セルフケアやヨーガの勉強などのために、私が読んできた書籍を紹介していきます。
今回は、「人体らせん原理とハタヨーガの融合 メディカルヨーガ/クリスチャン・ラルセン他(著)」です。
「メディカルヨガ―ヨガの処方箋」ティモシー マッコール (著)
この記事の目次
簡単に言うと、どんな本?
いろいろな姿勢や動作における、安定性と可動性を高めるためのコツを解剖学的にしっかり解説してくれる本です。
とくに人体の中にある「らせん」を中心とした動きの意識を用いることを主題としていて、モデルの女性の身体の上に様々な矢印が描かれ、ヨガのアーサナを行う上でどのような意識を持って行えば良いか、たくさんのヒントがつめこまれています。
メディカルというタイトルがついていますが、医療や病気に関する本ではありません。病気を治したりリハビリをしたりする目的であれば、同じようなタイトルの「メディカルヨガ―ヨガの処方箋」や、以前紹介した「ヨーガ・セラピー」などが役立ちます。
参考:ヨーガ・セラピー/スワミ・クヴァラヤーナンダ(著) S.L.ヴィネーカル(著)|書籍紹介
どんな人にオススメ?
解剖学の用語はある程度知っていないと読むのが難しいので、中級者以上向けかもしれません。
新たな身体意識を身につけるための具体的なワークも数多く載っていて、ある程度アーサナを練習してきて壁に当たった人や、教え方のバリエーションを増やしたいインストラクターの人にも役立つと思います。
様々な動きに関するヒントが書かれていますが、特に安定性を高めるという点で「らせん」の考え方がとても有効であり、立ち姿勢をキレイに安定させたい人や、立位・アームバランスのアーサナを安定させたい人には重要なヒントになるかと思います。
私個人の読んだ時期・感想
私がこの本を読んだきっかけは、ダウンドッグやアームバランスのアーサナを練習しているときに、安定性を高めるためには「らせん」の動きが重要なのではないか、と気づいたことです。
らせんの動きを行っているのは、腕の場合は前腕と上腕、脚の場合は脛と腿です。前腕が内へ回りながら手の方向へ伸びる、上腕は外へ回りながら肩の方向へ引き入れられる、といった流れのらせんです。そんなことをしたら、ねじ切れてしまうのでは?と思ってしまうかもしれませんが、その逆方向の力が拮抗することで、安定性が生まれるわけです。
身体のどんな部位でも、どんな動きでも、縮んでいる部分と伸びている部分があり、逆方向の力が拮抗することで安定します。そういう考え方が、蝶番的な形だけではなく、らせんの形でも様々な場所で起こっているということです。
私はダウンドッグを練習しているとき、つま先と膝の方向がどうも定まらなかったので、なんとか直そうといろいろ試みていました。膝を正面に向けると、つま先がやけに外へ向いてしまう。つま先を正面に向けると、膝は内へ入ってしまう。
そして、なんとかしてそれらの動きを組み合わせて釣り合わせると、見た目が整うだけでなく脚の安定性がかなり増したような感覚がありました。つま先(脛から下)は内へ&地面方向へ踏みしめる、膝(腿の骨)は外へ&骨盤方向へ引き込む、という動きです。元々足首や股関節に癖があったので、とても難しい動きでしたが、意識をしっかり向けて行うことで実現することはできました。
それでは、人間は四足動物だったのであれば、腕も同じようにすれば安定するのでは?という仮説が浮かび、当時あまりアームバランスも得意ではなかったのですが、前腕は内へ&地面方向へ押す、上腕は外へ&肩関節方向へ引き込む、というらせんを使うことで、チャトランガやカカーサナもとても安定するようになりました。
この原理に気づいた上で、これについて解説している解剖学の本はないだろうかと探してみたところ、あまり見つからなかったのですが、この本がちょうど数日後に出版されるというタイミングでした。出版前なのでレビューもなく、そこそこ高い本だったのでちょっと冒険でしたが、らせん以外にも様々な身体の使い方のヒントが見つかり、買って正解でした。
出てくる用語は難しいので誰にでもオススメできる本ではないかもしれませんが、ある程度練習をして課題にぶち当たっている人にとっては、良いヒントが得られるかもしれません。
「人体らせん原理とハタヨーガの融合 メディカルヨーガ」の目次
- 1 直立位:直立と根
- 2 立位:骨盤ー股関節ー脚のつながり
- 3 脊柱の回転:動態の本質
- 4 支持位:負荷に強い肩
- 5 前屈:伸展張力を解く
- 6 後屈:重力とのゲーム
「人体らせん原理とハタヨーガの融合 メディカルヨーガ」の購入先
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「メディカルヨガ―ヨガの処方箋」ティモシー マッコール (著)