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「クンダリニー・タントラ」を読む【33】第2章 6節:マニプーラチャクラ

「クンダリニー・タントラ」を読む【33】第2章 6節:マニプーラチャクラ

人間が進化へ向かっていく、新たな基底としての第3チャクラ

「KUNDALINI TANTRA(クンダリニー・タントラ)/Swami Satyananda Saraswati(スワミ・サティヤナンダ・サラスワティ)著」を読み進めていく形で、クンダリーニヨガの概要を紹介していきます。

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

用語:クンダリニー(クンダリーニ)
用語:チャクラ
用語:ナディ(ナーディー)

これらは今は誰もが見えるもの・感じ取れるものではないので、扱うのが難しい分野ではありますが、心身の改善のためにも、ヨガのポーズや瞑想を洗練させるためにも、そしてさらなる進化のためにも、これらの「見えないもの」も注意深く研究して、気づきを磨いていくと良いかと思います。

参考:クンダリニーヨーガ(クンダリーニヨガ)の研究まとめ

今回は、第2章の6節、第3チャクラのマニプーラチャクラに関する部分です。

以下、引用部分の太字強調は私が個人的に重要と思ったところを示したものです。

この記事の目次

マニプーラチャクラの概要・位置

Manipura is derived from two Sanskrit words: mani meaning ‘jewel’ and рura meaning “city”. Therefore, manipura literally means “city of jewels”. In the Tibetan tradition, this chakra is known as mani padma, which means “jewelled lotus”.

「マニ」の意味は「宝石」、「プーラ」の意味は「街」であり、マニプーラの意味は「宝石の街」ということになります。チベットの伝統ではこのチャクラは「マニ・パドマ」として知られ、その意味は「宝石に彩られた蓮華」となります。

「オム マニ ペメ フム(オーン マニ パドメー フーン)」というマントラ(真言)はチベット仏教徒が最もよく唱えているようです。

日本の真言宗でも、よく唱えられる光明真言の中に「まに はんどま」という言葉がはいっています。

Manipura is a very important center as far as the awakening of kundalini shakti is concerned. It is the center of dynamism, energy, will and achievement and it is often compared to the dazzling heat and power of the sun, without which life on earth would not exist. In the same way that the sun continually radiates energy to the planets, manipura chakra radiates and distributes pranic energy throughout the entire human framework, regulating and energizing the activity of the various organs, systems and processes of life.

マニプーラチャクラは、クンダリニー・シャクティの覚醒において重要なセンターであるといいます。

このチャクラは、変容・エネルギー・意志・達成などに関わり、その輝く様子はまぶしい熱光や太陽の力などに喩えられ、それなしでは地球に生命は存在し得ない、といった形で表現されます。

太陽が、地球などの惑星へ向けてエネルギーを放射するように、マニプーラチャクラはプラーナのエネルギーを人間の全構造へと運び、生命の営みに活力を供給しているといいます。

これが欠けてしまうと、活力がなくなり、生命活動も貧弱なものになり、心もやる気を失っていってしまいます。

Manipura chakra is located directly behind the navel on the inner wall of the spinal column. The kshetram is situated right at the navel. This chakra is anatomically related to the solar plexus, which controls the digestive fire and heat regulation in the body.

マニプーラチャクラの位置は、おへその真後ろ、背骨の内側の壁にあり、クシェートラム(チャクラに対応する体表の点)はまさに「臍」です。

このチャクラは、みぞおちにある太陽神経叢に対応しており、これは消化器官や体温調節など「火」に関する働きに関係しているといいます。

マニプーラチャクラを表す伝統的なシンボル

(画像出典:Wikipedia)

マニプーラチャクラを象徴するシンボルについて、こちらも前の2チャクラと同様にたくさんのものが描かれていると説明がありますが図は載っておらず、全ての要素を含む図は見つかりませんでした。しかしそれぞれの要素には、チャクラの意味や行法を表す重要な意味があると思われます。

Manipura is symbolized by a ten petalled bright yellow lotus. Some of the tantric texts say the lotus petals are the color of heavily-laden rain clouds. On each petal one of the ten letters: dam, dham, nam, tam, tham, dam, dham, nam, раm and pham is inscribed in the color of the blue lotus. In the center of the lotus is the region of fire, symbolized by an inverted fiery red triangle which shines like the rising sun. The triangle has a bhupura or swastika in the shape of a T on each of its three sides. In the lower apex is the ram, vehicle for manipura, symbolizing dynamism and indomitable endurance. Seated on the ram is the bija mantra of manipura – ram.

