人それぞれ異なる、快適に感じるパーソナルスペース(対人距離)
コロナの影響で「ソーシャルディスタンス」という言葉が意識されるようになったが、対人距離やパーソナルスペースといった考え方については、1966年にアメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホールが分類した理論などが以前から提唱されていた。
類型 概要 近接相 遠方相 密接距離
(英: intimate distance)ごく親しい人に許される空間。 0 – 15 cm
抱きしめられる距離。15 – 45 cm
頭や腰、脚が簡単に触れ合うことはないが、手で相手に触れるくらいの距離。個体距離
(英: personal distance)相手の表情が読み取れる空間。 45 – 75 cm
相手を捕まえられる距離。75 – 120 cm
両方が手を伸ばせば指先が触れあうことができる距離。社会距離
(英: social distance)相手に手は届きづらいが、容易に会話ができる空間。 1.2 – 2 m
知らない人同士が会話をしたり、商談をする場合に用いられる距離。2 – 3.5 m
公式な商談で用いられる距離。公共距離
(英: public distance)複数の相手が見渡せる空間。 3.5 – 7 m
2者の関係が個人的なものではなく、講演者と聴衆と言うような場合の距離。7 m 以上
一般人が社会的な要職にある人物と面会するような場合におかれる距離。出典:Wikipedia「パーソナルスペース」最終更新 2023年11月14日 (火) 05:29
大学院でメディアデザインの研究をしているときに、このあたりの話が出てきた記憶がある。
人それぞれ、快適に感じる距離が異なる。あるいはそういったことにまったく無頓着な人もいる。
快適を感じる距離を考える上で、感覚体の輪郭と質といったものに目を向けてみるのがヒントとなりそうである。
神智学などでは、感覚体のことをアストラル体と呼ぶ。
人それぞれ異なる、感覚体(アストラル体)の輪郭
肉体をはみ出して周りに感覚体(アストラル体)を広げ、さらにそれを繊細に働かせている人は、肉体がくっついていなくても人の感覚体を感じ取ってしまう。感覚体の輪郭がかぶるように距離が近くなると、むずむずするような不快な感覚を得る。
しかしストレスなどで自己防衛的に感覚を閉じてしまっていると、感覚体(アストラル体)は次第に肉体の輪郭よりも小さくなり、自分の体がどこまであるのかわからなくなってしまうということもある。
そういう人は自傷行為をして輪郭を確認し、自分の存在を確かめるような行いを無意識的にしてしまう。
そういった場合は、肌を触る、触ってもらうなどして、まず肉体の輪郭を確認することで、様々な心身の働きが整っていく。
手当てによる心身の治療の原理は、このあたりにも垣間見える。
肉体の輪郭から感覚体(アストラル体)の輪郭への距離
肉体よりも広い感覚体(アストラル体)の輪郭を確かめる際には、手をかざしてみることになる。
人によって感覚体の大きさや形は様々であり、感覚体の「肌」を触るには、腕を伸ばしても届かないこともあるかもしれない。しかし多くの人にとっては、15〜45cm程度のところにあるのかもしれない。これが、前述の対人距離の境目ということになりそうである。
感覚体(アストラル体)の構造とコントロール
感覚体は表面だけではなく、その内部にももちろん感覚機能がある。これは肉体も同じといえば同じで、肌だけでなく内部にも感覚神経がある。
感覚体は流動的であり、その感覚の濃さの分布も変化し、意図的に変化させることもできる。
周りのことに惑わされないようにするには、感覚体の輪郭や濃さをコントロールできるようにする必要がある。これがヨーガでプラティヤーハーラ(感覚制御)と呼ばれる行法なのであろう。
プラティヤーハーラの重要性は、ヨーガスートラのアシュタンガヨーガや、それをベースにしたハタヨーガ、クンダリニーヨーガなどでも述べられている。
参考:ヨーガスートラ解説 2.54-2.55 〜プラティヤーハーラ(制感・感覚抑止)〜
参考:「クンダリニー・タントラ」を読む【51】第3章 14節 前半:クリヤーヨーガの実践(プラティヤーハーラ)
たとえばクンダリニー・クリヤーヨーガのプラティヤーハーラの行法をみると、体内のエネルギーラインやチャクラを整える行法が並んでいる。
これらの微細な体内構造への意識を磨くことによって、外からの刺激に対して心乱されることがなくなっていくという。
幽体離脱(アストラル・プロジェクション)や明晰夢など
夢などに代表されるように、人間は肉体がなくても感覚を得ることができる。
夢の記憶を持ち帰るには、チャクラの活動が必要であるため、それを知らずに一生を終える人々も多いことであろう。
感覚体を分離して、様々な世界へ旅をさせることもできる。これの単純な例としては、旅行にいくイメージをしたりすることでその場所に感覚体を送ることができたり、過去の思い出に浸ったり未来の想像をすることで時間を超えて感覚体を送ることもできる。
そのとき、「今・ここ」に感覚体がいないため、エネルギーは感覚体のほうへ向かってしまっている。マインドフルネスでは、しっかり「今・ここ」に気づきを向けよと言われる。夢見心地でいては、「今・ここ」に使うためのエネルギーが、別のところに向いてしまうのである。
他者の感覚体(アストラル体)へのアクセス
さて、感覚体の輪郭が交差するとむずむず不快になるとしたら、感覚体をうまくコントロールすれば他者の感覚体にも影響を与えることもできるということになる。
感覚体の輪郭や濃さ・感覚の鋭さは人それぞれ異なるため、いくら念を送っても感じない人もいるであろう。
しかしそれは確かに存在し、肉体・物質とも影響を与え合っているはずであり、他者や社会や星などの感覚体にアクセスする方法はあるはずである。
そして感覚体同士でも、争いが起こったりする。自分と相手の感覚体をうまくコントロールするには、上の次元のメンタル体などの意識も必要になってくるであろう。
他の微細身との関係性
感覚体が変化する原因は、感覚体同士の関係によるものもあれば、肉体やエーテル体からの影響もあり、高次のメンタル体からの影響もある。
まずは、私達はいくつかの層・次元にわたって体を持っていて、それぞれが関係し合っているということを観察し把握しようとするのが良いであろう。
そして、もし肉体などに問題があるとしたら、どの次元に原因がありどのようにアクセスするのがいいのかを、しっかり気づきを磨いて知るようにしていく。
参考:セルフケア論
参考:セルフケアにも活用できる、ヒーリングや整体の「手技」の種類
参考:「微細な体」に関するとっかかり話 〜気の体(エーテル体)〜