多裂筋の特徴
多裂筋は、脊柱起立筋の深層にあり、回旋筋を覆っている、各椎骨を結んでいる長い筋肉。
動きとしては脊椎の伸展・回旋・側屈に関わるが、主な働きとして椎骨同士をひきつけて安定させる作用がある。筋肉にはスタビリティ(安定性)とモビリティ(可動性)のバランスが重要であるが、多裂筋は主にスタビリティに貢献している。
多裂筋の主な働き
- 椎間関節の安定
- 脊椎の伸展
- 脊椎の回旋(反対側)
- 脊椎の側屈(同側)
多裂筋の主な拮抗筋
脊椎の屈曲
- 腹直筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
脊椎の回旋
- 内腹斜筋(反対側)
- 外腹斜筋(同側)
- 脊柱起立筋
- 回旋筋
- 多裂筋(反対側)
脊椎の側屈
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腰方形筋
- 脊柱起立筋
- 多裂筋
多裂筋の主な協働筋
脊椎の伸展
- 脊柱起立筋
- 腰方形筋
- 半棘筋
- 多裂筋
- 回旋筋
脊椎の回旋
- 内腹斜筋(同側)
- 外腹斜筋(反対側)
- 脊柱起立筋
- 回旋筋
- 多裂筋(同側)
脊椎の側屈
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腰方形筋
- 脊柱起立筋
- 多裂筋
多裂筋の起始・停止
起始
最長筋の浅部の腱、後仙骨孔と上後腸骨棘との間の仙骨後面、腰椎の乳頭突起、胸椎の横突起、第4〜7頚椎の関節突起
停止
各起始部から2〜4つ上の椎骨の棘突起