0085」

初期のころのレッスン

初期のレッスンを受けてくれた友人の多くはIT系の仕事をしていて、ほとんどヨガ初心者で私より若い世代だった。

ジムに行っている人もいれば、普段まったく運動していないという人もいた。

独学でやったときとしっかり教わったときの効果の違いを実感していた私としては、とにかく丁寧にヨガをやってもらおうと思ってレッスンを行っていた。レッスンの参加者数はだいたい2〜3名、少人数なのでかなり丁寧にできる。

初期のころは丁寧にやりすぎて(今はテキトーにやっているというわけではないけれど)、時間が足りなくなることも多かった。やろうとしていた内容もあれこれ詰め込みすぎていたと思う。

インストラクター講座のときは、レッスンのテンポがよくわからず、自分で考えた内容も覚えきれず少し抜かしてしまったりもしていたので、逆に結構時間が余ってしまっていた。

インストラクター仲間との模擬レッスンでは、相手も知識を持っているから説明も最小限で済んでいたので、予想より時間がかからなかったというのもあるかもしれない。

うまくできない人への軽減法の指示などは、少人数レッスンだからこそ丁寧にやりたいところだったが、やはり慣れないうちは結構そこに時間がかかってしまった。人が2人いれば、それぞれ全く心身の状態は異なる。それぞれに最適な教え方を、テンポ良く簡潔に行うためには、いろいろと足りないものがあった。

レッスンの内容と頻度

レッスンスケジュールは特に用意しておらず、声をかけてもらったら時間を作って行うような形でしばらくやっていた。レッスンテーマはご希望を聞いて、毎回変えていた。

そのころの私のレッスンのパターンとしては、「初心者用向け、基礎からしっかりやるヨガ」と、「そこそこ運動量の多いフロー系ヨガ」といった感じで分けていた。この分類の仕方は世の中のヨガスタジオで「ハタヨガ」と「ヴィンヤサヨガ」という形で分類されているのと同じで、今でもこの分類法で考えることが多い。

参考記事:静的アーサナと動的アーサナ、そしてヴィンヤサ

フロー系ヨガは、アーサナをつないでいく過程がダンスの振り付けをしているような気分だったし、一連のストーリーを描けるような感じがして、クラスを組み立てるのが毎回楽しかった。

カフェに行ったときはデザインの仕事をしつつ、仕事が一段落したらノートを開いてクラスの組み立て方のことを考えていた。

まだ教えられるアーサナの種類は少なかったけれど、この時点では十分だった。基礎的なアーサナも、しっかり行えばとても効果があることは実感していた。

レッスンを受けてくれた人には、翌日筋肉痛が出た箇所などを聞くようにしていた。変なところに筋肉痛が出ていたら、やり方が間違っていたことになる。だいたい狙った場所に出てくれていたので、うまく行えていたようだ。今でも良くレッスンで言っているが、ヨガでは、表より裏側・外より内側の筋肉を意識的に使うようにするとうまくいくことが多い。

来てくれる友人たちは近所に住んでいるわけではないので、通ってくれる頻度はまちまちだった。決まった頻度で来てくれている人は全くいなかったと思う。

それでも少しずついろんな友人に声をかけてもらえるようになってきたので、隔週1回くらいはレッスンする機会をいただけていた。

いろんなクラスターの人たちが来るので、ひとまず料金や持ち物やスタジオ環境などがわかるようにWebサイトを作っておこうと思った。

このときはただ友人に見てもらうことだけが目的で、見知らぬ人を集客しようというつもりはまだなかった。

ヨガスタジオの名前を決める

サイト制作は本業なので、1日あれば作ることはできる。

ただ、名前やロゴなどを考えないといけない。

脇道にそれるけれど、それまでデザインの仕事をしていた会社「フレアワークス」に関する話を少ししておく。

元々は父が独立するときに作った会社だった。そのとき私は社会人になって間もないころだったけれど、私も将来は必ず独立するだろうと思っていた。

父は私に会社名を考えてくれという。私もおそらくこの会社を使うことになるだろうと思っていたので、「陽」の字→「太陽」に関係した言葉をいろいろ検討して「フレア」、作品をいろいろ作っていくという意味で「ワークス」、そんな感じで決めた。他の候補に何があったかは覚えていない。