マニプーラチャクラを象徴するシンボルは、10枚の黄色い花弁を持つ蓮華として描かれます。

花弁にはそれぞれडं, ढं, णं, तं, थं, दं, धं, नं, पं, फं (ḍaṁ, ḍhaṁ, ṇaṁ, taṁ, thaṁ, daṁ, dhaṁ, naṁ, paṁ, and phaṁ)のマントラが描かれ、中央にはビージャマントラである’रं’ (ram)が青色で描かれています。

蓮華の真ん中には、燃えるように赤く朝日のように輝いた逆三角形が描かれ、「火」の領域であることを表しています。三角形にはその3辺に卍が描かれています。下向きの頂点はマニプーラの乗り物(ここで乗り物をthe ramと言っていますが、おそらく牡羊?ビージャマントラもramなのでややこしいですが)を表し、内に秘めたエネルギーや不屈の忍耐力を表しています。

The tanmatra of manipura is sight. The gyanendriya or organ of knowledge is the eyes, and the karmendriya or organ of action is the feet. These two organs are closely linked in the sense that vision and willful action are interdependent processes.

マニプーラチャクラに関連するタンマートラ(感覚)は「視覚」であり、ギャネンドリヤ(感覚器官)は「目」で、カルメンドリヤ(行動器官)は「足」であるといいます。目と足は、「視て情報を得ようとする」ということと「意志を持って行動する」という役割において、相互に関係していると説明されています。

Manipura belongs to swaha loka, the heavenly plane of existence. This is the last of the mortal planes. Its guna is predominantly rajas (activity, intensity, acquisitiveness), whereas the lower chakras are predominantly tamasic (lethargic and negative). The tattwa is agni, the fire element, which is very important in kundalini yoga. Its vayu is samana, which digests and distributes the essence of food to the entire system. Manipura and swadhisthana chakras are the seat of pranamaya kosha.

マニプーラチャクラはスワラ・ローカに属し、そこは全ての存在にとって「天国」のような次元であり、ここより低次の3つの次元は消滅と創造を繰り返しているといいます。

関係するグナはラジャス(動性)であり、下の2つのチャクラはタマス(鈍性)でした。火の元素に関わり、火はクンダリニーヨーガにおいてとても重要であるといわれます。

スワディシュターナチャクラが関係するヴァーユはサマーナであり、ヴァーユは体内に5つあるとされる気の流れでそれぞれが担当する生命活動を支えており、サマーナは消化や運搬を司り、食べ物の栄養を身体中へ運ぶエネルギーです。マニプーラチャクラとスワディシュターナチャクラは、プラーナマヤ・コーシャ(気の体)の座であるといいます。

用語:ローカ loka
用語:コーシャ koṣa

わかりにくい言葉も並んでいますが、このあたりの意味をざっくり捉えると、上のチャクラに向かうにつれて、そのチャクラが担当している分野が、肉体のような物体・物質的なものから微細なものへと変わっていき、より動的で変化に富んだ次元、そして根本的な次元に関わるようになっていくというイメージです。

ローカという言葉を、「次元」と呼ぶこともあるし、サティヤナンダ氏は「plane(平面)」という言葉を用いて説明していることもあります。宇宙は、異なるローカが7つ重なって存在していると考えます。

In the yogic scriptures it is said that the moon at bindu secretes nectar which falls down to manipura and is consumed by the sun. This results in the ongoing process of degeneration which leads to old age, disease and death. This process can be reversed in the human body by adopting certain yogic practices which send the pranic forces in manipura back up to the brain. Otherwise the vitality is quickly dissipated and lost in the mundane affairs of life.

ヨーガの文献によれば、ビンドゥ(後頭部の一番上)の月から流れ出るネクター(霊薬)が下にたれてきて、それがマニプーラチャクラの太陽で消費されることによって人は老いていき、いずれは病気になって死に至ると考えられています。

この過程は、ヨーガの技法を用いれば逆転させることもでき、マニプーラに降りてきたエネルギーを脳へと返すこともできるといいます。

ヴィパリータカラニー(逆転の姿勢)

It is said that meditation on manipura chakra leads to knowledge of the entire physical system. When this center is purified and awakened, the body becomes disease- free and luminous, and the yogi’s consciousness does not fall back into the lower states.

