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身体意識に関する研究に興味が向く

整骨院で整えてもらわないと、ろくに生きていけないということに違和感を覚えて、根本的に凝らない・疲れない体をつくることを目指し始めた。

古武術などと同時期だったと思うが、身体意識に関する研究者として高岡英夫氏の著書にはとても刺激をいただいた。

高岡英夫氏の本の中で最初に読んだものは、おそらくAmazonで買ったのではなくて本屋で偶然見つけて買った気がする。

その時見つけた本は「究極の身体」というタイトル。惹かれるものがあった。

究極の身体とはいかなるものか。

この本にはたくさんのヒントが書かれていたが、身体の各部分を、筋肉・骨の組織として分割するのではなく、意識として分割して捉えていたのがとてもしっくり来た。

たとえば、2本の「脚」はどこから分かれているのかというと、見た目上は股からということになるが、インナーマッスルの構造などから考えると、大腰筋が起始している腰椎のあたりから分かれていると意識することもできる。この意識を持っているほうが、脚が10cmくらい長くなったようなイメージになり、より脚を速く軽やかに動かせるのである。

おぼろげながら、自分の中でも「こうやって身体を使ったほうがうまく動くのはないか」という仮説があったのだが、それを見事に形にしてくれる「多重中心論」という考え方と、身体の各部分を意識的に分割した図がこの本には掲載されていた。

特に役に立ったのは「肩甲帯」「割体」「ウナ重心」といったあたりの考え方だった。身体意識を変えることで、歩くことも格段に楽になって、よく散歩するようになった。

全部ここで紹介すると長くなるので、ひとつだけ「ウナ重心」を紹介する。これは、私もレッスンでサマスティティヒの姿勢や片足立ちポーズのときなどによく言っているが「内くるぶしの下に重心を置く」という考え方である。

ウッティタハスタパダングシュターサナ

ハイヒールをよく履く人などに特に多いが、重心がつま先の方&外側に偏ってしまっている人が多いように思える。

この重心位置だと、O脚になったり、腰を痛めたり(重心が前側にいくと、それを相殺するために腰が反る)、片足立ちになったときにふらつきやすい(日常生活では、転びやすい)といった症状につながるので、足裏の重心を内側・後ろ側へ移すことでいろいろうまくいくようになる。

こういった話をキッカケにして、足・脚の状態を観察するようになった。

とってもいろいろな歪みがあった。

歪みを見つけたとき、「これは直らない」と絶望してしまう人もいるかもしれないが、私は不思議と「これはこういう癖のせいだろう、癖を直せば改善していくのではないか」と発想することができた。

身体の使い方は、もっともっと洗練させていくことができる、そのためには意識と身体の両面にアプローチする必要がある。

どうやらヨガには、その両面のアプローチをするための技法があるらしい、と気づき始めていた。

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