経絡や指圧について調べていたとき、増永静人氏が「診断即治療」という言葉を繰り返し用いているのを見て、私がヨガのアーサナに感じていることと近いものを感じました。
人によって、そしてその瞬間の体や心の状態によって、行うべきアーサナやエクササイズは様々に異なります。
課題となるアーサナを快適に安定して行えるようにしていくことは、その人の根本的な心身の癖を治すことにつながります。
なので、私もプライベートレッスンなどでは、その人の状態に合ったアーサナやエクササイズを提示して、それを深めていく方向性をお教えするようにしています。
それは時に「難しい」と感じるものかもしれませんが、結果的に「気持ちよく(快適に)」体を使えるようになるための過程です。
この過程は、医師が病名を診断して、治療法を提示するというのにも近いものがあります。
ヨガやアーユルヴェーダや東洋医学に共通する基本的な考え方としては、不自然なことをしてバランスが崩れたために「病気」が症状として現れているのであり、正しいバランスに戻していけば自然に症状はおさまっていくということです。
バランスの崩れをもたらしているのは、心身の癖なので、外力や薬によって一時的に症状をおさえたとしても、癖を直さないかぎり根本的には治りません。
この癖に気づいて、自然に直していくということが、アーサナを深めることで自然に行えるのです。
ただしひとつのアーサナに執着し続けるのではなく、「今の自分」にあったアーサナを選んで、自然に深めていき、必要なくなったら手放します。
自分にあったものを選ぶには、自分の状態に気づく洞察力(マインドフルネス)と、様々なアーサナやエクササイズに関する知識が必要ですが、それが足りないうちは、プライベートレッスンなどで教わるのが良いでしょう。
ひとまず自力で試してみたい場合は、アーサナ解説記事のタグ分類なども参考に、気持ち良いと感じるアーサナを選んでみてください。
最終的には、自分の状態に気づき、その瞬間に合ったアーサナやエクササイズや食生活などが選べるようになって、セルフケアができるようになってほしいと私は思っています。
例えば離れて暮らしている親や家族もセルフケアできるようになってくれたら、とても安心ですね。