マニプーラチャクラへ瞑想を行うと、全ての物質の成り立ちに関する知識が得られるといいます。このチャクラが覚醒すると、体は病気から自由になり光輝に満ちたものになり、意識は再び低次の状態に落ちていくことはないと説明されています。

人間の進化の基底としてのマニプーラチャクラ

According to the Buddhist tradition and many of the tantric texts, the actual awakening of kundalini takes place from manipura and not from mooladhara. And in some tantric traditions, mooladhara and swadhisthana are not referred to at all, as these two centers are believed to belong to the higher realms of animal life, whereas from manipura onwards higher man predominates. So mooladhara is the seat of kundalini, swadhisthana is the abode, and the awakening takes place in manipura. This is because from manipura the awakening becomes ongoing and there is practically no danger of a downfall or devolution of consciousness. Up to this point, kundalini may awaken and arise many times, only to recede again, but awakening of manipura is what we call a confirmed awakening.

仏教の伝統や多くの密教の教典などによれば、クンダリニーの覚醒はムーラーダーラチャクラからではなくマニプーラチャクラから起こるという考え方もあるようです。

これはつまり、低位の2チャクラは動物的進化の最終段階にあたり、マニプーラチャクラから上のチャクラこそが人間としての進化の道であるという意味で捉えられるといいます。

そしてマニプーラチャクラが覚醒するまでは、クンダリニーは何度も下へ戻っていくことがありますが、マニプーラチャクラから上に行けばもう戻ることはなく、ここでようやく覚醒を確認することができる、といった意味もあるようです。

If you are exposed to spiritual life, practise yoga, have a keen desire to find a guru and to pursue a higher life, side by side with the work you are doing, it means kundalini is not in mooladhara. It is in manipura or one of the higher centers.

霊的な生活に触れ、ヨーガを実践し、社会生活を送りながらも、師匠を見つけてより高い次元の人生にしていきたいと切望してる場合、クンダリニーはすでにムーラーダーラチャクラに居るのではなくマニプーラチャクラまで上昇していることを意味する、と説明されています。

マニプーラチャクラを進化の基底として安定させるために、次の項でプラーナとアパーナの融合という概念が述べられます。

プラーナとアパーナの融合

In tantra there is an important branch known as swara yoga, the science of the breath, which is used to bring about the awakening of kundalini. According to this system, all the pranas in the body are classified into five dimensions – prana, apana, vyana, udana and samana. At the navel region, there is an important junction where two of these vital forces – prana and apana, meet.

ここで、プラーナ・アパーナ・ヴャーナ・ウダーナ・サマーナの5つのヴァーユが挙げられ、これらは体の中の各部分に存在し、それぞれが異なる生命活動を支えていますが、プラーナとアパーナが隣接する場所が、マニプーラチャクラのある臍のあたりであると説明されています。

本山博氏も最も重要な行法のひとつとして、丹田でプラーナとアパーナを合一させる、という技法を用いていますが、これの意味の一端がこの項で示されます。

The prana moves upwards and downwards between the navel and the throat, and the apana flows up and down between the perineum and the navel. These two movements are normally coupled together like two railway carriages, so that with the inspired breath, prana is experienced to move up from the navel to the throat while apana is simultaneously moving up to the navel center from mooladhara. Then with exhalation, prana descends from the throat to the navel and apana descends from manipura to mooladhara. In this way prana and apana are continually functioning together and changing direction with the flow of the inspired/expired breath.

プラーナは、臍と喉の間で上下の流れを繰り返しており、アパーナは会陰と臍の間で上下を繰り返しています。

これらの流れは通常は同じ向きに行われており、息を吸うときはプラーナもアパーナも上がり、吐くときはどちらも下がります。

This movement can be readily experienced through relaxed breath awareness in the psychic passages between the perineal region, the navel and the throat centers in the front of the body. By gaining control through particular kriyas, the apana is separated from prana, and its flow is reversed to bring about the awakening of the chakra. Whereas the apana normally descends from manipura during expiration, the flow is reversed so that prana and apana both enter the navel center simultaneously from above and below, and are joined. This is the union of prana and apana.

リラックスして呼吸しているとき、上記のような流れを感じ取ることができますが、特定のクリヤーを行うことによってこの流れをコントロールすることができ、アパーナの流れをプラーナの流れから切り離すことができるといいます。

それによって、アパーナの流れを逆転させ、マニプーラチャクラへ向かって双方の流れを向かわせることもできるということです。これがプラーナとアパーナの融合です。

It is said that when kundalini wakes up in mooladhara it begins to ascend spirally, like a hissing snake. However, the awakening of kundalini in manipura takes place like a blast, as the prana and the redirected apana meet in the navel center. It is like two great forces colliding with each other and then fusing together at this pranic junction, manipura kshetram. As they fuse together, they create heat and an energy or force which is conducted directly back from the navel to the manipura chakra within the spinal cord. It is this force which awakens manipura chakra. The force of sadhana has caused a total reorganization of the pranic flow in the body, so that mooladhara is transcended and the new base of kundalini is manipura chakra.

