梵:सूत्र sūtra
英:thread, string, wire, rule, formula, plan…
日:スートラ、糸、縦糸、経、顕教
スートラの意味
スートラとは、主に「糸」という意味で用いられ、ヨーガスートラのように「一連の詩句が連なったもの」を表す場合もある。パーリ語では「スッタ sutta」、日本語では「経」あるいは「経典」と訳される。
スートラ(顕教)とタントラ(密教)
広く大人数へ向けて伝えられる「顕教」をスートラ、師匠が弟子に一対一で教える「密教」をタントラと呼んで対比させることも多い。
顕教は「経」の言葉として広く伝えられる。密教の教えも一部は文章として伝えられるが、「師匠から直接教わるべし」という注意書きが添えられていることが多い。
縦糸と横糸
タントラtantraを横糸、スートラsutraを縦糸(経糸)として、仏教やヨーガの修行における両輪とする場合もある。
ただし縦横が逆の解釈の場合もあるようである。
ハタヨーガにおけるスートラ
ハタヨーガは密教(タントラ)的な教えであり、それがラージャヨーガ(ヨーガスートラの教え)へ至るための階梯であるとされている。様々な道があれど、至る境地は同じサマーディである。
また、ハタヨーガの浄化法シャットカルマの中のネーティ(ネティ)には、水を鼻に通すジャラネティと、糸を通すスートラネティがあり、ここで「糸」の意味で「スートラ」が用いられている。