大神島の情報
大神島(おおがみじま)は、沖縄の宮古島から約4km、船で15分ほどのところにある小さな島です。
「自然の神様がいる島」と呼ばれ、島全体が聖域であるなどと言われます。
【大神島 聖域】
・島の神祭行事の日には立ち入り禁止区域がありますが、島に入島は可能です。
・聖域はみだりに入ることが禁止されています。
・島の自然を壊したり持ち帰ったりしてはいけません。
このように禁止事項があるなど、大切に神事が行われている場所であることが感じられます。
人口22人(2019年1月)、港近くには唯一の食堂で民宿を兼ねている「おぷゆう食堂」があります。
形はピラミッド状で中央が一番高くなっており、そこに遠見台(トゥンバラ)と、聖なる岩があります。
面積は約0.27Km、周囲が約2.23Km、最高標高地約74.8m(参考資料:大神島の地形・地質)、遠見台は結構高いところにあるので、上っていくのはそれなりに体力を使います。
大神島を訪れた私の所感
大神島を訪れたきっかけ
沖縄のパワースポットを調べてみると、本島の周辺にある久高島や浜比嘉島といったところがよく紹介されます。これらの島には沖縄の神話に関係する聖域があり、人々に礼拝され続けている重要な土地のようです。
離島の宮古島もパワースポットとして挙げられることが多いようですが、過去に数回訪れているので、今回の旅では行かないつもりでいました。
ただ、宮古島周辺でもまだ訪れていないパワースポットもあるだろうと思って調べてみたときに、大神島を知りました。
久高島などと比較してもかなり小さい島のようですし、宮古島や大神島までまわるべきか、それとも沖縄本島をたくさんまわるのがいいか…検討していた中で、大神島へ行こうと決めたのは、とても個人的な理由ですが以下のような感じです。
- 「高天原(タカマガハラ)」など日本神話に出てくる地名があること。(久高島や浜比嘉島や沖縄南部には、沖縄の神話に出てくるアマミキヨ・シネリキヨに関する地名が多くあるが、大神島にはなぜ日本神話の地名が?という興味)
- 島全体がピラミッド状だったり、カミカキスの半円状のストーンサークルがあったり、幾何学的な特徴があること。(形には、それ自体にパワーがあるので。参考:神聖幾何学とヨガ・瞑想、「形」が持つ力)
- なんとなく、今回の旅で宮古島にも行く動機がほしかったから。
2024年2月14日 訪問
13:00の船に乗るため、宮古島の島尻漁港へ。
小さな港ですが、無料駐車場のスペースは十分あり、トイレもあります。
小さな券売所で往復券を買い、定期船「ウカンかりゆす」に乗船します。
定員は50人という小さい船、このときの乗客は10人くらいだったと思います。室内の席と、風の抜ける後部座席があります。
聖地に行く船だからもっと厳かな感じかなと思っていましたが、特にそういうことはありませんでした。
15分ほどで大神島に到着。
老犬がお出迎え。私は猫派なので、軽く挨拶して通過。
地図に示されている道によれば、島を一周ぐるっと周ることはできないようです。実際、地図に出ていない道もたくさんありましたが、あまりうかつに入りこまないほうがいいでしょう。
過去に一周する道を建設しようとしたところ、聖地に関わる部分に道を通そうとするのを神様が禁じたらしく、北の端のところで事故が相次いで、断念したということのようです。
たしかに、人が通る道で囲ってしまうかどうかは、パワーバランスに大きく影響しそうな感じがします。久高島も浜比嘉島も、重要なところは道で囲われていないような構造になっているようです。後でこれらの島についても記事を書きます。
さて、いずれにしても一周することはできないので、どこから行こうか。
では最初にメインの遠見台へご挨拶しに行こうと思い、まず真ん中の道を中央へ上がっていきました。
大神島の集落
集落がありますが、人の気配はあまりしません。ほとんどは廃屋になってしまっているようです。
猫はたくさんいます。
大事に扱われていたであろう、井戸の跡などもあります。
この井戸の脇あたりに、遠見台へ上っていく階段があります。神事が行われている期間は、そこから先は入れませんと書かれていました。また、聖地の岩に上ってはいけませんとも書かれています。
遠見台
階段を上がり始めて間もなく、以下の詩が書かれています。
実際このあたりにはほとんど人の気配はなく、係員が常駐しているわけでもなく、立ち入りを禁じている柵や縄があるわけでもなく、何をしても咎められることはない状態で見て回ることはできるのですが、悪いことをしたら神様は見ているぞ、ということを知らせてくれます。
急な階段をひたすら上っていきます。大神島に着いたときは曇り空だったのですが、このときには結構晴れていましたね。
ところどころ、何かの儀式が行われていたのであろう空間が横に現れます。
おそらく近年は何も行われていないけれどかなり昔には何かが行われていたのだろうという場所も、もっとたくさんありました。
さて、遠見台に到着です。
急な階段を上がってきました。
眺めはとても良いです。
先ほど船で着いた港。
あとで行く、カミカキスの半円ストーンサークルも見えます。
さて、ここも雰囲気はいいですし、一緒に着いた人たちもまだしばらく上ってくる気配はないので、しばらく坐っていようかなと思ったのですが、どうも何かが違うような?
