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股関節を動かすためのヒント

股関節を動かすためのヒント

わかりにくい股関節を、しっかり把握する

この記事の目次

股関節が動かしにくい原因

股関節の使い方については、ヨガをしているとほぼ必ず話題になるところです。

股関節がうまく使えない理由として、まず股関節がどこにあって、どのようについているのか、どのように動いているのかが、分かりにくいという場合が多いようです。

これらがわからないと、骨盤と脚をうまく分離して認識できず、骨盤と脚の間をつないでいる股関節をうまく動かすことが難しくなります。

股関節を正しく把握できていない場合に起こること

股関節の位置や動きを誤解して、うまく骨盤と脚を分離できないでいると、思ったように動かせず、かわりにその周りの骨を動かしてしまう「代償動作」をしてしまいます。

代償動作を繰り返すと、変な癖がついたり、腰(腰椎や仙腸関節)を痛めたり膝や足首を痛めたりしてしまうことがあります。

股関節の位置を誤解している例として、実際よりも外側にあると思い込んでいる場合が多いように思えます。おしりの外側に飛び出ている「大転子」を、股関節だと思っている人もいるかもしれません。

骨や筋肉にはそれぞれ作られた理由があるわけですから、まずはその本来の位置と役割を理解してあげて、徹底的に分離して認識してあげることが有効です。

徹底して分離した後に、徹底して連携させるということです。

股関節の位置・動きを知るヒント

まずは股関節の正しい位置を把握して、正しい動きを知って、そして自分の今の股関節の動き方をしっかり観察すると良いでしょう。

ただ、股関節周りの知識を言葉だけで取り入れようとすると、全く別のことや真逆のことをしてしまうこともあるようです。

知識だけではピンとこなかった場合は、自分の骨をしっかり触ってみるのが良いかと思います。股関節は多くの筋肉に覆われているので触ることが難しいですが、恥骨からたどっていくことで近いところまで触ることができます。

恥骨の真ん中から、少し外・上のほうへたどっていくと、股関節があります。股関節を外回し内回ししたりしながら触ってみましょう。大転子が股関節だと思い込んでいた人にとっては、意外と内側にあるということがわかるかと思います。

(ただ恥骨の位置も、実際よりも上のほうだと誤解していることもあります。恥骨は性器に近いキワドイ位置にはありますが触りやすいので、正確に把握するようにしましょう。)

股関節がわりと内側にあるということがわかれば、片足で体を支えることがとても楽になるかもしれません。

ウッティタハスタパーダングシュターサナのようなポーズは、股関節の正しい認識があれば、格段に深めやすくなるでしょう。

股関節を動かすには、骨盤と脚を安定させる

たとえば両手を使って棒をつかんで折り曲げたい場合、両端をしっかり持っていなければ、うまく折り曲げることはできません。

それと同じように、股関節をうまく動かすためには、骨盤と脚を安定させることがヒントになるかと思います。両側がふわふわしていると、動かしたい部分と土台が一緒に動いてしまって、正しく曲げられません。

骨盤を安定させるためには、骨盤底筋をしめるムーラバンダと、下腹部をしめるウディヤナバンダが用いられます。

参考:バンダとは|ヨガポーズをキープするコツ・呼吸法の効果の高め方

脚を安定させるためには、足裏の重心を整えるために足指を一度持ち上げて足裏のアーチを作ったり、内転筋を意識したり、あるいは股関節を引き込む(ソケットにはめる)といったことをします。

参考:内転筋

たとえば立っているポーズだけでなく、蓮華座のようなポーズでも、どんな形のポーズでも、股関節を動かしたいのであれば骨盤と脚が安定しているほうが効率よく安全に動かせます。

スクエアポーズなどは良い例です。足はしっかり立っているような形にして安定させ、膝を外に倒したいので外ばかり意識しがちですが、内転筋も意識することで、内外で支え合いながら深めていくことができます。外に倒したいからといって、中心から外れていくのではなく、股関節を引き込むようにして、しっかり回旋させるようにします。

上記のウッティタハスタパーダングシュターサナの「挙げている側の脚」も、足裏(浮いていますが)の重心は親指・小指側に偏ったりせずバランスがとれていて(足首は必ずしもしっかり曲げる必要はなく、足裏のバランスを確認)、脚を開いて外旋・外転してはいますが内転筋の意識は忘れないようにすると安定します。

人間が股関節を把握しにくい理由

股関節を把握しにくい大きな理由としては、「動く」だけでなく「体を支える」必要もあるためです。

人間は脚が2本しかないので、常にどちらかの脚が「体を支える」必要があります。

体を支えるという目的においては、骨盤と脚を一体化させて、股関節周りを固めてしまったほうが都合が良いでしょう。

しかし固めるだけではもちろん、歩くことはできません。歩き出すには、片方の脚に支えてもらいながら、片方の脚を持ち上げる必要があります。

片方の足にだけ重さをかけて立つ癖のある人は、そちら側の股関節はより固くなりやすいでしょう。

歩くときの股関節の役割

歩くときは、一歩ずつ、支えている脚と浮いている脚を切り替えながら移動していることになります。

本来それは意識せずとも行えるはずですが、怪我や運動不足や思い込み・癖などによって、その自然な歩き方を忘れてしまう人も多いかもしれません。

たとえば先ほどの例のように大転子の位置に股関節があると「思い込んで」いるとしたら、その左右の切り替えも、片足で体を支えることも、とても難しくなります。

そうすると片方の足が思ったよりも上がらなくなり、つまずくことも増えるでしょう。

人それぞれ癖も異なるので対策は様々ですが、正しくスムーズに歩いたり、ヨガポーズを正しく深めていったりするには、重心を正しく把握してコントロールすることも重要なヒントになるかと思います。

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

高橋陽介

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