先日、ヨガの話をしていて、
「インドに行ってきたんですよー」と話したら、「???」という顔をされまして…
もしかしたら、ヨガがインド発祥ということを知らない人も多いのか!と気づきました。
「ハリウッドやニューヨークから日本に伝わってきたオシャレなエクササイズ」
「インスタ映えするアクロバティックなスポーツ」
といったイメージも強いのかもしれませんね。
この記事の目次
アメリカではなく、インドから始まったもの
日本で広く行われているヨガは、たしかにアメリカから伝わったものが多いのですが、本来のヨガはインドで生まれたものです。
アメリカでアレンジされたヨガは、エクササイズの側面が重視され、宗教的な要素の多くは除かれて、効率的なシェイプアップ・体幹トレーニングとして広く世界で行われるようになりました。
ただ、ほとんどのヨガレッスンでウォーミングアップとして行われる「太陽礼拝」や、一部のレッスンではマントラのチャンティング(「オーム」など)も行われ、宗教的な要素も一部残っています。
最近作られたオシャレなエクササイズではなく、4500年くらい歴史がある
ヨガの起源と思われる記録は、約4500年前のインダス文明の遺跡、モヘンジョ・ダロから発見されています。
坐って瞑想する人の様子が描かれた出土品により、当時からヨガの坐法・瞑想の概念が存在していたと考えられています。
ヨガの修行法は、仏教などと影響し合いながら、中国などアジアの国々を経て日本にも様々な形で伝えられました。
アジアから伝わった瞑想や禅、アメリカを経て伝わったエクササイズ、いろいろなものがミックスされて、おもしろいことになっているのが今の日本のヨガです。
宗教的にも中立な立場から世界のヨガの流れを観てみると、とても興味深いです。
日本人にはそういう学び方もできるでしょうし、独自の捉え方でバランスの良いヨガをつくり出していくこともできると思います。
「体を動かすエクササイズ」は、ヨガの多くの要素の中の一つにすぎない
ヨガの目的は、心の波立ちをなくしてうまくコントロールすることです。
そのために、瞑想をして集中力を高める方法が用いられました。
ただ、瞑想を長時間し続けるには、快適で安定した坐法(姿勢)が必要で、その坐法を行うためには柔軟な股関節・強くてまっすぐな背骨といった体が整っている必要がありました。
体を整え「快適で安定した姿勢」を作るために、様々なヨガポーズが生まれていき、現代の体を動かすヨガの元となりました。
その過程で、それぞれの国の文化や体の特徴などに合わせて、いろいろな◯◯ヨガが生まれていきました。いまでも増え続けているでしょう。
そして心を観察しコントロールするために、様々な呼吸法もつくり出されました。
このようにヨガには、呼吸法・瞑想法など、体を動かす以外にも様々な要素があります。
いろんな◯◯ヨガを試してみましょう
最初に出会った「◯◯ヨガ」が全てだと思わないでください。
それで「ヨガは自分には合わない」と判断してしまったらもったいないです。
いろいろな方法がつくり出されましたが、目的は同じ「心の波立ちをなくす」ことであり、そのために「快適で安定した姿勢」をまず整えることを目指します。
整体や外科手術のような外力で整えるのではなく、根本的に癖を変えていくためのヒントが、ヨガの中にはたくさんあります。
まずは「体をどう変えたいか」などの目的を元に、自分に合ったヨガを探してみましょう。
そしてひとつのやり方に執着せずに、いろいろな◯◯ヨガをやってバランスをとりながら心身を整えていきましょう。