オンラインレッスンでお話しする機会があり、その補足にもなるかと思いましたので、改めて「非暴力(アヒンサー)」と「誠実(サティヤ)」について簡単に書いておきます。
現代ヨガでも用いられるヨーガの「8支則」と呼ばれるものは、以下のようになっています。
1.ヤマ 社会的規範 または 禁戒
2.ニヤマ 個人的規範 または 勧戒
3.アーサナ 姿勢・坐法・ヨガポーズ
4.プラーナーヤーマ 調気・呼吸法
5.プラティヤハーラ 感覚制御
6.ダーラナ 集中
7.ディヤーナ 瞑想
8.サマーディ 三昧
ポーズよりも、呼吸法よりも、瞑想よりも前に、まずは道徳的規範が示されています。
ヤマとニヤマにはそれぞれ5項目ずつあります。
ヤマ
- アヒンサー 非暴力
- サティヤ 正直・誠実
- アステーヤ 不盗
- ブラフマチャリヤ 梵行
- アパリグラハ 不貪
ニヤマ
- シャウチャ 清浄
- サントーシャ 知足
- タパス 熱意・精錬
- スヴァディヤーヤ(スヴァディアーヤ) 読誦・自己研鑽
- イーシュヴァラ・プラニダーナ 祈念・献身
道徳的規範の中でも一番最初に示されているのが、「非暴力(アヒンサー)」と「誠実(サティヤ)」です。
非暴力、自分にも、周りにも、苦痛をうまないようにすること。
嫌なことも全部受け入れろというわけではありません。
敵意を向けないような表現で、誠実に、嫌なことは嫌だと、もっと良い方向性はないのかと、広い視野で全体を良くするために、伝えられると良いでしょう。
今、世の中を観察すると、「暴力的」「不誠実」な情報発信がよく見受けられます。
私もいろいろなことを研究し、目に見えないことも扱っているので、時にはあやしいものに触れそうになることはありますが、あやしいものとそうでないものを見定める「気づき」を磨くために、アヒンサーとサティヤは重要なヒントになるかと思います。
あやしい人々は、人に苦痛を与えたり、何かを搾取したり、敵意を誰かに向けていたり、なにかを不自然に隠したり、問いかけに対して不誠実な態度をとったり、アヒンサーとサティヤに反するような気配をたくさん振りまいています。
しかし自分自身もアヒンサーとサティヤを実践していれば、あやしい人々はあまり寄ってきません。類は友を呼ぶ。
誰かに敵意を向ければ、敵意は返ってきます。不誠実な行いをすれば、不誠実な行いが返ってきます。
そういう人々も、いつか気づいてくれると良いのですけれどもね。
周りを変えるよりも自分が変わるほうが簡単、それでもなかなか難しいことかもしれません。
理論を理解するだけでなく、実践できてこそ意味があります。
正しい実践には、いつも言っていますが、絶え間ない気づきが必要です。