ヨガの実践によって、垣間見える理想的な心身
それを絶え間なく、自然な状態にしていくために
自発的な気づき、意識の変化
ヨガを生活に溶け込ませ、分離していた理想と現実をつなぎ合わせ
そしてくびきとなったヨガというものが形を失い、理想的な心身と一体化する
ヨガをやって、人生が変わったという人もたくさんいますが、続かなくてやめてしまったという人もたくさんいることでしょう。
なにか運動や健康法を始めるとき、なにかを変えたいと思うから始めるのだと思います。
ヨガは効果を期待して行うべきではなく、今に集中せよ、などとよく言われますが、始めるきっかけとしては何か効果を期待していることがほとんどだと思います。ごく一部、直観で始めたとか、神の啓示を受けて始めた?という人もいるかもしれませんが。
ヨガを始める目的の例としては、
- 肉体の健康
- 心の落ち着き
- アーサナ(ヨガポーズ)ができるようになりたい
- やせたい
- 筋トレしたい
といったところが多いと思います。
ヨガを続けている人や、インストラクター資格をとるくらい熱心に行うようになった人たちには、それぞれの目的に対する効果が実感できているという人が多いと思います。
効果の出方は人それぞれです。
どんな運動や健康法でも、効果が出てくれたほうが続けるきっかけにもなるでしょう。
効果が出る人と、なかなか出ない人の違いは何か?
私がヨガを始めたときに期待した効果は、体をやわらかくしたい、体幹を強くしたい、肩とかのコリを改善したいといったフツーなものでしたが、「ヨガを続けるきっかけになった効果」は「なんか気持ち良い」というものだったと思います。
具体的にどこの筋肉が動くようになったとかそういうことでもなく、ヨガをした直後やその後の数日、なんとなく気持ち良いのです。ポーズ自体は最初はなかなかできなかったので、レッスン自体は苦行に近いものがありましたが、終わったあとの感覚がとても良い。理想的な心身の状態が、垣間見えた感じがしました。
ここで、私の志向は「この気持ち良い状態を、常に維持するにはどうしたらいいか」というところに及びます。
ヨガ以外にもいろいろなものからヒントを得ながら、仕事中の姿勢や癖などを改善するために、常に気づきを働かせて、心身の動きに気をつけるようにするようにし続けました。
常に気づきを働かせるということをできるだけ絶え間なくやるようにしていった結果、できなかったアーサナがいつの間にかできるようになり、当初のフツーな目的たちが自然と達成されていたという感じです。
仕事をしながら姿勢や癖にまで意識を向けるのは難しい!能率が下がる!と思う人が多いと思います。私も最初は難しかったですが、しっかり意識をしながら練習をつむことで結果として集中力も高まり、長時間作業をできるようになりますし、仕事の能率も健康度も確実に上がります。難しい!と反射的に思ってしまうこと自体が、思考の癖でもあるのです。
ヨガをきっかけにして仕事や生活を変えていった人たちは、「気持ち良い状態を、常に維持するにはどうしたらいいか」ということを考えたときに、今までどれだけ「気持ち良さを覆い隠してしまうこと」をしていたかに気づくのだと思います。
ヨガで効果を得るためには、こういった「気づき」があるかどうかがまず大切です。
ヨガのように心身に効く何かをしたときの「なんか気持ち良い」といった小さな変化に気づくこと。それをヒントに、そもそも気持ち良さを覆い隠してしまっていた日常の癖に気づくこと。
次に、ヨガのレッスンや日常生活の中で、変えられるところから変えていく判断力と行動力です。
ヨガを行ったあとの変化に気づき
→日常生活で変えるべきこと(心身の癖、それを生み出す原因)に気づき
→今、変えられることを判断し
→執着せず勇気をもって変えていく
人それぞれ、変えられる部分と、なかなか変えられない部分があると思います。
仕事を変える、日常の習慣を変える、どこまでできるかはその時々にもよるでしょう。
しかし、ありのままを観察してみれば、いままで絶対変えられないと思いこんでいた部分も、意外と変えられるかもしれません。
そして変わることができたとき、それが自然な状態になり、ヨガというものも役割を終えて要らなくなります。