日本における神智学の広がりは、1970年代以降に活発になったらしい。
それより前の初期のころに神智学を扱っていた人物として、三浦関造氏がよく登場する。
彼の書籍は普通に売られているものは少なくてなかなか手に入りにくいが、最初に読んだのは下記の本だった。
「輝く神智―ヒーラー(秘教治療家)の為の秘伝」三浦 関造 (著)
興味を持ったキッカケは、神智学の知識を治療に活かしている人はいないものかと調べてみたところ、アリス・ベイリーが「秘教治療」という本を出しているのを見つけたが、これも難解なのだろうからいまはやめておこうと思い、それと並んでよく紹介されていた三浦関造氏の「輝く神智」を手にとってみることにした。
彼の神智学の理論は、アリス・ベイリーの話すなわちジュアル・クール大師の話をもとにしているものが多いようだ。
それをヨーガと組み合わせて、独自の行法やチャクラシステムなどを解説している。
彼が創設した竜王会の書籍はほとんど普通に出回ってはいないが、とても興味深いものが多い。ラージャヨーガに沿って丁寧に行法を解説した「実践的綜合ヨガとその原理」という本や、「アグニ・ヨガ」という行法(ジュアル・クールとは別の大師、モリヤによって授けられたと言われる)も参考になる。
彼自身もよく治療を行っていたようで、「疾病一掃の大福音」という本にはその体験談や理論の一端が記されている。治療の前には右鼻で数分間呼吸をする、といったヨーガにも通じる具体的な彼自身の習慣が垣間見えた。
古本ではものすごい値がついていることが多いが、竜王文庫に直接発注すれば定価で手に入るので、興味のある方はどうぞ。
日本における神智学は、数々の新興宗教にも影響を与えたと言われる。そして「シュタイナー教育」というものも一部では流行っているらしい。
私も小中高生などに教える機会が少しあったので、教育については興味があり、シュタイナー教育について調べてみた。
探してみると、結構たくさんの書籍が見つかる。シュタイナー自身のものではなく、最近の人々がそれぞれシュタイナー教育を解釈してカリキュラムにおとしこんだような本も多い。
シュタイナー自身の「シュタイナー教育」という本があるわけではないようなので、彼の教育に関する理論をまとめた本として、下記の本などを読んでみた。
「子どもの教育 (シュタイナーコレクション)」ルドルフ シュタイナー (著)
「シュタイナー教育ハンドブック (Steiner Books)」ルドルフ シュタイナー (著)
彼の理論では、7歳ごとに重要な区切りがあるらしい。
ざっくり言えば、7歳までは徹底的に模倣をする、7〜14歳では権威に従う、15〜21歳では自分で考える、といった感じで変化していく。たしかに思春期や反抗期といったものもこれにあてはまるかもしれない。各世代向けのヨガの教え方にも応用できる。しかし15歳をこえても親が権威的になにかをやらせるというタイプの教育を受けつづけている子は、まだ自分で考えて行うということに慣れておらず、しかしそうしたい内的衝動はあるので、うまく心身が扱えずにストレスも抱えているようだった。このあたりの話も自分なりにまとめたいところだが、もっと経験を積みたい。
現在の日本ではシュタイナー教育の幼稚園などはぽつぽつあるようだが、Googleなどのレビューをみると全体的に酷評が多くて残念。教える側や環境にシュタイナーの理論がしっかり浸透していないのかもしれないし、教わる側も日本的な固定観念があったりしてうまくいっていないのかもしれない。
シュタイナーを深く理解するには、高度な感覚が要る。誰かが作った「シュタイナー教育のガイドライン」などに従うだけでは難しいのかもしれない。
人それぞれ、環境や文化に合ったやり方でやったらいい。