梵:बुद्धि buddhi
英:wit, intellect, reason, perception, talent…
日:知性、智慧、理解力、識別力
ブッディの意味
ブッディとは、「知性」「智慧」「理解力」「識別力」などを表す言葉。
「覚醒する」「知る」という意味の語根「budh」に由来する。
知覚された情報を分析・判断し、真実と虚偽を識別する力。ブッディは元々備わっているものであり、様々な煩悩によって曇っている状態である。すなわちブッディは本質的に「無意識」的なものであるとも言われる。
ブッディとマナス
マナスは五感からの情報を処理する「感覚的な心の機能」を指し、ブッディは知性・判断・意思決定を行う「理知的な機能」を指す。
すなわちマナスが情報を収集・処理するのに対し、ブッディはその情報を評価し正しい判断をする役割を持つ。
ヨーガスートラにおけるブッディ
ヨーガスートラでは、物質世界における心や肉体と、それをただ観ている真我(プルシャ)との関係性を述べており、それらを混同する無知(アヴィディヤー)によって全ての煩悩(クレーシャ)が生まれるという。
それらを識別(ヴィヴェーカ)する知性をブッディと呼んでいる。
バガヴァッドギーターにおけるブッディ
18章31節・32節で、ラジャス・タマスに影響を受けるとブッディは曇り、ダルマとアダルマの区別ができなくなると説明されている。
ダルマは行うべき美徳であり、アダルマはそれ以外のものである。
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