ヨーガスートラを私なりに読み進めていくシリーズ。
英訳出典:http://yogasutrastudy.info/
サンスクリット語辞書:http://spokensanskrit.org/
訳者の略称は下記の通りです。
[SS]: Swami Satchidananda
[SV]: Swami Vivekananda
Sutra 1.21 強い熱意を持って
तीव्रसंवेगानामासन्नः॥२१॥
tīvra-saṁvegānām-āsannaḥ ॥21॥
(読み)ティーヴラ サンヴェーガーナーマーサンナハ
(訳)強い熱意のある実践者には、サマーディは非常に早く訪れる。
[SS]: To the keen and intent practitioner this [Samadhi] comes very quickly.
[SS訳]: 強い熱意のある実践者には、これ(サマーディ)は非常に早く訪れる。
[SV]: Success is speeded for the extremely energetic.
[SV訳]: 成就は至上の熱意によって速やかに訪れる。
Sutra 1.22 成就に必要な時間
मृदुमध्याधिमात्रत्वात् ततोऽपि विशेषः॥२२॥
mr̥du-madhya-adhimātratvāt-tato’pi viśeṣaḥ ॥22॥
(読み)ムルドゥ マディヤーディマートラトヴァーッタトーピヴィシェーシャハ
(訳)成就に必要な時間は、実践が穏やかであるか・中位であるか・最上であるかによって大いに異なる。
[SS]: The time necessary for success further depends on whether the practice is mild medium or intense.
[SS訳]: 成就に必要な時間は、実践が穏やかであるか・中位であるか・熱心であるかによって大いに異なる。
[SV]: They again differ according as the means are mild, medium or supreme.
[SV訳]: それらはまた、方法が穏やかであるか・中位であるか・最上であるかによって異なる。
解説・考察
これまでの節でも実践は「絶え間なく」「熱心に」と繰り返されてきましたが、1.21節でもtīvra・saṁvegāとニュアンスの少し異なる「熱心な」「集中して」といった単語を並べて強調しています。
「どれくらいやったら、ポーズをできるようになりますか」と私も聞かれることもありますが、それはもちろん熱心さによって大きく異なるということですね。
1.22節では、どのくらい熱心であるかを3段階に分けています。
その最上級のadhimātraの訳の中に「above measure(計り知れない)」「exsessive(過大な・極端な)」という意味がありました。
過大というのはちょっと違和感がありますが、それだけ想像以上に熱心に行なうことで、速やかに成就(サマーディ)が訪れるということを示したかったのかもしれません。
≫ヨーガスートラ解説 1.23-1.26
≪ヨーガスートラ解説 1.19-1.20