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ドゥッカ duḥkha/dukkha

梵:दुःख duḥkha/dukkha
英:suffering

日:苦、苦しみ

ドゥッカの意味

ドゥッカとは「苦しみ」などを意味する言葉。

「不安定な」「不安な」といった意味合いの言葉であり、人間の不快な経験の多様な側面を体現している。

「幸福」「安楽」を意味するスカー(sukha)の反対語とされることもある。

慈悲喜捨の中のドゥッカ

  • 慈(スカー):他人の幸せを喜び
  • 悲(ドゥッカ):不幸を憐れみ
  • 喜(プンニャ):他人の有徳を欣び
  • 捨(アプンニャ):不徳を捨てる

仏教の四諦(四聖諦)におけるドゥッカ

  • 苦諦(くたい):迷いのこの世は一切が苦(ドゥッカ)であるという真実。
  • 集諦(じったい):苦の原因は煩悩・妄執、求めて飽かない愛執であるという真実。
  • 滅諦(めったい):苦の原因の滅という真実。無常の世を超え、執着を断つことが、苦しみを滅した悟りの境地であるということ。
  • 道諦(どうたい):悟りに導く実践という真実。悟りに至るためには八正道によるべきであるということ。

ヨーガスートラにおけるドゥッカ

ヨーガスートラにおいて、心の散動に応じて起こることの一つとしてドゥッカ(苦痛)が挙げられている。

1.31節「心の散動に伴って、苦痛・失望・体の震え・呼吸の乱れが起こる。」

また、仏教との関連性を意識しながら、ヨーガスートラの中でも「一切皆苦」について述べられている。

2.15節「得たものを失う不安や恐怖・結果として心に残り新たな欲を生み出す印象(サンスカーラ)・心を左右する3つのグナの持続的な不均衡を鑑みるに、識別ある人にとっては、全てが苦であることは明らかである。」

そして、未発現のカルマによってもたらされる未来の苦は、避けることができると述べられています。

2.16節「未来の苦は、避けることができる。」

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