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鼻呼吸と口呼吸の比較・ヨガ呼吸とピラティス呼吸の比較

鼻呼吸と口呼吸の比較・ヨガ呼吸とピラティス呼吸の比較

メリット・デメリットを知った上で、意図的に使い分ける

先日、オフィスヨガでご質問いただいたので、書いてみます。

人間は、鼻呼吸・口呼吸どちらでもできるようにつくられています。

ということは、「メリット・デメリットを知った上で、”意図的に”使い分ける」のが良いのだと思います。

参考:ヨガとピラティスの違い|呼吸・効果・歴史・向いている人

この記事の目次

鼻呼吸と口呼吸、どちらで行うかまとめ

まずは結論から。

平常時は「鼻で吸って鼻で吐く」で良いと思います。

落ち着きたい時、体の緊張を解いたり、邪気を外に出したりしたいときなどは、「鼻で吸って口で吐く」のが良いでしょう。
とくに、後で紹介する「ストロー呼吸」で口から吐くのはとてもオススメです。

口で吸うのは、一度にたくさん吸いたいときや体内の温度を調整したいときに有効ですが、菌やホコリなどを吸い込んでしまうなどデメリットも大きく、必要な時だけ意図的に使うことになるでしょう。

ヨガのポーズ練習中は基本的に「鼻で吸って鼻で吐く」です。
特殊な呼吸法としては、口呼吸で行うものもあります。

ピラティスの練習中は「鼻で吸って口で吐く」が多いですが、まれに「鼻で吸って鼻で吐く」の流派もあります。

鼻呼吸・口呼吸のメリット・デメリット

呼吸をどちらで行うかは、生理学的な考え方と、エネルギーライン的な考え方がありますが、ひとまず分かりやすく生理学的なメリット・デメリットを考えてみるのが良いと思います。

鼻で吸うほうが菌やホコリなどが肺に入りにくく、それらが原因となる病気の大部分が予防できます。

口で吸う場合は一度にたくさんの空気を取り入れられ、また外気の温度を取り入れて体を冷やしたり温めたりしやすいです(逆に温度を保ちたい場合は鼻呼吸が良いでしょう)。

湿度の点では、口から呼吸すると喉が乾燥しやすいです。
寒い季節などでは、とくに鼻呼吸で温度と湿度を保つのが良さそうですね。

口で吐く場合、吐き方による効果の違い

口で吐くときの吐き方として、大きく分けて「ハー」と「フー」があります。

「ハー」は一度にたくさん吐くことができ、一気に脱力したりするときに使うことができます。ただ、呼吸の長さをコントロールしにくいです。

「フー」は呼吸をコントロールしやすく、また強く吐き出すことができるので、呼吸に関わる筋肉を強化するのにも有効です。ピラティスで吐くときは「フー」で行うことが多いです。

ストロー呼吸

鼻で吸ってから、口をすぼめて細く「フー」と吐く「ストロー呼吸」は、呼吸のコントロールの練習や、肋骨周りの筋肉をリラックスするためにとても効果的です。

吐く強さを均一に保ちながら、だんだん長くしていくようにコントロールし、たとえば15秒〜30秒程度かけて均等に吐き出し、最後にしっかり吐ききるように練習してみましょう。

吐き続けるときに呼吸筋を使い続け、最後に吐ききったときに脱力するため、繰り返していくと胸の真ん中がとても楽になります。

声を出したり歌ったりする時の呼吸

人間が口呼吸できるようにつくられたのは、声や歌で表現するためかもしれません。

たくさん吸い込むためには口で吸うのが良いですが、喉が乾燥してしまうので、「基本的には鼻で吸い、緊急にたくさん息を吸いたい時にだけ口で吸う」と考えておくのが良さそうです。

ヨガの呼吸

ヨガのポーズ(アーサナ)を行っている間は、基本的に鼻呼吸が良いでしょう。

ヨガの呼吸法の中には、口で行うものもあります。
シータリープラーナヤーマ、シータカーリープラーナヤーマという、どちらも熱(ピッタ)を下げる効果のある呼吸法です。また別記事でやり方を紹介します。

また、マントラやシュローカなど、声や歌を発する習慣がとても多く、これらも良い呼吸法と言えると思います。

ピラティスの呼吸

ピラティスの動きを行っているときは、鼻で吸って口で吐くのが基本です。まれに鼻で吸って鼻で吐く流派もあります。

どんな動きのときに吸うか吐くかというルールが、ヨガのヴィンヤサのルール(たとえばヨガでは上に伸びるときは吸う、など)とは異なる場合も多いです。

基本的には、そのエクササイズにおけるメインの動作では「吐く」で行う、と覚えておくと良いかと思います。

行う人のレベルなどによって呼吸が変更されるので、インストラクターの指示を聞きながら正確に行ってみるようにしましょう。

呼吸を変えると、動きの質が全く変わってきます。

鼻を通しておくのが最重要

いろいろ考えてみると、やはり人生の中でいちばん多く行うのは鼻呼吸です。

鼻呼吸を行うためには、鼻がつまっていたらマズいですね。
また、鼻呼吸は通常、左右どちらかがメインに行われていて、一定時間ごとに切り替わり、自律神経の切り替えを助けています。

そのため、どちらかがいつもつまっている人は、自律神経の切り替えがうまくいかなくなり、「休みたくても休めない」「集中したくても集中できない」といったことになり、だんだん病気になってしまいます。

鼻がつまる原因は、鼻水や膿やホコリなどがつまっていることもありますが、体の歪み・顔や頭周りの筋肉の偏りなどたくさん考えられます。

まず、歪みをなくすために、ヨガのねじりや体側を伸ばすポーズを行って体の偏りをなくしたり、鼻通・迎香などのツボを刺激して鼻周りをリラックスさせておきます。
そして毎日ネティ(鼻うがい・鼻洗浄)をしておくのが良いでしょう。

両鼻が通るようになったら、カパラバティ片鼻呼吸法などを行って、自律神経の切り替えをスムーズにし、頭をスッキリさせる習慣を作っていきましょう。

≫ネティ(ジャラネティ・鼻うがい・鼻洗浄)のやり方

≫アルダマツェンドラーサナ(ねじりのポーズ)

≫アヌローマヴィローマ(片鼻呼吸法)

男性ヨガインストラクター 高橋陽介の写真

by 高橋陽介

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