ハタヨーガの中に伝わる浄化法のひとつ、ネティ(ネーティ・ジャラネティ・鼻洗浄・鼻うがい)のやり方をご紹介します。
呼吸はとても大切です。とくに鼻呼吸を行っていれば、口呼吸よりもたくさんの病気を予防できます。
そのため、一日の最初に鼻の浄化をしておくことはたくさんメリットがあります。
この記事の目次
ネティ(鼻洗浄・鼻うがい)のメリット
鼻の奥がすっきりするので、呼吸が通りやすくなります。また、目頭の真ん中を洗う感じがするので眼や頭もすっきりします。
余分な粘液を洗い流し、ネティを行った後だけでなくしばらくの間、分泌を抑える(整える)ことができます。かたまった鼻水などがとても少なくなり、寝ているときも含めて一日中鼻づまりを抑える効果が続く感じがします。
アーユルヴェーダのドーシャに関する効果としては、カパを下げる効果があります。
ネティの種類
塩水を使って行うジャラネティと、細いゴムチューブなどを使って行うスートラネティがあります(スートラは「糸」などの意味)。
スートラネティは、塩水につけたゴムチューブを鼻から通して口から出すというもので、浄化法としてはとても効果が高い方法ですが、慣れないとなかなか難しいので、ここではジャラネティをご紹介します。
痛いの?難しいの?
プールなどで鼻に水が入った経験のある人は恐れを抱くかもしれませんが…適切な塩分濃度で人肌程度のぬるま湯であれば、痛くありません。むしろスッキリして気持ち良いです。
水を吸い込んだりする難しそうなものという誤解がありますが、ただ重力にしたがって流すだけです。鼻周りの歪みや緊張がなければ、自然に水が流れていきます。
ネティ(鼻洗浄・鼻うがい)に必要なもの
- ネティポット(鼻に入るなら、使っていない急須などでも可)
- 塩
- 沸騰させたあと、体温程度に冷ましたぬるま湯 300〜500cc
Amazonなどでもネティポットは売っています→http://amzn.to/2izrUBn
最初はコレで十分です。もう少し大きめのがあればベストです。
写真のネティポットはインドでいただいたもので少し大きめです。
インドではコレ1杯で片鼻分、と指示されましたが、鼻を通して出てきた水が透明で綺麗になるまで行いましょう。
ネティ(鼻洗浄・鼻うがい)のやり方
1.生理食塩水(0.9%)に近い濃度で、ぬるま湯に塩を溶かします(沸騰させていない水道水をそのまま使うのは避けてください)。
上記のネティポットであれば容量150ccなので、小さじ1/3〜1/4程度の塩で大丈夫です。
2.眉間や目頭を軽くマッサージしておいたり、鼻通(小鼻の上端あたりの両脇)・迎香(小鼻の下端あたりの両脇)などのツボを少し刺激しておくと鼻が通りやすくなります。鼻がつまっているときは、下記の記事も参考にしてください。
3.シンクや洗面台の前に立ち、体を前かがみにして、顔を横に向け、口で呼吸します(口を開けておかないと、口の方に水が流れてきます)。
4.上になっているほうの鼻に塩水入りのネティポットを差し込み、塩水を注ぎ入れます。鼻の奥を通って、反対側の鼻から塩水が出てきます。
5.ネティポット1杯分を注ぎ終わったら、もう一度塩水を満たして、反対側の鼻も行います。
6.鼻の奥にたまった水を出すために、耳の穴をしっかり人差し指でふさいだ状態で足を肩幅に開いて立ち、体を前に倒すと同時に勢い良く両鼻から息を出します。何度か繰り返します。
インドで教えてくださった先生が実際に行っている写真が下記に掲載されていますので、参考までに。
≫Aarsha Yoga Vidya Peetham -Photo-
朝起きたときの習慣に
実際に私が生活の中でやっている流れです。
1.朝起きたらまずお湯を沸かす(白湯などを飲みたい場合はその分多めに)。
2.白湯を飲んで、残りのお湯は冷ましておく。
3.瞑想したりパワンムクターサナ1などをしているうちに、お湯が冷める。
4.塩水を作って、ネティをする。
5.呼吸が通りやすくなってから、アーサナ・プラーナヤーマの練習をする。
ネティ(鼻洗浄・鼻うがい)の注意点
- ネティポットは清潔に保つこと。
- 沸騰させてから冷ましたぬるま湯を使うこと→デリケートな部分を通すので、徹底して衛生的に。
- 適切な濃度の塩水を使うこと→間違えると、痛いです。インドの先生は、一度口に含んだりして味で濃度を確認しているようでした。
- 寝る前には行わないこと→水が残っていると、肺に流れていったりする危険性があるようです。
- ヴァータが増大している場合は行わないこと→特にヴァータタイプの方は、毎日行うとヴァータが乱れることがありますので、乾燥しすぎる感じがある場合などは頻度を調整して行ってみましょう。
風邪をひきやすい今の季節から花粉症の季節まで、メリットがたくさんある方法ですので、衛生面に気をつけながら、ぜひネティを習慣にしてみてください。
鼻が通ったら、自律神経を呼吸法も習慣に
鼻を洗浄したら、自律神経を整える呼吸法も合わせて朝の習慣にしましょう。
鼻炎や花粉症の軽減にもつながります。