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ゲーランダサンヒター概説3.6-3.24 〜ムドラー解説1〜

ゲーランダサンヒター概説3.6-3.24 〜ムドラー解説1〜

偉大なムドラーたちも、微妙にやり方が変化している

ハタヨーガの重要な教典の中でもたくさんの技法が載っている、ゲーランダサンヒターを読んでいきます。

ゲーランダサンヒターの概要 〜ハタヨーガの百科事典〜

今回は、ムドラーの章の中でマハー・ムドラー、ナボー・ムドラー、ウッディーヤーナ・バンダ、ジャーランダラ・バンダ、ムーラ・バンダ、マハー・バンダ、マハー・ヴェーダのやり方が書かれている部分を紹介します。

下記引用部分は、特に記載のない限り「ヨーガ根本教典 (続) /佐保田鶴治」を出典とします。

この記事の目次

「マハー」がつく3つのムドラー

ハタヨーガプラディーピカーでは「マハー(偉大な)」がつく3種のムドラーは、ムドラーの章の最初に示されており、いずれも数節を費やして詳しく解説されていて、重要なものであるという意図が感じられます。

ゲーランダサンヒターでは、マハームドラーが最初に示されており、重要そうではありますが、記述の量はかなり少なくなっています。マハーバンダ、マハーヴェーダは全体の6番目・7番目に示されており、これらも説明はハタヨーガプラディーピカーに比べて少なくなっています。

そしてやり方を見てみると、微妙に異なっているものや、全く異なっているものもあるようです。比較してみましょう。

マハー・ムドラー

ハタヨーガプラディーピカー

3.10 左足のカガトでもって会陰部(肛門)を圧迫し、右足を前にのばして、その足を両手でしっかりとにぎる。

3.11 そして、ノドのところでバンダをなし(ジャーランダラ・バンダ)、気を上に引き上げる(ムーラ・バンダ)。そうすると、あたかもむちでもって打たれた蛇が(とぐろを解いて)棒状になって立ちあがるように。

出典:ヨーガ根本教典 /佐保田鶴治

ゲーランダサンヒター

3.6 左のカカトへ肛門をしっかりと押しつけ、右の脚を前に伸ばしておいて、手で足の親指をつかむ。

3.7 ノドを引きつめて(イキをつめ)、眉間を凝視すべし。これが賢者たちによってマハー・ムドラーとよばれているものである。

姿勢に関してはほぼ同じようですが、ゲーランダサンヒターでは眉間を凝視するというシャーンバヴィームドラーのような要素が追加されています。

また、ハタヨーガプラディーピカーではたびたび「気を引き上げる」ということが述べられています。ハタヨーガにおいては、肉体的な動きも助けにはなりますが、重要なのは気の取扱いであるということがよく強調されています。

マハー・バンダ

ハタヨーガプラディーピカー

3.19 左足のカガトを会陰部(肛門)にあてがう。右足を左股の上におく。

3.20 それから、イキを吸いこんだ後、アゴを心臓にしっかりとおしつけ、イキをひきしめ(ムーラ・バンダ)、ココロを中央のスシュムナー気道(或は眉間)に集中する。

3.21 できるだけ長くイキをとめてから、ゆっくりと吐く。左半身について行なった後、右半身についてなす。

出典:ヨーガ根本教典 /佐保田鶴治

ゲーランダサンヒター

3.18 左足のカカトでもって肛門をふさぎ、そのカカトを右足でもって注意深く圧迫し、

3.19 きわめてゆっくりとカカトを動かして、ゆっくりと会陰部を収縮すべし。そしてプラーナ(気)をノドに止めておく(クンバカ)。これがマハー・バンダとよばれるものである。

現代ヨガのマハーバンダは、下記の3つのバンダ(ムーラ・ウッディーヤーナ・ジャーランダラ)を同時に行うというのが一般的ですが、ハタヨーガの教典ではムーラバンダとジャーランダラバンダだけを行う形がよく見られます。

ウッディーヤーナを行うときは、通常息を吐ききってから止めて行いますが、ハタヨーガプラディーピカーでは吸いこんで止めると示されているので、やはりウッディーヤーナは行っていなさそうです。

ハタヨーガプラディーピカーとゲーランダサンヒターでは、姿勢はほとんど同じように見えますが、上に重ねる右足の位置が微妙に異なるようです。またゲーランダサンヒターでは会陰部にあてた左足のカカトをゆっくり動かして刺激するというやり方が追加されています。

