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アーサナを行いながら、もぞもぞしてみる

アーサナを行いながら、もぞもぞしてみる

もぞもぞできるだけの余裕をつくって、形を整える

この記事の目次

もぞもぞできる余裕が柔軟性と安定性を生む

アーサナ(ヨガポーズ)を行うとき、なんとか形をつくろうとしてガチガチに固めてしまう人も多いかと思います。

アーサナは形を固定するものではなく、常に変化していくものです。

今の瞬間の柔軟性や強さに合った形で行いますが、そこに安住するだけではなく、呼吸とともに少しずつ深めていきます。

そのため、私の解説記事には「深める方向性」を載せています。

深めていくということを考えるとき、ガチガチに固まってしまっていては、それはもう「余裕がない」ということになります。

なので、アーサナを行っている最中に、体中の関節をゆっくりもぞもぞ揺らしてみるということを試してみるのも良いと思います。姿勢が崩れない程度に、体中の骨の間に余裕・スペースを作るイメージでもぞもぞします

そうすると、姿勢を維持するのに必要な最小限の力を残して、余計な力をぬいていくこともできます

もぞもぞしていると安定しないようにも思えますが、力の偏りがなくなって正しい形ができれば、それは結局安定性につながることになります。

もぞもぞパターン

大きくもぞもぞするやり方と、細かくもぞもぞするやり方を使い分けると良いでしょう。

大きくもぞもぞしてから、だんだん細かくしていって、最終的には一番深まって一番余計な力が抜けた状態に止まっていくように考えます。もちろんそのあとも、やはり完全に静止するわけではなく、呼吸とともに少しずつ深めていき、必要であればまたもぞもぞしてみるのもありです。

アームバランスのように安定性が必要な状態では、大きくもぞもぞするのは難しいので、ほとんど見えないぐらいに細かくもぞもぞするようなイメージで行うのが良いでしょう。偏っていたバランスを整え、余計な力をぬいたり、アラインメント(骨・筋肉の配置)を整えたりするために、「ふるいにかけるように細かい振動を加える」といった感覚です。

前屈しながらもぞもぞする

たとえばパスチモッターナーサナ

前屈で最も重要な動きは「骨盤の前傾」ですが、そこにはたーくさんの筋肉が関わっています。

とくに重要なもぞもぞポイントとしては、股関節・膝・足首・腰回りの背骨あたりです。このあたりにかかっているストレスを散らすように、大きく全体的にもぞもぞしてみましょう。意識が通っていない部分やカタい部分が結局もぞもぞできていないことも多いので、「全体的に」もぞもぞするのが大切です。

後屈しながらもぞもぞする

たとえばセツバンダサルヴァンガーサナ

後屈で最も重要な動きは「背骨全体を反る」ことです。

背骨一個一個の間にスキマをつくり、偏っていた負担を全体に共有するように、細かくもぞもぞしてみると良いでしょう。

また、脚の支えも重要です。膝が開いていってしまうことも多いので、骨盤周り・膝・足首も細かくもぞもぞして負担を分散し、アラインメントを整えるようにしましょう。

ツイストしながらもぞもぞする

たとえばアルダマツェンドラーサナ

ツイストで最も重要な動きは、「背骨全体をねじる」ことです。

単純そうな動きですが、「胸」の部分だけねじっている人が多く、「首」「お腹」の部分がねじれていない人がとても多いです。「背骨全体」をねじるためには、まず背骨がなるべくまっすぐ正しい形になっていることが必要です。

細かく背骨全体をもぞもぞして、まず姿勢良く垂直に体幹を立てて座りましょう。そして胸だけにかかっていた力を背骨全体に分散させて、首もしっかり横を向けて、お腹の部分もゆるめながらしっかりねじれるようにしましょう。

またこのアーサナでは股関節の重要性も必要なので、股関節は大きくもぞもぞして、骨盤を正しい向きに整えるようにしましょう。

アームバランスしながらもぞもぞする

たとえばカカーサナ

アームバランスポーズでは、大きくもぞもぞしたら危ないので、細かいもぞもぞを使います。

負担を分散させたり、主に肩・肘まわりのアラインメントを整えたりするために有効です。

また、手・指の形にもかなり癖が出ることが多いので、手をもぞもぞ(床をもみもみするような感じ)してみるのも良いでしょう。手首の周りにはたーくさんの骨があります。これらのスキマを拡げて、手首だけにかかっていた負担を手のひらと指全体に分散させるようにしましょう。

逆転しながらもぞもぞする

たとえばシルシャーサナ

逆転ポーズも、細かいもぞもぞを使うと良いでしょう。

まずは土台の安定性が必要ですが、ここにとても変な負担をかけてしまっている場合が多いです。土台にも余裕と正しい配置が必要なので、肩・腕・にぎっている手などを細かくもぞもぞして、負担を全体に共有するようにします。

土台が安定したら、全身の余計な力も抜くために、細かくもぞもぞして形を整えるようにしていきましょう。

蓮華座しながらもぞもぞする

蓮華座を組むとき、勢いを使ってしまったり、足首をぐいっと曲げてしまったり、どこかを歪ませてまま強引に組もうとしてしまうと、結果的に膝を痛めてしまうことが多いです。脚全体を細かくもぞもぞできるぐらいに、なるべくリラックスして行うようにします。

足指・足首・膝・股関節・腰回りなどだけでなく、首や肩周りも関係しているので、体中に力みがないように、全身を大きくもぞもぞしてから行ってみるのも良いでしょう。

蓮華座(結跏趺坐・パドマーサナ)のやり方

ヴィンヤサの美しさと怪我予防にもつながる

アーサナは最終的な形を行っている最中だけでなく、「入るとき」と「出るとき」の動きも美しく軽やかにしたいものです。そのほうが、怪我もしにくく効果も高まります。

しかし、ガチガチに固めようとしてしまうと、「よっこいしょ!」という感じでアーサナに出入りすることになってしまい、その瞬間はあまり美しくない上に、怪我をする可能性も高まります。

こういった怪我も防ぐためにも、なるべくアーサナはガチガチに固めないようにし、もぞもぞできるぐらいの余裕があると良いでしょう。

ヴィンヤサの代表例である太陽礼拝にも、もちろん応用できます。キレイで安定した太陽礼拝をつくるために、「よっこいしょ!」をなるべく減らして、なめらかに軽やかに動けるようにしていきましょう。

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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