ムーラーダーラチャクラでのクンダリニーの覚醒は、とぐろを巻いていた蛇がシューッと音をたてて立ち上がるように螺旋を描いて起こりますが、マニプーラチャクラでの覚醒は、プラーナとアパーナの融合による爆発的なものになるといいます。

2つの大きな気の流れの衝突は、マニプーラチャクラのクシェートラム(臍)で起こり、それは熱を帯びたエネルギーの流れとなって、臍から背骨の方へ向かい、すなわちマニプーラチャクラへと流れこむ、と説明されています。

この過程を経ると、体内のプラーナの流れは全体的に再構成されるため、ムーラーダーラチャクラを基底としていた状態は過ぎ去り、ここからマニプーラチャクラを基底として進化がすすんで行くことになるといいます。

マニプーラチャクラ覚醒後の道

Human evolution takes place through seven planes in the same way that kundalini awakens in the seven chakras. When the consciousness evolves to manipura, the sadhaka acquires a spiritual perspective. He gets a glimpse of the higher lokas or planes of existence.

人間の進化は、7つの次元で同じように起こり、それはやはりクンダリニーが7つのチャクラにおいて覚醒するという方法で行われるといいます。7つの次元の体に、それぞれ7つのチャクラがあるという考え方で、これは神智学やバーバラ・アン・ブレナン氏なども語っている構造です。

マニプーラチャクラが覚醒すると、霊的な知覚を得て、高次元のローカ(次元・世界)を垣間見ることができるようになるといいます。

From mooladhara and swadhisthana the higher planes cannot be seen. Therefore, the limitations of perception in the lower planes are responsible for the misuse of siddhis or powers which begin to manifest there. Only when the sadhaka reaches manipura is he able to visualize before him the infinite state of consciousness which is no longer gross and empirical. It stretches before him endlessly, full of beauty, truth and auspiciousness. In the face of this vision, all his views are completely changed. The personal prejudices, complexes and biases drop away as the endless beauty and perfection of the higher worlds dawn within the consciousness.

ムーラーダーラチャクラやスワディシュターナチャクラの段階では、そういった高次元の世界を知覚することができないため、そこで超能力を得てしまうと、悪用してしまうことにつながるといいます。

マニプーラチャクラに到達した場合、粗雑で無常な物質世界に執着することがなくなり、永遠に続く自分の意識に気づき、それは美と真実と大志に満ちているということに気づくため、肉体的なコンプレックスや偏見なども消え去っていくといいます。

そういった高次元の意識状態にあっては、物質世界で能力を悪用しようなどという発想すら起こらないでしょう。

The powers gained through the awakening of manipura chakra are the ability to create and destroy, self-defence, the acquisition of hidden treasures, no fear of fire, knowledge of one’s own body, freedom from disease and the ability of withdrawing the energy to sahasrara.

ムーラーダーラチャクラやスワディシュターナチャクラの覚醒で生まれる力と、マニプーラチャクラで生まれる力は明らかに異なり、創造と破壊、自己防衛、隠された悲報、火への恐怖の克服、体についての全ての知識、病気からの解放、そしてサハスラーラのエネルギーを引き入れてくる能力などが得られると説明されています。

次記事:「クンダリニー・タントラ」を読む【34】第2章 7節:アナーハタチャクラ

前記事:「クンダリニー・タントラ」を読む【32】第2章 5節:スワディシュターナチャクラ

参考文献

「Kundalini Tantra 英語版 ペーパーバック」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「Kundalini Tantra 英語版 Kindle」 Swami Satyananda Saraswati (著)

「密教ヨーガ―タントラヨーガの本質と秘法」本山 博 (著)

「クンダリニー」ゴーピ・クリシュナ (著), 中島巌 (翻訳)

「Asana Pranayama Mudra Bandha 英語版」Swami Satyananda Saraswati (著)

「チャクラ」C.W.リードビーター (著), 本山 博 (著), 湯浅 泰雄 (著)

「光の手 (上)」バーバラ・アン・ブレナン (著), 菅靖彦 (翻訳)

「神智学大要 第1巻  エーテル体」A.E. パウエル (編集), 仲里 誠桔 (翻訳)

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