オンライン個別レッスン 初めての方・目的別MENU
ハタヨーガプラディーピカー概説 3.125-3.129 〜ラージャヨーガへ〜

ハタヨーガプラディーピカー概説 3.125-3.129 〜ラージャヨーガへ〜

ハタヨーガはラージャヨーガへの階梯であるという再確認

ハタヨーガの古典の中で、最も体系化されているとして重要視されているハタヨーガプラディーピカー

今回は、ムドラーの章の結び、第4章のラージャヨーガ部門へつながる部分を紹介します。

以下、日本語訳は「ヨーガ根本経典/佐保田鶴治」から引用しています。

この記事の目次

ラージャ・ヨーガへ

3.125 ラージャ・ヨーガがなければ、どんなに美しい大地も、夜も、ムドラーも輝かない。

1.1節で示されたことを再度確認しています。ラージャヨーガは、ヨーガスートラによって示された心を扱うヨーガであり、身体を扱うハタヨーガも最終的にはヨーガスートラと同じように「三昧」がゴールということになります。

ヨーガスートラの中でも三昧には様々な段階がありましたが、ハタヨーガにおける三昧がどのように達成されていくかは、このあとの第4章で示されることになります。

参考記事:ヨーガスートラ解説 1.17-1.18 〜有想三昧と無想三昧〜

佐保田氏によれば、ここでの「大地」はアーサナを、「夜」はプラーナーヤーマを示しているといいます。そう考えると、アーサナ・プラーナーヤーマ・ムドラーと並列しているのがしっくりきます。これらはすべて、身体を扱う行法のようではあるけれども、最終的には心を扱うラージャヨーガへ至る道であるということです。

専心してムドラーを実践すべし

3.126 気に関する行法のすべてを、精神を統一して行なうべし。心ある人は精神のはたらきを、これらの行法以外のことに向けてはならない。

3.127 以上、十のムドラーは最高の主シヴァ神が説きたもうたところである。それらのなかの一つ一つが修行者に大きな霊力を与える。

3.129 この師の教えを信奉し、ムドラーの修行に専念する人は、「微細」等の霊能を身につけて、死神をあざむくことができる。

ここまで身体に関する話がつづいてきましたが、第4章のラージャヨーガへつながる部分として、「精神のはたらき」というような言葉が急に出てくるようになります。

ヨーガにおける集中(ダーラナー)は心を一点に定めることであり、ある行法をやると決めたのなら、その行に集中してやりきらなければ、ゴールに至ることはできないのでしょう。

そこに至る過程で、いろいろな霊能力が身につくといわれます。ヨーガスートラも、ハタヨーガの教典も、いろいろな超能力をちらつかせてきます。ただ、それを目的として修行をしていては、魔道に堕ちてしまいます。あくまで目的は「三昧(サマーディ)」ということです。

そして、冒頭1.1節にあったようにハタヨーガはシヴァ神によって与えられた教えとされていて、ここでもシヴァ神が出てきます。

ヴィシュヌ神を信奉するヴィシュヌ派は、バクティヨーガを示すバガヴァッドギーターを主な教典としているように、各宗教ごとにいろいろな道(ヨーガ)が共存しています。

ほんとにヨーガってなんなんだ?

ヨーガの本質を探っていくには、いろいろな宗教を、曇りない感覚で見比べてみる必要がありそうです。

(次)ハタヨーガプラディーピカー概説 4.1-4.34 〜ヨーガが成った状態を表す、様々な表現〜

(前)ハタヨーガプラディーピカー概説 3.103-3.124 〜クンダリニーを目覚めさせる、シャクティチャーラナムドラー〜

参考文献

「ヨーガ根本教典」佐保田 鶴治 (著)

「サンスクリット原典 翻訳・講読 ハタヨーガ・プラディーピカー」菅原誠 (著)

「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

お読みいただきありがとうございます。他にもコラムを多数公開しています。
より知識を深めたい方には、オンラインプライベートレッスンを行っています。

コラムを探すページへ オンラインレッスン

公式LINE レッスン料金 スケジュール

※記事内容は執筆当時の情報・見解によるもので、現時点では有効でない場合がございます。

※記事内容を参考にされて生じたトラブルなどについては、自己責任にてお願いいたします。

サイト内検索

コラムを探すページへ