この場所自体には、あまりパワーを感じない、けれど何かが近くにある?
遠見台近くにある聖なる岩
遠見台からキョロキョロしてみますと、異様な気を放つ「岩」があります。(ああ、そういえば「岩に上らないでください」という注意書きがあったな、と思い出したのは、実は遠見台から下ったあとでした。このとき、頭からその知識は全く抜けていました。)
その岩の前には、郵便受け?賽銭箱?がおいてあり、礼拝をする場所があります。岩にはガジュマルの根がびっしりとからみついています。
そこでしばらく立禅をしていました。細い根がちょうど頭上に届くように垂れていて、頭頂からおりてくる流れを観想するのに使われているのかなと想像します。
ここの写真も撮ったのですが、消しました。そのときの体験は、ご希望があればお伝えします。
遠見台からカミカキスへ
遠見台をおりていき、ちょいちょい横にある空間を気にしつつ。集落へ戻り、上ってきた中央の道ではなくカミカキスの方への道をおりていきます。
途中には、廃屋や使われなくなってしまった畑のあとがたくさんあります。おそらく住人は昔よりかなり減ってしまったのでしょう。
カミカキス
さてカミカキスが見えましたが、遠見台から見たほうが、半円の形が綺麗に見えましたね。
この岩たちは、自然に山から崩れて落ちてきて、この形になったということです。
大神島の海辺をみてみると、このように山から落ちてきたであろう巨岩がたくさんあります。そのひとつひとつに、神の力が宿っているように感じました。
遠見台にあった聖なる岩も然り、「岩」に対して礼拝するのは自然なことのように思えます。
間近で見るカミカキスの陣形、その巨岩たち。長い年月が経って、そこにも植物が育ちます。
ンナパズ
カミカキスの先に、海とつながる階段があります。
階段もいい感じなのですが、その脇にあった縄で区切られた場所も気になりましたね。
大神島多目的広場
広くて平らな草地です。トイレもありますが使用禁止になっていました。
東屋があり、座って雨をしのげて海が見渡せるので、気持ち良い場所です。石で作られた机は崩れかけているので注意です。
野外イベントに適していそうな場所ですが、しばらく使われていないのだろうなという印象でした。
カミカキスから港へ戻る途中
海までは落ちなかった巨岩たちが、このあたりにはゴロゴロあります。
その中に、洞窟のようになっている岩がありました。
特に地図には出ていませんが、中には礼拝している跡があり、ここも良い空間です。洞窟の中から海もすぐそこに見えます。
こういう道が、海沿いを通っています。
大神島のビーチ
港を通ったあと、実は気になっていた「タカマ」が左にあったのですが、そこは素通りしてしまい、島の西側の道を海沿いに北へ歩いていきます。ここは全部平坦で、コンクリートの道です。
左には海、右には山と巨岩、のんびりした道です。
ンナパズあたりからまたどんより曇り空なので、あまり映えませんが。
シュノーケリングなど海遊びしたい人は、このビーチが良さそうです。
満潮時には道の右側にも海水が入り込むところもあり、この道を歩くだけでも気持ち良いです。
海沿いの道の端には、船を上げ下ろしするスロープがあり。
また、岩が崩落して破壊されたコンクリートの道があります。
道の先は、こちらも海へ続く階段になっています。
干潮時にはこの先のプナイパーと呼ばれるところまで歩いて行けるようですが、このときは行けなさそうでした。
いずれにしても島を一周はできないので、ここで引き返します。
さて、13:15くらいに大神島について、帰りの船は16:30、一通り見終わったかなというこの時点で残り1時間ちょっとあったかと思います。
時間があるので、先ほど通ったビーチでしばらく坐っていました。ただ、このときちょっと雨が降ってます。
そこで、そういえばタカマはどこだったかな?と調べてみると、素通りしていたことに気づきまして…港の方に戻っていきました。
タカマ
素通りしてしまうのも無理はないですね、タカマへの入口はちょっとわかりにくく細い道になっています。あるいは最後にゆっくり来なさいということだったのでしょうか。
一見ただのビーチのように見えます。
そこに、いかにも坐りなさいというような岩があったので、しばらくそこに坐らせていただきました。
坐ったときはどんより曇っていたのですが、そこから一気に晴れていって。
感動的でしたね。
この岩でした。ありがとうございます。もうすっかり晴れています。
この場所は港のすぐ近くなので、船が来ればわかる距離です。
乗り遅れることはないので安心してしばらく坐った後、船に乗って帰りました。
このあと、宮古島滞在中はずっと晴れていました。
大神島での体験は、このような感じです。人ぞれぞれ、いろいろな解釈があることでしょう。
また何か思い出したら、追記していきます。
大神島へのアクセス
宮古島の島尻漁港から定期船(ウカンかりゆす)で約15分。定期船は1日4往復。(2024年2月現在)