アシュタンガヨガの練習をしばらく続けて、その魅力が少し分かってきた。
そろそろ自分でも教えられるようにしようと思い、資格をひとつ取りに行ってみることにした。
あまりいろいろ調べようとは思わず、とりあえず一番有名なケンハラクマ先生のところに行ってみた。
それまでできなかったマリーチアーサナDをアジャストしてもらって初めて手をつなぐことができたり、やはり経験豊富な方という感じがした。
ひととおりフルプライマリーのアーサナを教わったが、短い講座だったので、ティーチングに関して詳しく教わったのは太陽礼拝A・Bくらい。
各アーサナについては、講座を終えてもまだまだ詳しいところまで理解できていなかった。
というわけで、かなり詳細に解説してくれている下記の本を読んでみた。
「アシュタンガ・ヨーガ実践と探究 (GAIA BOOKS)」グレゴール・メーレ (著)
この本は解剖学的にも非常に詳しく説明してくれていて、ものすごく参考になった。難しい本ではあるので万人向けではないが、インストラクターの知り合いにはよくオススメしている。
とくにジャーヌシルシャーサナA〜Cの意味については、この本で初めて少し理解できた。ただ、本当に理解できたのは自分でさらに実践・研究してからである。どんなに詳しくても、外から得た情報だけでは不十分だ。
また、先のオステオパシーの話のときにも受けた印象を、この本でも受けることになった。著者であるグレゴール・メーレ氏は西洋人の立場から、非常に真摯な姿勢で東洋のヨーガを研究している方だった。しかも西洋人の悪いところさえも、西洋人の立場から的確に述べている。
この本のおかげで、ひととおりアーサナの意味がある程度理解できたので、レッスンにアシュタンガヨガを加えることにした。
ここまでは日本人のケンハラクマ氏とドイツ人のグレゴール・メーレ氏の伝えるアシュタンガヨガを受け取ってきたわけだが、創始者であるインド人のパタビジョイス氏自身の本も読んでおかねばなるまいと思って、下記の本を読んでみた。
彼の本には、ヨーガスートラやハタヨーガプラディーピカーやバガヴァッドギーターといった古典からの引用がたくさん用いられ、アシュタンガヨガの正統性を示そうという意図が感じられた。
しかしサンスクリット語の句をポップなフォントのカタカナで書いてあったりという編集のせいもあってか、あまりそのあたりは頭に入ってこなかった。
正統性をアピールしようとするあまり、後々私はアシュタンガヨガのあり方に違和感を覚えることになるが、エクササイズとしてとてもよくできたシステムであると思い、積極的に取り組み、レッスンにも取り入れていった。