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ヨーガスートラ解説 3.30-3.35 〜ちょっとだけ、体の話〜

ヨーガスートラ解説 3.30-3.35 〜ちょっとだけ、体の話〜

部分を知り全体を知る、しかしそれよりも重要なことがある

ヨーガスートラを私なりに読み進めていくシリーズ。

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英訳出典:http://yogasutrastudy.info/
サンスクリット語辞書:http://spokensanskrit.org/

訳者の略称は下記の通りです。
[SS]: Swami Satchidananda
[SV]: Swami Vivekananda

Sutra 3.30(3.29)

नाभिचक्रे कायव्यूहज्ञानम्॥२९॥
nābhicakre kāyavyūha-jñānam ॥29॥

(読み)ナービチャクレー カーヤーヴユーハ ンニャーナン

(訳)臍のチャクラにサンヤマを行うことによって、体の構造に関する知が得られる。

[SS]: By samyama on the navel plexus, knowledge of the body’s constitution is obtained.

[SS訳]: 臍のチャクラ(神経叢)にサンヤマを行うことによって、体の構造に関する知が得られる。

[SV]: On the navel circle (comes) the knowledge of the constitution of the body.

[SV訳]: 臍の円にサンヤマを行うことによって、体の構造に関する知が得られる。

Sutra 3.31(3.30)

कण्ठकूपे क्षुत्पिपासानिवृत्तिः॥३०॥
kanṭha-kūpe kṣutpipāsā nivr̥ttiḥ ॥30॥

(読み)カンタクーペー クシュトピパーサー ニヴルッティヒ

(訳)喉のくぼみにサンヤマを行うことによって、空腹と喉の渇きを止めることができる。

[SS]: By samyama on the pit of the throat, cessation of hunger and thirst is achieved.

[SS訳]: 喉のくぼみにサンヤマを行うことによって、空腹と喉の渇きを止めることができる。

[SV]: On the hollow of the throat (comes) cessation of hunger.

[SV訳]: 喉のくぼみにサンヤマを行うことによって、空腹を止めることができる。

Sutra 3.32(3.31)

कूर्मनाड्यां स्थैर्यम्॥३१॥
kūrma-nāḍyāṁ sthairyam ॥31॥

(読み)クールマナーディヤーン スタイリャン

(訳)クールマナーディ(鎖骨間の奥にある、微小な亀の形をした管)にサンヤマを行うことによって、瞑想姿勢における不動が得られる。

[SS]: By samyama on the kurma nadi (a subtle tortoise-shaped tube located below the throat), motionless in the meditative posture is achieved.

[SS訳]: クールマナーディ(喉の下にある、微小な亀の形をした管)にサンヤマを行うことによって、瞑想姿勢における不動が得られる。

[SV]: On the nerve called Kurma (comes) fixity of the body.

[SV訳]: クールマ(亀)と呼ばれる神経にサンヤマを行うことによって、体の不動な安定が得られる。

Sutra 3.33(3.32)

मूर्धज्योतिषि सिद्धदर्शनम्॥३२॥
mūrdha-jyotiṣi siddha-darśanam ॥32॥

(読み)ムールダジョーティシ シッダダルシャナン

(訳)頭頂の光(サハスラーラチャクラ)にサンヤマを行うことによって、達人(シッダ)たちの姿が見える。

[SS]: By samyama on the light at the crown of the head (sahasrara chakra), visions of masters and adepts are obtained.

[SS訳]: 頭頂の光(サハスラーラチャクラ)にサンヤマを行うことによって、達人たちの姿が見える。

[SV]: On the light emanating from the top of the head sight of the Siddhas.

[SV訳]: 頭頂から発せられる光にサンヤマを行うことによって、シッダ(達人)たちの姿が見える。

Sutra 3.34(3.33)

प्रातिभाद्वा सर्वम्॥३३॥
prātibhād-vā sarvam ॥33॥

(読み)プラーティバードヴァー サルヴァン

(訳)または、プラティバー(純粋な生活を通して自然に起こる悟り)によって(サンヤマを行うことなく)全てを知ることができる。

[SS]: Or, in the knowledge that dawns spontaneous enlightenment [through a life of purity], all the powers comes by themselves.

[SS訳]: または、(純粋な生活を通して)自然に悟られる知の中で、全ての力は自ずから訪れる。

[SV]: Or by the power of Pratibha all knowledge.

[SV訳]: または、プラティバー(純粋性から起こる悟り)によって(いろいろな対象にサンヤマを行うことなく)全てを知ることができる。

Sutra 3.35(3.34)

हृदये चित्तसंवित्॥३४॥
hrḍaye citta-saṁvit ॥34॥

(読み)フルダイェ チッタサンヴィト

(訳)心臓にサンヤマを行うことによって、心の働きに関する知が得られる。

[SS]: By samyama on the heart, the knowledge of the mind-stuff is obtained.

