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「アーサナ名=1つの決まった形がある」わけではありません
ヨガのレッスンを受けているとき、
「◯◯アーサナをやりましょう」
→知ってる・慣れてるポーズなのでドヤ顔で行う
→前に別の先生に言われたのと微妙に違う形に直される
→どっちが正しいの?
なんて経験はないでしょうか?
私の結論から言うと、アーサナ名など今ある知識にこだわらずに、
「インストラクターがその時伝えようとしているアーサナ」をまずは行ってみるのが良いと思います。
ヨガは元々、口伝で伝わってきたもの
昔は写真や動画もないですから、師から口伝で伝えられるか、とても簡単な文章で伝わってきたので、アーサナの形は伝えられるごとに解釈が少しずつ変わってきたのだと思います。
とくに、現代の体を動かすヨガ(ハタヨガ)の元になった教典「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」に書かれているアーサナの解説は、とっても曖昧です…。指導なしではとても実践できません。
現代世界で標準的に行われているアーサナは、ほとんどアイアンガーさんやサッチャナンダさんが古典の曖昧な情報から創造力を使って新たにまとめたやり方に基づいています。
≫ハタヨガの真髄
≫Asana Pranayama Mudra Bandha
≫ハタ・ヨーガ・プラディーピカー
それでも、これらの本が絶対的なマニュアルというわけではなく、日々刻々と世界で新しいアレンジが加えられています。
世界も変化して、人間の習慣や特徴も変化していますので、ヨガのやり方も無常であるのが自然だと思います。
ヨガインストラクターにはそれぞれの解釈がある
ヨガインストラクターは、自分の経験に基づいてアーサナを解釈し、それを伝えようとしています。
そんな勝手にアレンジしないで、マニュアル通りに教えてくれよ!と思う方も多いかもしれませんが、人の心身を一様にコントロールできるマニュアルなんてあったらこわいですね。
人それぞれ、その瞬間ごとに、最適なヨガのやり方は異なるものですし、インストラクターもそれぞれ最適だと思うヨガを伝えていると思います。
アーサナ名にとらわれない「正しいアーサナ」
私も日頃アーサナ解説にアップしているように、「アーサナを正しくやる」ためにはたくさんのポイントがあります。
その「正しい」の定義は、インストラクターそれぞれの意図によって異なるのだと思います。
そこには、「体をこう使ったほうがいい、ということに気づいてほしい」といったような明確な意図があります。
インストラクターがアーサナをアレンジすることも、そのポイントを細かく伝えようとすることも、あなたの健康を願ってのことだと思って一旦受け止めてみると良いと思います。
インストラクターの伝えようとしている「正しいアーサナ」になるべく近づいてみる
たとえば「股関節を外回しするアーサナの後には、股関節を内回しするアーサナを行って柔軟性を高めよう。でも骨盤が立ってないと股関節をちゃんと動かせないから、骨盤を立たせてお腹を引き入れて…」と、伝えたいポイントが多くなって、口うるさくなっていきますが…(^^;)
私が少人数やマンツーマンのレッスンを行う場合は、よりその人それぞれの心身の状態にあった形でアーサナをアレンジしますので、「その瞬間のあなたに合った、正しいアーサナ」をなるべく選んでアレンジするように努めています。
少しずつでも正しいアーサナに近づくにつれて、だんだん心身に良い変化が起こっていきます。
人は「それっぽく」もできてしまうものなので、なるべく「それっぽく」やらずに意図した効果を最大化するために、一つ一つのポイントにも重大なヒントがあると思って、1つずつでも実行してみてください。効果がまるで違ってくるはずです。
でも、「正しい」と判断するのは自分自身
インストラクターの「愛情ある提案」を一度受け止めたとして、本当にそれが自分のためになるかどうか、判断するのは自分自身です。
「正しいアーサナ」は快適で安定している、はずです。
もし気持ち良いと思えないようであれば、そのやり方を手放すのも自由ですし、一周他のやり方を試して回ってまた戻ってくるといったこともよくあることだと思います。
自分の感覚を、ありのままに観察しましょう。