マハー・ヴェーダ

ハタヨーガプラディーピカー

3.26 マハー・バンダ・ムドラーと同じ坐位をとり、精神を統一してイキを吸い、ノドのムドラー(ジャーランダラ・バンダ)をもって、諸気(五気)の上下する運行をとどめて不動にする。

3.27 両手をそろえて床につけ、カガトを会陰部につけた左足もろともシリを床から少しばかりもち上げ、そしてゆっくりと床に打ちつける。そうすると気は二つの気道(イダーとピンガラ)を去って、中央の通路(スシュムナー)へ勢いよく流れこむ。

出典:ヨーガ根本教典 /佐保田鶴治

ゲーランダサンヒター

3.22 まずマハー・バンダの体位を組んで、ウッダーナ・クンバカをなすべし。このムドラーはマハー・ヴェーダとよばれ、ヨーギーたちにシッディをもたらす。

ウッダーナ・クンバカとは、ウッディーヤーナ・バンダをしながら息を止めることであると佐保田氏は解説しています。

マハー・ヴェーダのやり方は両教典でかなり異なっているようです。サッチャナンダ氏の本にはハタヨーガプラディーピカーを元にしたやり方が書かれています。ゲーランダサンヒターのやり方は、3つのバンダを同時に行う現代ヨガのマハー・バンダに近いように思えます。

ナボー・ムドラー

3.9 ヨーギーはどんな仕事に従事していても、至るところで、いつも、舌をしっかりと巻きあげて(舌の先を軟口蓋につけて)、イキをつめておるべし。このナボー・ムドラーはヨーギーたちの病患を消す。

あまり見ない名前ですが、2つめに出てくるということはそれなりに重要なムドラーという位置づけなのかもしれません。

やり方をみると、ケーチャリームドラーの簡易版あるいは練習となりそうな形のムドラーです。

実際これは姿勢を整えるときにも有効なので、私もたまにレッスンでお教えしています。

また経絡の観点から考えて、口は任脈と督脈のつなぎ目であり、舌と軟口蓋をつなぐことによってこれらの経絡のバランスをとるという効果があるとも言われています。

3つのバンダ

現代ヨガでも行われている以下の3つのバンダ(バンダ・トラヤ)。

  • ウッディーヤーナ・バンダ
  • ジャーランダラ・バンダ
  • ムーラ・バンダ

ハタヨーガプラディーピカーの説明と比較すると、ほとんど同じように書かれていますが、ムーラバンダは若干異なります。

また順番がハタヨーガプラディーピカーではウッディーヤーナ→ムーラ→ジャーランダラになっています。

ムーラバンダの説明を比較してみると、

ハタヨーガプラディーピカー

3.61 カガトで会陰部を圧してコーモンを収縮し、アパーナの気を上方へ引き上げるならば、それはムーラ・バンダとよばれるムドラーである。

出典:ヨーガ根本教典 /佐保田鶴治

ゲーランダサンヒター

3.14 左足のカカトで会陰を圧し、それから、充分に注意深く、ヘソのあたりの腸を背骨へ押しつける。

3.15 そして右足のカカトの上へ性器をしっかりおしつける。これが老衰を無くするムドラーで、ムーラ・バンダとよばれている。

現代ヨガのムーラバンダは肛門もしくは骨盤底を引き締めるという技法が基本になっていますが、ゲーランダサンヒターのやり方は、シッダーサナで坐ってお腹を引っ込めているような形のようです。

向井田氏の訳には肛門を引き締めるという文言が入っていますが、原文を読むとそのような語は入っていないように見えます。

ハタヨーガプラディーピカーとゲーランダサンヒターでは微妙にやり方が異なっているのか、それとも引き締めに関しては師匠が直接教えるべきことなので書かれなくなったのか、いろいろな可能性が考えられます。実際、ムーラバンダで引き締めるべき部位は男女によっても異なりますし(当時は女性は行っていなかったでしょうけれども)、意識の向け方に関する言葉は、人それぞれ最適な表現は異なると思いますので、文章にしないほうが危険は少ないかもしれません。

(次)ゲーランダサンヒター概説3.25-3.48 〜ムドラー解説2〜

(前)ゲーランダサンヒター概説3.1-3.5 〜21(25)種のムドラー〜

参考文献

  

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