[SS訳]: 心臓にサンヤマを行うことによって、心の働きに関する知が得られる。

[SV]: In the heart, knowledge of minds.

[SV訳]: 心臓にサンヤマを行うことによって、心に関する知が得られる。

解説・考察

この一連のスートラでは、体の各部分にサンヤマを行うことによって得られる知について述べられています。心を主に扱うヨーガスートラの中では珍しく、後世のハタ・ヨーガにもつながるような体の話がちょっとだけ語られます。

ここで初めて「チャクラ」や「ナーディ」という言葉も出てきます。

チャクラは「円盤」「車輪」といった意味ですが、ハタ・ヨーガなどにおいては体内の重要なエネルギーセンターとして扱われるいくつかのポイントを意味しています。円形を表現するチャクラーサナというポーズもあります。

≫シヴァナンダヨガにおけるチャクラーサナ

≫アシュタンガヨガにおけるチャクラーサナ

ナーディは神経と解釈されることもありますが、東洋医学の経絡・経穴に近い考え方の「エネルギーライン」「エネルギーポイント」のように扱われることが多いです。

3.30節ではnābhi(臍)のチャクラという言葉が出てきます。

臍のチャクラというと、現代ではマニプーラチャクラ(重要とされる7つのチャクラのひとつ)を指すように思えますが、臍の少し上あたりには太陽神経叢という神経がまとまった場所があり(ここをスーリヤチャクラと呼ぶこともある)、3.27節で「太陽にサンヤマを行うことで太陽系全体を知ることができる」と述べられていることと対比すると、このチャクラはスーリヤチャクラのことを指しているのかもしれません。

神経が集まって広がっていく重要な場所である太陽神経叢を知ることで、体全体のことを知ることができるといいます。

3.31節では、喉のくぼみにサンヤマを行うことで、空腹と喉の渇きが止まるといいます。

ついつい食べ過ぎたり飲みすぎたりしてしまうことがあったり、お腹は空いていないのに、ランチタイムが限られているので時間内になにか食べないといけなかったりといったことがあると思いますが、注意深く体を観察することで、本当は食べなくていい・飲まなくてもいいということに気づくことができます。

必要以上に食べたり飲んだりすることは、ただ内臓に負担をかけるだけです。

3.32節で出てくるクールマナーディは、サッチダーナンダ氏によれば「喉の下にある」といいます。「鎖骨間の1/2奥(胸と背中の真ん中)」と説明されることもあり、瞑想において意識を置く場所の候補として扱われるようです。

3.33節では、現代では第7チャクラ・サハスラーラチャクラと呼ばれるものと思われる「頭頂の光」が述べられます。ヨーガ関連の本の中には様々なシッダ(達人・成就した人)が描かれています。視覚的に得られるということから、おそらくこの時点で第三の目(第6チャクラ・アージュニャーチャクラ)も働いているということなのかもしれません。

チャクラに関しては、後世になってハタ・ヨーガやクンダリーニ・ヨーガなどで詳しく語られるようになりますが、ヨーガスートラの中にも少しだけ手がかりが書かれているようでした。

3.35節では、心臓にサンヤマを行うことで、ヨーガスートラのメインターゲットであるチッタ(心)について知ることができるといいます。このことから、「心は脳に宿る」とする現代の主流な解釈とは異なり、心は心臓に宿っていると捉えられていたことが読み取れます。もともとそういう解釈だったからこそ「心臓」という名前なわけですしね。

3.34節では、さらっと重要なことが言われています。いろいろな対象へサンヤマをしなくても、サットヴァ(純粋)になることによって全てを知ることはできるというのです。

ここまで読んできて、サンヤマによって得られる知や超能力に魅力を感じてきてしまっている人を一喝するような内容です。(3.34節は元々この場所に入っていたのか?という疑問はありますが)

結局のところ、ここまでサンヤマによって得られるといわれてきた数々の知よりも、1.16節で述べられた「プルシャ(真我)の認識によって、グナ(世界の構成物)への渇望からさえも解放される。」ということのほうが重要であるということでしょう。

これを補足するような内容がこのあとにも続いていきますが、引き続きサンヤマで得られることも述べられていきます。かなり揺さぶられます。

≫ヨーガスートラ解説 3.36-3.38(3.35-3.37)
≪ヨーガスートラ解説 3.26-3.29(3.25-3.28)

(※)3.22節に関しては、訳者によっては抜けているため、このあとの節番号がひとつずつズレている訳本もあります。この節が後世に付け加えられたものとされているのか、詳細は分かっていないようです。そのため、ヨーガスートラは全体で195節とする場合と、196節とする場合があります。ここでは3.22節は存在するとしてカウントした節番号をメインに使い、存在しないとした場合の節番号をカッコで示すことにします。

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