体が疲れたり、心が疲れたり。
体が怪我したり、心が怪我したり。
そんな状態から、「回復」することを願って、人はいろいろなことをします。
では「回復」とはなんなのか?どのようにおこるのか?知識を捨てて、考えてみます。
「回復」あるいは「快復」という言葉について考えてみると、「復」というくらいですから、「元に戻る」というニュアンスを感じます。
ということは「元の状態」があるというこおでしょう。
しかし人間の肉体は歳を重ねていくわけですから、完全に「過去の状態」に戻ることはできません。
なので、「昔の状態に戻る」のではなく「今のベストな状態になろうとする」のが現実的な「回復」なのでしょう。
つまり回復が行われるには「今のベストな状態」に気づいている必要があります。
これを履き違えて、「昔に戻りたい」とか「あの人みたいになりたい」などと幻想を抱いてしまうと、そこへたどり着けずに悩むことになります。
自分の、今の、ベストな状態。意外とイメージするのは難しいかもしれません。
しかしそれを意識しなくても、人間には「回復」する仕組みが備わっているようです。
たとえば病気がどんなメカニズムで起こっているのか知らなくても、何日か寝れば治ったりします。
ということは、私たちは「意識しなくても知っている」ことがあり、「今のベストな状態」を示すいわば設計図や指針のようなものによって、体や心は「意識しなくても」回復していくようです。
たとえば爪を切っても時間が経てば同じような形で伸びてきますが、それもなにかしらの設計図に沿って「意識しなくても」行われています。
このように、人間には「顕在意識」と「潜在意識」があり、それぞれがうまく関係し合って活動しているようです。
そして、どうやら一般的な回復に主に関わっているのは潜在意識のようです。寝ている間、顕在意識が働いていない間に潜在意識が良く働いて、起きたら治っている、というのはよく経験することです。
悩み続けていた心配事も、寝て起きたら平気になった、ということもあると思います。心にも設計図があり、ベストな状態にするために潜在意識が働くのでしょう。
つまり、最も簡単な「回復」方法としては、「寝る」なのでしょう。
それも、ちゃんとスイッチを切り替えて、質の高い睡眠をすることです。
顕在意識に余計なエネルギーを使わせず、回復のための設計図を知っている潜在意識がうまく働くようにする。
そしてこれを、寝ていない状態で、自分でコントロールして行うことができると、より実用的になりそうです。
それが瞑想なのでしょう。
練習を積めば、気づきを働かせながら行うことができるので、気づきのない質の低い睡眠を行うよりも瞑想のほうがスッキリするという場合もでてきます。
顕在意識が次々に生み出す雑念にエネルギーを奪われないようにして、潜在意識が働けるようにする。
そして待っていれば、設計図に沿って潜在意識が心身をベストな状態に導いてくれるということでしょう。
時には、思いもよらないような能力に目覚めたりもするかもしれませんが、そういった「顕在意識が知らなかったスゴイ状態」すらも潜在意識は知っているかもしれません。
潜在意識が整えてくれた心身を使って、顕在意識はこの世界で活動します。
疲れた時には顕在意識は休み、潜在意識に任せて、回復をする。
そのために、睡眠や瞑想をうまく使う。
そんな感じでやっていくのが良さそうです。
ここでは顕在意識を鎮めていく方向性の話をしましたが、先の記事で紹介したように観想(イメージ)を使って回復を行う方法もあります。顕在意識は潜在意識の邪魔をするだけではなく、適切に方向づけることもできるようです。
また、眠りや夢というものを大きく変えていくこともできるようです。そのあたりの話はまた別の機会に書きたいと思います。