瞑想の姿勢は、「背骨をまっすぐに立てる」というのが正しいと言われますが、瞑想のレッスンで「仰向けに寝て瞑想を行ってもいいのか?」と質問をいただいたので、それについて考察してみます。
仰向けに寝て瞑想しても良いのか?
なにを目指して瞑想するのかによる
瞑想の定義はいろいろあり、8支則のヨーガでは「集中(ダーラナー)を、努力なく絶え間なく連続した状態」などと定義されますが、目的別に大きく2つに分けるとすると、「心を鎮める」のか「心を活性化する」のかという2種類の瞑想に分けられます。
分けられるとはいえ、結局瞑想を極めていくとこの2つを同時に行うことになるとも考えられるし、「心」の分類にもよるのですが、そういった話は今回は置いておきまして。
心を鎮め、集中の練習をするためなら、仰向けもまた良し
心を鎮めるための瞑想であれば、シャヴァーサナ(屍のポーズ)はとても有効なアーサナであり瞑想法でもあるかと思います。
瞑想の定義が「集中の連続」であるならば、「屍になりきる」ということに集中できていれば、これも立派な瞑想です。
ヨガのレッスンおわったあと何しようかな、などと考えていたり、眠ってしまったりしたら、それはうまく瞑想できていないことになります。シャヴァーサナも、練習が必要ですし、練習する価値のあるアーサナです。
余計な心身の働きを鎮めて、5分間でもしっかりシャヴァーサナができていれば、「2時間睡眠したのと同じ効果がある」などと言われることもありますが、私はまた別次元の効果があるのではないかと思います。
そもそも集中が苦手な人、心があちこちへ飛び回ってしまう(モンキーマインドな)人にとっては、集中の練習をすることが心身を変えるための重要なヒントになります。集中の練習をすることで、余計なエネルギーを浪費せず、やるべきことに向けられるようになります。
仰向けで瞑想を行うことは、姿勢や背骨・股関節の柔軟性などに気を取られることなく集中の練習ができるので、まず集中の練習をしたいという場合や、心を鎮めて余計なエネルギーの浪費を抑えたいという場合には、とても有効な練習になります。
それでは、「心を活性化する」目的での瞑想の場合はどうでしょう。
おそらくその場合は、背骨が直立しているほうが良いのだと思います。
なぜ背骨を立てるのかについては、別の記事で考察したいと思います。