SaGaとかFFとかが好きだったのでフレアは「爆発」のイメージがあったのだけど、「全方向へ朝顔状に広がる」という意味があるというのを結構後で知った。なので初期のフレアワークスのロゴはフレアの爆発っぽいやつで、今のロゴは広がってる感じのやつになっている。

「ヨガスタジオ フレア」はどうやら大阪にあるらしかったので(今では閉業されてしまったようだけど)、じゃあ「フレア◯◯」にしようかと思っていろいろと検討した。

友人の意見なども参考にして、「なにかプラスになることを」といった意味を込めて、フレアプラスにした。「陽」電子は「プラス」電荷だから、とかいろいろ後付けできるけど、そこまでは考えていなかった。

ちなみに初期のロゴには太陽マークを入れていたが、たしか1年くらい経ったときに外した。

レッスンを始めてみて、必要になってきたこと

クラスの作り方・アーサナの種類

初期のころは、伝えたいことが多すぎて、レッスン時間が足りないと思うことが多かった。

内容を洗練させる必要もあったし、伝え方もまだまだ無駄が多かったかもしれない。教えられるアーサナの種類も少ない中で試行錯誤していた。

ヨガスタジオには引き続き通っていたので、いろいろな先生の教え方を感じながら参考にしていた。アーサナもまずは自分でいろいろできるようになろうと思い、少しずつ難度の高いクラスにも出るようにしていった。敬遠していたアシュタンガヨガも毎週受けるようになった。

説得力をもたせる

ヨガでは「結果を追い求めない」ということがよく言われる。とはいえ、これからヨガを始めようとする人は、なにかしらの効果を求めて始めるのだ。

なので、効果などについて、説得力のある伝え方ができるようにしたい。

そのために、ヨガに対する科学的な分析をしている人々の記事や本などを読むようになった。

そういう切り口で最初に買った本はおそらく下記の本である。実はインストラクター講座に行く前に買っていたようなので、その時点ですでに科学的な切り口は必要だと思っていたのだろう。本格的に読んだのは、教え始めてから結構経ってからである。

「ヨガを科学する―その効用と危険に迫る科学的アプローチ」ウィリアム・J. ブロード (著), William J. Broad (原名), 坂本 律 (翻訳)

そして、参加した人々に筋肉痛の箇所などを聞いていたこともあり、アーサナごとにどの筋肉が使われるのかということをもっと詳しくなろうと思い、必要なところから解剖学を深め始めるようにした。

解剖学に関する本で最初に買ったのは、そこそこ人気のある下記の本だったが、ビジュアル的にわかりやすかったけれど、筋肉名や動きなど機能解剖学的に深めるためには、私には少しとっつきにくかった。筋肉名などは、最初のうちは主にネットの情報を活用して知識をつけていった。

「図解YOGAアナトミー:アーサナ編 – 医師が解説するヨガの機能解剖学」レイ・ロング医学博士 (著), 中村尚人 (監修)

瞑想などいろいろな切り口で深める

また、IT系の人々の中には、グーグルやアップルでマインドフルネス瞑想が導入されつつあるという情報を得て、そこからヨガに興味を持ってくれた人もいた。

瞑想に関しては前述の通り少し知識があったので、これも洗練させて、人に伝えられるようになろうと思った。

現代ヨガのポーズと瞑想がどう関係するのか?8支則なども含めて、もっとうまく説明できるようにしようと思い、「インテグラルヨーガ」も再び読み始めた。

そんな感じで、自分の練習も深めつつ、必要とされていそうな部分から少しずつ、知識を取り入れ始めていった。

(次)現代ヨガへの違和感を持ち始める

(前)ヨガ資格(RYT200)を取りに行く5 〜ヨガの教え方を学ぶ〜

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