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アーサナ(ヨガポーズ)を増やすことの意味、習得順について

アーサナ(ヨガポーズ)を増やすことの意味、習得順について

慣れない姿勢や動作をしたとき、人は間違いを犯す

現代ヨガのアーサナ(ヨガポーズ)は、よく人々に参考にされているアイアンガー氏の本「ハタヨガの真髄」だけでも200以上示されています。

ただ、ヨガの歴史を調べてみると、古典のハタヨーガプラディーピカーで示されているアーサナは、20個もありません。

参考記事:ハタヨーガプラディーピカーの概要・アーサナ一覧

現代行われているアーサナの多くは、エクササイズ目的や、デモンストレーションのために、近年作られたものも多いのでしょう。

もともとのヨーガは精神集中のための行法であり、現代ヨガはただのアクロバットだと批判されることも多いようですが、とはいえ私は現代ヨガのアーサナもとてもよくできていると思います。

そして、「いろいろな姿勢や動作を軽々と行えるようになる」ということには、重要な意味があります。

たとえば、家の中でいつもやっている動作というのは、何度も繰り返しているので慣れているでしょう。なんなら目で見なくてもできてしまうかもしれません。しかし、いつもと違うものが置いてあったりすると、とたんにミスが生じて、タンスの角に小指をぶつけたりする可能性が高まります。

慣れない姿勢を取った場合、意識の大部分を体に向けないといけないので、周りへ注意を向けられなくなったり、その状態で作業をしようとしたら能率は下がってしまうでしょう。

ヨーガスートラでは、「アーサナ(姿勢・坐法)は快適で安定していること」と述べられていますが、たとえば「たった一つのお気に入りの姿勢」だけでしか快適でいられないとなると、変化し続ける世界において快適に生きていくことは難しいでしょう

参考記事:ヨーガスートラ解説 2.46-2.48 〜アーサナ(坐法・姿勢)〜

慣れない姿勢や動作をしたとき、人は間違いをしたり怪我をしたりします。思いもよらないことが起こったときに、体も心も乱れます。

いろいろな姿勢や動きを極めていけば、どんなときも心や体を平然と保っていられます。「慣れた姿勢や動作」のパターンを増やすために、アーサナをたくさん習得していくというのは有効であると思います。

たとえ動いている最中でも、どのタイミングで止まっても、平然としていられるようになれれば理想的です。なので太陽礼拝やアシュタンガヨガのジャンプスルーようなヴィンヤサの動きも、なるべく勢いを使わずにふわりと行うのが望ましいのです。

それでは、どんな順番でアーサナを増やしていくのが良いでしょうか。

難しいアーサナに挑んでいくと、体の「癖」が必ず顔を出してきます。癖をそのままにして進めていくと、怪我をしたり、逆に体を歪ませてしまったりします。

なので、まずは基本的なアーサナをひととおりしっかり練習して、癖をなくしていくのが良いと思います。

ただ、これがとても難しい。とくに、苦手だなぁと思うアーサナにこそ、癖を改善するヒントがあります。場合によってはこれだけでも数年かかることもあります。しかしそういう練習にこそ根本的な意味があるのだと思います。

「ひととおり」というのは、たとえばシヴァナンダヨガのように前屈・後屈・ねじり・アームバランスなどの各カテゴリーのアーサナについて、一番簡単なものから行っていけば良いでしょう。苦手なカテゴリーだけやらないでおくと、バランスの悪い体になっていってしまいます。

参考記事:シヴァナンダヨガのアーサナ内容

癖に気づいて、自力で取り除いていくこと。そこにヨガの効果・意味があるような気がします。

癖をそのままにして難しいアーサナに挑戦したりして、怪我をしないようにしましょう。

体だけでなく、心にも様々な癖があります。心の癖に気づいて取り除いていくには、瞑想が有効です。

しかし瞑想を深めるためには、まずは姿勢を整えるべし、とヨーガスートラは示しています。

参考記事:ヨガを深める8ステップ

難しいアーサナや瞑想に取り組む前に、基礎的なアーサナを正しく練習して、癖を見つけて取り除いていくのが良いでしょう。

見慣れた基本アーサナだからといってテキトーにやらずに、正しい方向性で、練習しましょう。

アーサナのカテゴリー分け・習得順の一例を示したマップも参考にしてみてください。

ASANA JOURNEY MAP

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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