斜角筋の特徴
斜角筋は、首の前側・側面に位置し、前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋・最小斜角筋の４本の筋群から成る。単一の筋肉ではないため「斜角筋群」とも呼ばれる。
主に首を前に曲げる動き（頚椎の屈曲）を行い、首が固定されている場合は肋骨を引き上げるため、胸式呼吸を最後まで深く吸い込むときに用いられる呼吸筋でもある。
表層の胸鎖乳突筋とともに、首コリ・肩コリの原因のひとつになる筋肉である。斜角筋群は深層にあるため直接触りにくいが、胸鎖乳突筋を介して圧をかけるなどしてマッサージすることは可能である。
固まりやすい筋肉ではあるが、肋骨の最上部まで用いるように深い呼吸をすることで、固まるのをふせぐことができる。
猫背などの不良姿勢によって負担がかかり続けるためトリガーポイントができやすい筋肉でもあり、首だけでなく肩周り・胸周り・脇の下など広範囲に遠隔的に関連痛をもたらすことがある。
斜角筋の主な働き
- 頚椎の屈曲
- 肋骨の挙上（胸式呼吸の吸気を補助する）
斜角筋の主な拮抗筋
頚椎の伸展
- 板状筋群
- 半棘筋群
- 脊柱起立筋
- 後頭下筋群
- 短背筋群
- 僧帽筋（上部）
肋骨の下制
- 内肋間筋
- 下後鋸筋
- 内腹斜筋
- 外腹斜筋
- 腹直筋
- 腰方形筋
斜角筋の主な協働筋
頚椎の屈曲
- 斜角筋群
- 胸鎖乳突筋
- 舌骨下筋群
- 椎前筋群
肋骨の挙上
- 外肋間筋
- 上後鋸筋
- 斜角筋群
- 小胸筋
- 大胸筋
斜角筋の起始・停止
起始
前斜角筋：第３～６頚堆の横突起
中斜角筋：全頚堆の横突起
後斜角筋：第４～７頚堆
最小斜角筋：第６頚椎の横突起
停止
前斜角筋：第１〜２肋骨
中斜角筋：第１肋骨
後斜角筋：第２肋骨
最小斜角筋：第１肋骨外側面
2024.9.7 
