日本ではまだ「大人の女性がやるもの」というイメージの強いヨガですが、アメリカなどではヨガや瞑想のメリットが認められ、一部の学校で授業にも取り入れられつつあります。
小中高生の親御さんや、健康やスポーツ能力UPなどに関心のある若年層の方々にもヨガの効果・メリットを知ってもらうために、日本人にとって親しみがありスポーツ業界でもよく用いられる「心・技・体」を軸に考えてみます。
小中高生がヨガをする効果・メリット
私自身もこどものころからやっていればよかった〜と思うことがよくあります。
≫こどものころからヨガをやってたらよかったなーと思う3つの理由
勉強や他の習い事で忙しい方々も多いかもしれませんが、ヨガは主に新しいものを押し付けるのではなく、いま行ってしまっている余計なこと(癖)を手放すためのテクニックを教えてくれるものです。
姿勢やフォームの崩れ、技術が向上しないこと、病気や怪我をしやすいこと、メンタルがコントロールできなくなることなどは、ついついやってしまう「悪い癖」によるところが大きいです。
ヨガの効果・メリットを考えるとき、「心・技・体」についてそれぞれ「悪い癖を手放したらどうなるか」と考えてみると、分かりやすいと思います。
「体」の効果
- 姿勢改善
- 骨盤調整
- 自律神経を整え、アレルギーを改善
- 免疫力・自己治癒力を高め、病気をしにくくなる
「技」の効果
- スポーツの技術・能力UP
- 正しく美しいフォームになる
- 怪我をしにくくなる
「心」の効果
- 集中力UP
- 洞察力UP
- 心を落ち着かせコントロールする能力
- 自己分析して、自ら一歩を踏み出す行動力
- 道徳心、他者・そして自分自身への優しさ
「心・技・体」は個別に高めるのではなく、バランスが大切
「心・技・体」は3つ独立した能力ではなく、すべて関係しあっています。
どれかが失われれば全体が崩れる、バランスをとりながら高めていくものです。
ヨガを行っていると、自然とバランスの重要性に気づき、バランスのとれた行動ができるようになっていきます。
普段バランスを崩してしまう原因は、やはり「癖」による場合が多いです。
歳を取るほど癖が増えていくことは多いですが、子供たちも姿勢や走り方、そして考え方など、たくさんの癖を持っていますね。
それを「個性」と言ってしまえば良く聞こえるかもしれませんが、本当の個性が発揮されるのを邪魔してしまっている「悪い癖」は手放してしまいたいものです。
「心・技・体」全てをつなぐ鍵、呼吸の癖を改善する
心・技・体、全てをつなぐ鍵は呼吸です。
呼吸が乱れれば、全てが乱れ、健康も損なわれていきます。
呼吸にも人それぞれ癖があり、それに気づいていない場合がとても多いのです。呼吸を観察することで、たくさんの癖が見つかります。
呼吸の乱れによるスポーツや生活への影響の例
- 呼吸が浅くなると、筋肉が緊張して動きが小さくなり、肩こりなどにもつながる。
- 呼吸を止め続けると、無駄に緊張してしまい動きが悪くなる(特殊な呼吸法や特殊な姿勢をキープしたりする場合には、息を止める技術も活用します)。
- 呼吸の癖が読まれると、対戦相手に動きが読まれやすくなる。
- 眠りたい時に、呼吸が速く浅いままだと眠りに入れない、あるいは浅い睡眠になる。
行動と呼吸を連動させることで、美しく効率的に動けて、楽に日常生活を送ることができるようになります。
呼吸を観察しコントロールするヨガのテクニック
ヨガでは呼吸を観察する瞑想、そして呼吸に合わせて動くヴィンヤサなど、呼吸の癖に気づいて改善していくテクニックがたくさんあります。
適切な呼吸を伴ってヨガポーズを行えば、柔軟性を高めるポーズも、パワーと体幹の安定性を必要とするポーズも、より深めていくことができます。
うまくできないときは、呼吸が適切に行えていないという場合が多いです。そのように、観察しながら改善していくという機会が、ヨガのレッスンの中には数多くあります。
ヨガは薬やドーピングのように即効性があまり感じられないこともあります(人によってはすぐに効果が出る場合もあります)が、呼吸を変えていくことによって、一時的な効果ではなく、根本的に「心・技・体」を変えていくことができます。
大きな変化はすぐに起こらなくても、「なんか今週は調子がいいな?」といったような、小さな良い変化が必ず起こっているはずです。
そういった小さな良い変化に気づき、楽しみながら、続けていってみてください。