社会人になったころから、ジムに行くようになった。
とはいえ、月額会員として毎日のように通っていたわけではなく、健康保険の特典として単発通いができたので、週1回行くか行かないか程度の、なんちゃってジム通いだった。
独立してしばらく経って、健康管理の意識が高まり、通う頻度が少し増えた。
目立った不調はなかったものの、座り仕事で目や手を使いっぱなしで、体の各所に疲れはあった20代後半。
もともと走るのより泳ぐほうが好きだったので、ジムに行くとほとんどは泳いでいた。全身運動なので、とりあえず泳いでおけばいいだろうと思っていたところもある。
はじめのころはスタジオでやっているレッスンには興味も向かなかったけれど、なんとなくタイミングがちょうどあったときに「◯◯ヨガ」といった名前のついたレッスンを受けてみた。
4つ打ちのリズムのBGMでノリノリな雰囲気なのに、ビートごとに動きがあるわけではなく、なんだかゆったりした動きでポーズをつないでいく運動だった。不思議な匂いのお香が焚かれていたような気もする。男性の先生だった。
そのころは、「どうやらハリウッドで話題のエクササイズらしい」というくらいの知識しかなかった。
へぇ、不思議なエクササイズだなあ。でもたしかにゆっくり動くというのは意外と筋肉を使うんだな。といった印象だった気がする。
ほかのレッスンもいろいろ受けてみたところ、ヨガよりもダンス系のレッスンが楽しくてよく通うようになってしまい、その時点ではヨガには全くハマらなかった。